翌朝....。魔法の森。
擬態練也「....。」
アリス「おはよう、練也....。」
擬態練也「....。ああ、アリスか。」
アリス「普通の人ならちゃんと挨拶を返してくれるのに....。」
擬態練也「.....おはよう。」
アリス「よろしい。」
魔法の森の朝は、瘴気や妖精が存在することを除けば、いたって普通の森と変わらん...。
ただ、一度入ってしまえば抜け出せなくなる。
その中を蠢く集団は如何なものか...。
俺はアリスのドールワイヤーが及んでいない範囲にて、上海人形と共に散策を行なっていたところへ、見るからにワームであるその集団が密集してその場に蠢いているところを発見したのである。
擬態練也「(いらぬ報告は混乱を招く....。)...アリス。コーヒーを準備してくる。」
アリス「あら、ありがとう。気が利くわね...。」
上海人形「シャンハーイ♪」
アリス邸の厨房で淡々と準備する俺だが、やはり昨日の集団は気になる、
自らの目標である擬態対象の抹殺を妨げられては、俺の存在を俺が確立できなくなってしまう。
自らが擬態した者は、やはり自らの手で殺さなくては。
俺独特の揺らぐことのない固定概念が、俺の脳内にて渦巻く....。
擬態練也「.....。....上海、盆を持ってきてくれ」
上海人形「シャンハーイ。」
コーヒーメーカーとにらめっこし、ゆっくりとコーヒーをカップへそそぐ。
お盆を持ってきてくれた上海に礼を言ってから、その場からアリスの下へと戻る。
しかし妙だ。ほんのわずかな期間滞在しているというだけだが、...俺はヤツをこの手にかけて殺すこと以外に、なにか自らでやるべきことを探そうとしている....。
たとえば上海のこの仕草を見れば、俺の心は自然と穏やかになる...。
ならばそれをあだ成す敵を、この手で殺めればそれらを失うことは無い。
俺の手で殺めることにより守れるものがあるなら、それに等しい動きを見せる迄のこと。
当たり前だ。
俺達ワームは人間以上の損得感情により、行動を起こす種族でもある....。
俺の欲望を満たす者は何でも手に入れてやる...。
佐藤練也....、貴様はその中において俺の主要目標だ...。
最後に貴様の首は俺がとってやる....、せいぜい首を洗って待っているがいい。
アリス「....練也?....練也?」
擬態練也「....。なんだ。」
アリス「....あの、コーヒーを持ってきてくれたのよね....?」
擬態練也「...ああ。....熱いぞ...。」
アリス「.....ありがとう。」
見たところ、練也はこの世界に早くも馴染めつつある。....。さすが人外の種族..。
ワームだったかしら...。昨日やっつけた奴と同じ種族だと思えないほどの穏やかさ...、私達に敵意がないのは、何か目的があってそれに利用する為。.....だけれど私達も戦いでは助けられているし、こうして日常生活の中において手伝ったりしてもらっている。
アリス「.....練也。」
擬態練也「...なんだ。」
アリス「....今度、貴方についてもっと知りたいの...。だから私もあなたの望みになんでも応えるわ。」
擬態練也「.....。...戦い。」
アリス「えっ?戦い、って....。弾幕ごっこのことかしら?」
擬態練也「ああ....。先刻見させてもらった、あの光線...。アレに感じ入った。俺にそれを教えてもらいたい。」