幻想郷の大地に爆発が轟き、それと共に騒音が木霊した。1つの流星が、爆発を起こしたためだが、爆発はその紅魔館に住む1人の吸血鬼によるもの....。その爆発により受けた被害は不明であるが、詳細はその後明らかにされる。
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フラン「お姉さま、見て!流れ星だよ!」
レミリア「......そうかしら。少々近すぎな気がするけれど....。」
紅魔館の日常は、紅霧異変以降から何ら変わることなく、その尊厳と平和を保ってきたわ...。しかし今日はいつもと違う....、宴会を終えてから紅魔館に帰る間見た、あのビジョン....。また何か、この世界で起こりうることがある....。退屈しないのは、助かるわ。だけどこの紅魔館に傷を被ることは避けたいけれど....特にフランが指し示したあの流星....。こちらへ向かってきている気がするのは、気の所為じゃないわね....。このまま軌道を逸らすことはもはや困難....、とすればやるべきことは一つしかないわ。
レミリア「フラン。」
フラン「何?お姉さま。」
レミリア「貴女が先程言った、流れ星.....。それを壊しなさい。」
フラン「えっ、良いの?願い事しなくちゃ...。」
レミリア「そういう場合じゃないの....。貴女の手で壊しなさい?」
フラン「....うん!分かった!」
流石私の妹...、聞き分けの良い子。これで危機はとりあえず回避されるわね...。スカーレット家の者らしく、堂々たる振る舞いを崩すには値しない。このようなことは過去に何度もあったのだから、これ迄通りに切り抜ける迄のこと....。私の妹とて誇り高き吸血鬼。その子に、出来ぬ道理はないわ。
フラン「キュッとして.....。」
さあ、やってしまいなさいフラン...。そんな石ころの一つや二つ、スカーレット家の前では無意味であることを知らしめるのよ。私は妹の実力を信用しきっている....、故にフランに任せた。
フラン「ドッカンッ!」
フランが地上に迫り来る隕石に対して、手をかざしている。それが軽く握られるとき、あの目障りな隕石も灰塵となり、幻想郷の土の一部となる...。しかし私の思った以上の力を、フランは出し過ぎた。拳の形を作ったことで、隕石は破裂し消滅する。その代償を、私達も被る結果となった。隕石の破片は、紅魔館の外壁という外壁に減り込み大惨事に、館自体へのダメージはそこ迄でもなかったけれど、景観を完璧に損ねてしまった....。衝撃で館全体に地響きのような振動が走り、備え付けの品が音を立てて床に散乱する...。妖精メイド達は、これから忙しくなりそうね...。...まあ紅魔館自体を護れたのだし、フランには後で御褒美をあげましょう...。
咲夜「お嬢様方!御怪我は御座いませんか!」
レミリア「ええ、私とフランなら大丈夫よ。心配せずに、貴女は妖精メイド達の指揮に回ってちょうだい、咲夜。」
咲夜「...畏まりました。」
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練也「がっ!!」
音が鳴り響くとともに、俺は身体に痛みを覚え、その場に横たえていた。まだこの状況を整理できていない、それでもわかることはただ一つだけあった。この俺の前に居る、明かに存在する俺自身は、俺の敵だと。先程から投げられっぱなしであったことも癪に障り、丸薬の副作用と思われる症状は消えていなかったが、俺は奴に牙をむく獣が如く襲い掛かった。
練也「やられっぱなしじゃあ......!」
間合いを一気に詰めてから、懐に入り込む。間髪入れずにボディーブローを乱打、乱打、乱打。それでも怯む気配を見せない、その俺。構うもんか、そのまま攻撃を浴びせ続けて投げ飛ばしてやる....!!!ボディーブローを数撃叩き込んだ後に、その場で背負い投げ。顔面に正拳突きを喰らわせようとした、その時だった。今までの攻撃がやはり効いていなかったのか、平然と腕を動かして顔面手前でそいつは俺の正拳を受け止めた。地面に寝そべった状態から凄まじい力で起き上がり、先程の御返しと言わんばかりに俺に正拳の乱打を浴びせに来る。体中が痣だらけになり、流血が生じた。骨にも届くその凄まじい威力の拳の後には、俺の首を乱暴につかみ上げて今まで自身が探索していた宝物庫目掛けて投げ飛ばした。もう一度宝物庫の中に戻される俺.....。めちゃくちゃいてえ。
練也「ぐっ...(なんてパワーだ、なんなんだアイツ。なんで、俺と同じ.....。)」
.....。待て。俺と同じだと...、と言うことはヤツはもしかしたら....。いやないない、あれは空想上の生き物なんだから、そんなこと万に1つもある筈がない.....。....なら今さっき俺が発見した言い伝えの秘薬は?あのライダーベルトは?あの小学生の頃の夢は一体...。そこまで思考を巡らしている暇はないと、まるで赤子の手をひねるように軽々と首根っこを掴まれ、その位置から宝物庫の壁に投げ付けられた。
練也「ぐうっ!.....がはっ!!」
壁に叩き付けられた衝撃は強く、それだけでもかなりのダメージ。その衝撃で宝物庫がかなり揺らいだ。宝物庫自体もかなり老朽化が進み、衝撃に耐えきれなくなっている。メキメキ、ミシミシとあちらこちらからきしむ音が聞こえ始めた。
???「....。」
練也「(こいつ....。宝物庫の倒壊に俺を....!!)」
力を振り絞って、その場からまたとびかかる。だが無駄なあがき、力の差は目に見えていた。とびかかり、拳を放った。ドッ、という鈍い音が聞こえ奴の身体に拳がめり込む。それも焼け石に水、無駄なことだった。その拳を凄まじい力によって引き離され、俺は宙に持ち上げられた。
練也「......!!」
???「.......。」
そのまま無言で、宝物庫の奥の古びた棚に再び投げ飛ばされた。棚やその奥にあったものの破壊音が耳に聞こえ、その投げ飛ばされた勢いでどうやら宝物庫の別の空間にまで到達してしまったようだ。先程の破壊音からすると、俺はどうやら棚の奥にあった木の壁をもぶち抜いて今この空間にいるらしい。