東方 外来人物語   作:佐藤練也

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第28話

 

....昨日の隕石は一体何だったんだろう...。

見るからに似通った地形ではあるけれど、先程とは状況が一変している...。

ターゲットの居る位置を見失ってしまったかもしれない....。

僕、スマーティは今現在のところなだらかな山道を軽い足取りで歩みを進めている。

傾斜こそ急こう配ではないが、草の繁茂が著しい。

視界もクリアとは言えず、それを掻き分けながら前へと進む。

 

 

スマーティ「ふう、やっと開けた....。」

 

 

生い茂る草を掻き分けて、開けた場所へ出る。その僕の眼前には、さらに続く坂に沿って上へと延びる長い階段があった。

....どれぐらい長いの、この階段。

見上げる位置に鳥居が見えるのはまあ良しとしても、その鳥居が小さく見える。

つまりそれ程この石段を歩いて登り、その位置に迄行かなくてはならない。....。

しかし行く理由があるだろうか、僕の目的は主要ターゲットとなる人物の抹殺、今は神社へ願掛けに来ているのではない...。

自然と僕の脚は、その意思に反してその石段を登り始めた。

 

 

スマーティ「.....長い....。」

 

 

境内の方からは、人の気配....。

誰かが2人談笑している様子が伺えた。

人の気配を感じることなど殺しを生業にしている僕からしてみれば、造作もないこと....。階段を登り切れば、先程から見えていた鳥居はやたら大きく立派なもので、その奥には昔ながらの日本的な造りの建物....。

神社と言うやつかな?それが、堂々と腰を据えている様子で建っていた。

境内の鳥居が建っている場所から本殿に向かって真っすぐ敷き詰められている石畳、その上をゆっくり踏みしめた。

 

 

???「だから言ったじゃない、すぐ帰れって...。はあめんどくさいったらありゃしないんだから...。」

 

???「そんな言い方ないだろ?!私はおまえの話し相手になりに来てやってんのに....!」

 

???「だからアンタはいつも何様なのよ....。」

 

 

神社本殿とは別棟になっている東屋のような場所にて寛いでいる、2人の少女の姿が、僕の目に映った。

1人は紅白の少々巫女服にしては露出の度が過ぎているかもだが、それを着ているおそらく巫女さん。

1人は白黒の衣装が印象に残りそうな、あと頭にかぶっているであろう尖がり帽子を膝の上に載せて寛いでいる、....コスプレじゃなければ、あの子は魔法使い....。

いや、.....はあ。僕は場所を間違えてしまったようだよ。早く引き返さないとね。

そう思いつつ、踵を返した僕の耳にその少女の声が届く。

 

 

???「待ちなさい。」

 

スマーティ「えっ?....あの、僕?」

 

???「当たり前でしょ。」

 

 

そういうや巫女と思われる装束を着た、涼しげな格好の少女へ顔を向けた。

手招きもしているので、その彼女等に近寄っていく。

 

???「あなた、....。見ない恰好ね、どうりで変な気配がすると思ったのよ。」

 

???「そうだな。まったく今日連続で外来人に会うなんてな...。....えっ、多分こいつそうだろ?」

 

???「その通りよ...。....あなた。私が誰だかわかる?....っといってもわからないわよね。」

 

スマーティ「えっ....うーん....。ちょっとわからないかなぁ.....。」

 

???「なによ、それ.....。まあ良いわ....。ちょっとこっちにいらっしゃい。」

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 

 

走馬「いやあ、しかし凄かったなあ...!あの、聖さん!!」

 

白蓮「何ですか?」

 

 

私は聖白蓮。妖怪の賢者から言い渡されていた....

「外の世界で色々と困っている子が来ちゃうかもしれないから、助けてあげてほしいの。今もその子は大変危険な状況だから、お願い♡」

という意味の解らない言葉を受け取りつつも、それに協力したわけですが...。(というか偶然修行をしているところへ彼が来てくれたのが、幸いと言いますか...。)

これは御仏も匙を投げだすレベルの”業”を背負った少年が来たものですね....。

少なくとも神をも殺めていそうな雰囲気ではあるようですが....。

成程、その右脚の脛に革帯で固定してあるその鞘の中から、僅かばかりの神気を感じる...。

この子はどうやら私が預かることになりそうですね、あの賢者の言葉の通りになりましたか....。

というか、この子は何故私の名を...。

 

 

走馬「本物に会えるなんて驚きです、いや、もう感激っ!!聖白蓮さんですよね!?あっ、自己紹介しなきゃな!外の世界から来た、太秦走馬っていいます!!」

 

白蓮「はい、いかにも。私は聖白蓮です...。....太秦走馬....。.....そうですか、ならば....。私の名を知っているのであれば、妖怪の賢者もご存じですね...?」

 

走馬「ああ、勿論!八雲紫さん、ですよね!」

 

白蓮「ええ、その通り。....ならばこの世界、幻想郷についても...。」

 

走馬「もうもちのろんっ!!だって外の世界でも噂されていますから!」

 

白蓮「なるほど....。ならば、話は早いですね。貴方のことを妖怪の賢者から頼まれています。私と一緒に命蓮寺へ来なさい。」

 

走馬「はいっ!!」

 

 

走馬が白蓮とコンタクトを果たしたのは、練也が人里へ文と共に入り、そしてスマーティが博麗神社へ行き着いたその日の夜....。詰まり、彼等が幻想郷に来て2日目の夜の出来事であった。

 

 

 

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