妹紅「っ....!!」
今私の前で輝夜の野郎が放った弾幕が、一人の人間の力によって弾き返されるような動きを見せる。
無論、その能力を受けた弾幕は明後日の方へと飛び散った。
1人の人間、永遠亭に数カ月の間修行のため居候をしている佐藤練也が、今その身体から見えない波みたいなのを放ち、輝夜の弾幕を蹴散らした。
優曇華のやつと手合わせした時よりも、パワーが上がっている!
妹紅「おいっ!練也今のは...!」
練也「....!!....ああ.....そうだ、あの感覚に違いないっ!」
神社の宝物庫にて擬態練也諸共、自身を吹き飛ばしたあの力。
まさにその時の感覚が、身体の中を巡っていた。
忘れもしないあの感覚だ、熱が身体を巡り巡って、まるで外に出せと開放を促している。
微妙に身体も熱く、しかしあの時とは違う。
身体の動作がしにくい、身体に違和感を覚えるなどの症状は見られない。
やはりあれは、薬を投与した際にのみに起こる副作用的なものだったらしい。
....帰ったら、また宝庫の中を覗いてみるとしよう。
輝夜「大当たり...かしらね?」
妹紅「何が大当たりだ!アタシぁともかくこいつ迄吹き飛ばすだけじゃなく、永遠亭までもぶっ飛ばす気か!」
輝夜「それにも心配に及ばなかったじゃない。御覧の通り貴方達も永遠亭も五体満足よ?」
妹紅「だからってなあ!!なんだっていきなり攻撃してきやがった!!」
輝夜「彼の話を聞いて気になることがあっただけよ。....練也?」
夕焼けに染まる空、何故先程の行いに及んだか。輝夜はゆっくりと話し始めた。
縁側に用意した煎茶を一杯、急須から湯呑に注いでからホッと一息。
西の方に沈みゆく太陽を見送りながら、ゆっくりとした様子で。
輝夜「能力の発動条件を、少し考えてみたの。」
妹紅「発動条件?」
輝夜「単純な問題。彼やそれに関連する者が危機に瀕した時に、潜在的な力が働き眠れる力を呼び起こす...。先程の力が、おそらくその一端といったところかしら...?」
そのまま話し続ける輝夜、夕日から練也に眼を移す。
輝夜「先刻、優曇華との太刀合いの時には、既にある程度の能力は使えるようになっていた...。だけどあれだけじゃまだ足りない...。もっと力を出すために、彼には刺激を与える必要があった...。」
妹紅「博打も良いところだな。練也が能力発動出来ていなけりゃ、この場から消えてるぜこいつ。」
練也「....確かに発動できる確心は、直前になるまで持てなかった....。....だけど、これで更に強力に力が発動できるかもしれない...。」
この一瞬の出来事が影響して能力が使えるようになった....。
いや、能力自体なら先程輝夜の言った通り先刻優曇華との太刀合いでも出せてたが、あの感覚とはまた別、もっと強大な感覚だった。
輝夜「貴方の力は、身に危険が降りかかるほど、周りの大切だと思う何かに危機が迫るほどにその力を発揚する傾向にある....。....そうね、場合によっては”ありとあらゆるもの吹き飛ばす”ことだって造作もないくらいに.....。」