東方 外来人物語   作:佐藤練也

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第61話

 

 

暑い季節が続く最中、満点の夜空の下。春が過ぎ去ったことを憂うリリーホワイトが、宴会の賑わいを耳に捉えた。その彼女が飛ぶ近くには、白玉楼がある。西行寺幽々子の住処、今宵の宴の会場だ。彼女も遅れてだが、今回の宴会に参加の為どこかから飛んできたようだ。

 

 

リリー・ホワイト「春...じゃなくて夏ですよー....でも宴会でみんなに会えるしいいかっ!」

 

 

春の妖精なだけあって、メインの季節が過ぎていけば彼女も元気がなくなってしまう。だが、今回は特別だ。なんせ宴会があるのだから。

 

 

突然、白玉楼から火柱が上がる、そんな大袈裟なものではない。ほんの少しボヤ騒ぎが起こる程度、幻想郷ではよくあることなのだから。

 

 

リリー・ホワイト「あらあらっ!爆発...きゃっ!」

 

 

火柱だけならまだ良かった、爆炎に紛れ弾幕までもがまさか飛んでくるとは、とんだ巻き添いを食ってしまったリリー。火の玉、そして紅く煌く弾幕が、その中より出で、彼女を過ぎ去った春の彼方へと吹き飛ばした。

 

 

リリー・ホワイト「なんでこーなっちゃうのおおおおおおおおおおおーーーーー!???!!」

 

 

彼女の叫びの残響が夜の彼方へ虚しく響く。

しかしその声は地上には響かない、突然始まったある種別の異なる"鬼"が、2人。激烈な弾幕勝負をしていた為、それを聞く暇もなかった。

 

 

萃香「吸血鬼、とんだ邪魔をしてくれる。その外来人と最初に酒を呑むと先約を入れたのはこっちだっていうのにさあ。」

 

レミリア「ふん、飲んだくれの御山の大将を気取る小種族が何を偉そうに言っているのかしら?

 

萃香「ほうたかだか500年しか生きていない若造がよくも言えたもんだ。」

 

 

多少の言葉を交わし合う吸血鬼と鬼は、それを程々に。また弾幕を展開し始めた。突然始まった、力比べ。その光景を見ていても平然とする、幻想郷のギャラリー一同。いや、むしろ辺りからは歓声が上がり、勝負の炎をたきつけている。

 

 

練也「白玉楼が潰れるぞ、これ...!大丈夫なのか?」

 

慧音「まあ、気丈に振る舞う者同士、相対すればこんなものだろう。」

 

妹紅「寧ろ見ない組み合わせだ。これは良い物見雄山になるだろう。」

 

 

呑気に酒を呑む一同。俺、佐藤練也はその光景を見て呆気に取られていた。家屋に穴が空いた、それさえも宴会の余興として楽しめるこの幻想郷の住人達の肝が座っていることに、度肝を抜かれた。...ああー、確かこんな言葉を聞いた、気がする。

 

 

 

早苗「幻想郷では、常識に囚われてはいけないんですよ!」

 

練也「そういうことかぁ...。...えっ?」

 

 

 

 

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