東方 外来人物語   作:佐藤練也

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第51話

スキマの中より浴びせられる弾幕や標識、墓石の数々。

更にはナイフの雨が降り注ぎ、そして的確に我が身体を撫でる斬撃。

火花を散らし吹き飛ばされはせずとも、着実に入って行くダメージ。

これがこの世界の住人の力だと、ならばフリーズを....。

 

 

カッシスワーム「(馬鹿な.....!フリーズが発動しないだと!)」

 

 

いくら能力を発動させようとしても不発に終わる。

 

 

カッシスワーム「(何だというのだ...!!)」

 

 

紫「咲夜、練也....。」

 

 

おのれ....。おのれえええっ!!!!

認めるものか!この俺が敗北するなどっ!!

ましてやライダーシステムを持たない丸腰同然の訳の分からん、人間の女に後れを取るなどおおお!!!!

 

 

否。ただの人間ではない。彼が相手にしたのは妖怪の賢者、時を止める力を得た人間。

咲夜のした忠告の意味は、こういうことだったのかもしれないと、カッシスワームは脳裏で痛感したのであった。

 

 

そうかぁ...!ふふふふふふ、ああははははははははっ!!!!

メイドの娘よ。

今回ばかりは俺が驕りを見せたが故の敗北と認めてやろうっ!!!

だが忘れるなよ!!俺はっ!!!かならずここにまいもどってくるからなあああああああっ!!!!!!

 

 

〈RIDER KICK〉

 

 

 

こうして、彼の意識は蒼白い爆炎の中で途絶えたのである。

 

 

 

爆炎が魔法の森の中で起こった頃、竹林では...

 

 

妹紅「どうだ、練也。調子の方は。」

 

練也「ああ....。段々とコツが掴めてきたかも...。」

 

 

永遠亭の縁側にて妹紅から茶を受け取り、休憩をする練也。

前見せていたような暗い表情は無く、活き活きとした面構えになっている。

妹紅は隣で腰を下ろして、茶を啜る練也の顔を見ながら言った。

 

 

妹紅「人里の方じゃお前のところの神社には、度々人が気になり訪ねてきているらしい。慧音からそう聞いてな。長い間留守にしているからそもそもわからないのも当然だが...。」

 

練也「修行のためだ、しょうがない。あんな醜態をさらしてしまったからには。」

 

 

カッシスワームとの戦闘にボロ負けを期した練也は、修行に打ち込み、永遠亭でかれこれ数カ月滞在(ながい)している。

家事や手伝いは勿論、永遠亭の雑務をこなしながら輝夜と妹紅に付きっ切りで修行を積ませてもらっているわけだ。

 

 

練也「しかし....。あの神社には俺以外に人はいない...。俺が神事を執り行うことになるのか....。これも天命。」

 

 

ずずっ。茶を啜る、美味いお茶だ。

修行の合間に挟むものは美味しく感じる今日この頃、竹林の方から歩いて来た輝夜を見やりながら、練也はその場からゆっくりと、彼女を見据えながら立ち上がった。

するとどうか、いきなり弾幕を縁側の2人にめがけて、扇状に展開しつつ放つ。

気でも触れたかと、妹紅は声を荒げた。

 

 

妹紅「輝夜!!てめえっ、いきなり何しやがる!!!」

 

輝夜「.....。」

 

練也「あぶっ........!!!!」

 

 

永遠亭と輝夜の放った弾幕の間に、それらを隔てるようにして立つ練也。

身体の全周より放ちたる、その力の開放を意識する。

心臓の鼓動を感じ、その鼓動と共に身体に広がるエネルギーの波動のようなもの....。

その波動、水面に立つ清らかな波を意識し、それに熱を加えていく。

身体の表面から怒涛の如く勢いを以て、それを放つための撃力を意識して....。

 

 

”刹那の時を以て、総力を開放する”

 

 

それを意識した。

まるで瞬間的に放たれる、ありとあらゆるものを穿たんとする強力な見えない力。

それが熱を帯びた彼の身体より出ようとしていた。

 

 

練也「ねえっ!!!!!」

 

 

心臓の鼓動が身体に広がる感じ、それと意識を完全に調和させた。

意識を身体の内から外へ向けて、一挙に開放する。

それも瞬間的にすさまじい撃力を付与させるという、その前提で。

 

 

 

体表より放たれたその気配を感じるや、目の前に迫り来る輝夜の放った弾幕。

それがその気配に触れた瞬間に押し戻され、いや、表現としては弾き返されたと言った方が良いかもしれないぐらい、その動きには”撃力”が加わっていた。

瞬間的に強力な力で圧されたが如く、急激な動きの変化を見せる。

 

 

輝夜の弾幕の動きの特徴は、優雅に舞うが如く。

それが練也が発した見えない何かと干渉したのち、速度を急激に増し明後日の方向へ飛んで行ってしまった。

まさに弾幕は、薙ぎ払われたのである。

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