ふむ....。ふむふむ。
なるほど、このようなことになるとは。
霧の湖の直ぐ近く、そこに佇む紅い館の主....。
レミリア・スカーレットは、自らが腰かけるその玉座にて近いうちに起こりうる出来事をひそかに見ていた。
その彼女が見るビジョンには、ある1人の外来人が映っていた。
レミリア「...ふぅん....。面白そうじゃない....。」
咲夜「お嬢様、失礼いたします。」
彼女の部屋の扉がノックされ、そこから姿を見せたのはメイド服を身に着けた十六夜咲夜が、手にティーセットを携えレミリアの下へ。
彼女はレミリアが運命を覗いていることは、百も承知でいるようなそぶりで机上にセットを並べ始めた。
レミリア「咲夜。」
咲夜「はい。」
レミリア「....どうやら、近いうちに迎えることになりそうね....。.....”新しいメイドを”。」
咲夜「....では、そちらの準備も...。」
レミリア「ええ....。」
所は変わり、博麗神社。
....眠い。
昨日の昼に仕事からようやく解放され、気持ちよく眠っていたところへあのバカがやって来なければ...。
私は.....。私は....。
霊夢「もっと......眠っていたかもしれないのに....。.....。はぁ....。」
スマーティ「......。....(やけに大きなため息だなあ....。)」
何よその眼は...。私に何か文句でも言いたげな表情の外来人.....、えーっと名前は何て言ったかしら。スマーティとか言ったかしらね?
そんなことよりも私は昨日の安眠を妨げた魔理沙、アイツはやっぱり異変が起きた後か起きる前に退治するべきなんだわ...。
まったくこっちの体力やモチベーション考えなさいっての、結界の歪みを治すのって楽じゃないんだから...。
一昨日の夜に起きた隕石の爆発が原因か何か、とは紫は言っていたけど...。
まあ結界は無事に治ったし、とりあえずは一段落かしらね...。
霊夢「さあ。朝ご飯を食べて、それから私についてきなさい。...」
スマーティ「...うん。それで、どこに行くの?」
霊夢「紅魔館よ。吸血鬼が住む、紅い館。」
スマーティ「ちょっと何言ってるかわからないかなぁ....。具体的には、僕は何をしに行くんだい?」
霊夢「アンタはただ黙って付いてくればいいのよ。外来人なんだから。」
スマーティ「うん....。」
よくわからない神社の石段を前にして、そこを上がり切ったのは昨日の話。
そこで僕は神社の境内にて談笑する2人の少女に遭ったのが、事の始まりだったのかもしれない。
いや、それ以上前に、じつはこの出会いは必然だったのかも。
今僕が居る世界は幻想郷と呼ばれている世界で、神様や妖怪、もちろん人間は存在していて、妖精や吸血鬼、はたまた天人や鬼、幽霊なども存在している世界らしい。
この世界のことは概略昨日目の前にいる博麗霊夢や、今ここに居ないけれど霧雨魔理沙という子の説明で把握はした。
それで本題なのだが、ボク、スマーティは今回どういうわけか紅魔館と言う場所まで霊夢に案内されることとなった。
なにがどうなっているかわからない...。
僕には重要な任務があるにもかかわらず、それを承諾してしまうあたり異世界に来てしまったことに対する、現実世界へ帰還することへのあきらめもあったのかもしれない。
うん...。まあ、なるようになるでしょう。
ボクは間もなく博麗神社に到着した魔理沙、霊夢と共に紅魔館へと向かうべく、その身を委ねた。