東方 外来人物語   作:佐藤練也

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第49話

〈HEN-SHIN〉

 

体表を、六角形状の硬質な物体で覆われていく。まるで波が静かな水面に広がっていくが如く、迅速に展開されていき、容姿は一変した。

紫色の外殻は一寸も見えなくなり、硬く銀に煌めく純粋な装甲と思われる外殻に包まれていた。

そして黄色い複眼越しに見えるそのヤツの姿を捉えるや、恐るべき反応速度で奴の....、カッシスワームの拳打を捌いていく。

 

 

カッシスワーム「小癪な...。」

 

レプトーフィスワーム?「......。」

 

カッシスワーム「貴様がその姿になったところで...。」

 

 

攻撃の手を休めず、すぐさま追撃を浴びせるカッシスワーム。

それに対してカウンターをはさみつつ、虚空を掠めるブレードと左手から繰り出される攻撃。

ブレードをすぐさま切り返して、俺の逆胴を狙い斬撃を放つも、それを虚空から出現させたカブトクナイにより斬撃を相殺、そして更にはその視界外からも攻撃が。

今まさに、カッシスワームの周囲には敵しかいない。

配下のワームは先程の戦いであらかた片付いたし、更にこちらは3人。

気配が多少人間の者と異なる、女が2人。そのうちの1人からも力を付与されることとなった俺...、3対1、多勢に無勢である。

 

 

カッシスワーム「フリーズッ!!」

 

紫「無駄よっ....!」

 

 

握り拳を作り、自らの胸の前で動きを起こすも、その能力は不発に終わってしまう...。

時を止める強大な力でさえも、この金髪を下げた1人の女の前には無力同然となるものと知れた。

如何な理屈が働いているのか定かではないが、先程の述べた力が作用しているようだ。

 

 

”幻想郷”

 

忘れられた者達の行き着く、最後の楽園たるこの美しい世界。

それを守護する女が1人いると、そういえば先刻アリスから聞いたことを、俺は思い出したのだ。

 

 

ダークカブト(レプトーフィスワーム)「.....。八雲......紫.....。」

 

紫「お名前を呼んでいただいて光栄よ。....虚像にして真の姿のお客人...。」

 

咲夜「おしゃべりをしている暇があるのかしら?....準備はよろしくて?」

 

 

 

両手いっぱいに数多のナイフを携えるメイドの女、その切っ先はどれも手入れが行き届いている為か、刃こぼれ、刀身の汚れ一片たりとも見当たらない。

それを見た紫も、背後に不気味な空間、場所はそこに限らずにカッシスワームの周囲にも設けられているようで、そこから数多くの古びた道路標識、更に上空に目を移せばその空間が。

墓石の基部と思われる部分までもが、そこから顔を覗かせていた。

 

 

ダークカブト「......。」

 

 

交互に女を見やる。

俺もこの流れを察するならば....、....ふっ。

やらねばなるまい。水の流れるが如く、成すことをするまでよ。

俺のこの世界に生きるための情報源を減らさぬため....、そしてなにより...。

 

奴をぶち殺すためにな....!

 

擬態した者の性を、最早変えることもあるまい...。

俺は静かに、ホーンへと手を移し....。

 

ガキィンッ

 

親指でダークカブトゼクターの角を軽く小突き、それによってけたたましい稼働音が鳴り響き、纏っている装甲、”ヒヒイロノカネ”が水蒸気を排出するような駆動音をたてつつ体表より浮き上がる形となる。

 

 

ダークカブト「.....キャスト.....オフ....。」

 

〈CAST OFF〉

 

 

小突いたホーンを、手でゆっくりと引き倒す。

するとヒヒイロノカネは浮き上がった状態から、一気に弾き出されるようにパージされた。

 

〈CHANGE BEETLE〉

 

 

ダークカブト「.....。」

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