魔法の森の戦闘、そして永遠亭での輝夜の思い付きによる練也の能力の更なる発揚。
それを経て、月が頭上に輝く美しい夜の時間帯。戌の刻を回った頃合い。
走馬「ふうぅ....ひいぃ、疲れるウ.....。(何なんだよこれ、鬼畜の所業だろ絶対。仏のやる事じゃねえ...。)」
おすっ、俺そうまっ!
幻想郷に来てからかれこれ数カ月がたち、ここの住人達とも段々と打ち解けてきて、今では立派な命蓮寺の一員。
なのだが、それに関しては問題はない、.....しかしだ。
この状況をまずは見て頂ければ、俺が疲弊してしまう理由もみんな分かってくれることだろう。
白蓮「(置手紙)太秦走馬殿。本日付けよりただの居候兼雑務役より命蓮寺の見習い僧侶へ役任を申しつけ候。細部は追って知らせ給う故、我が門下の者の言うことをよく聞き精進すべし。.....逃げ出さぬこと。、連れ戻し奉り、説教を説かん(☆)」
そして、その側に目を移す。
この俺に宛てられた書文に添えられたもの、それは巻物の山。
般若心経だろうか?それを書き写せと言わんばかりに、白紙の巻物の山...。
ほえぇ....。
写経ばっかやらされるのかよ....、まじか聖さん....。
ナズーリン「文句を垂れる内にやることだな。ほら、ボクが近くで見ていてやるから。」
走馬「ああ...。そりゃありがたい.....、美人が見守ればやる気も百倍増しってもんだ。」
ナズーリン「キミ...、それをここの女性に言って回っているわけでもないだろう....。」
走馬「まさか。そこまで女ったらしじゃないよ。さてさて.....。」
筆を取り、先を墨汁に浸してから写経に取り掛かる。
こういうのは気の持ちようだよ、うん!ナズーリンだって近くで見守ってくれているし!
そして翌朝。
......なるほど。楽じゃないぜ....。
卓上に突っ伏す俺の姿を眼に収めたナズーリンは、側に積まれた写経済みの巻物を見てホッと一息ついた後に俺に言う。
ナズーリン「よく頑張ったじゃないか、これだけ見習いの身で書けるのだから聖様も喜ばれるだろう。」
走馬「.....。そっ、....そりゃあ、どうも.....。」
内心、もうへとへとだ....。
早く解放してくれと思う俺の下に、新たに訪れる者があった。
襖をあけ放ち立つその人間...。
いや雲の入道を従えている、青色をベースとした衣装に身を包むこの人は雲居一輪。
そして近くに漂う?佇む?まあどちらにしても厳ついことに変わりはないが、雲山という雲の魔人。
2人の御仁の姿を見たナズーリンは、落ち着いた様子で挨拶をする。
一輪「あら?写経?」
ナズーリン「やあ2人とも。ああ、走馬と一緒に写経をね。僕はただ見守っているだけだったが。ほとんど彼が1人で仕上げたのさ。」
見上げるようにあった写経された巻物を見て、一輪や雲山も感心した様子で突っ伏した走馬に労いの言葉をかけ、今日も1日がスタートする。