慧音「やあ、練也じゃないか。今日も自警団の寄合か?」
人里の往来を避けて、ちょっと喧騒が和らいだもののそれなりに人通りが多い路地にて、慧音さんと挨拶を交わす。彼女もこれから寺子屋に出勤するのだろう、手には幾冊か分厚い書籍を抱えていた。向こうから子供達が元気よく走ってきているのも見える。
練也「うん。慧音さんも、これから?」
慧音「ああ。寺子屋の子供達が全員来るまで、ここでお迎えだ。」
練也「子供達も元気そうだ。」
元気よく声を上げて、挨拶をしてから寺子屋の門を潜る子供達が数人。それから後に、黒いドレスと赤く白いラインが入ったリボンを頭に付けた金髪の女の子が、宙を舞いやってくる。常闇の妖怪、ルーミアだ。
ルーミア「わはー。慧音おはようなのだー。....おや?お前は?....そうか、外来人の佐藤練也だったなー。」
練也「ああ。おはよう、ルーミア。」
慧音「ルーミア、おはよう。.....そういえばチルノや大妖精はまだ来ていないみたいだが...。ルーミアは、何か知っているか?」
ルーミア「うーん。なんかカエルで遊んでるとこは見たのだー。大妖精が頑張って止めようとしてるとこは見たけどそれ以外は知らないのだー。」
慧音「....アイツ、無駄な遊びをまた....。」
薄ら笑いと苦笑いを混ぜた表情を浮かべ、口角をひくつかせるのはワーハクタクの片鱗を見せる慧音さん。ツノ出てるよ、ツノ。ツノが出かかってるのを上から抑えようとするルーミアと俺。
慧音「...はあ....。ルーミア、入っていなさい。」
ルーミア「はいなのだ。慧音先生、お疲れ様なのだー。」
その頃、人里のハズレ...
がま「.......。」
チルノ「えいっ、えいっ!」
手をかざし無邪気に遊ぶ様子は、まさに年相応の様子だが。その内容はなかなかエグい。カエルを手当たり次第に氷漬けにしている、なんということだろう。それを見かねたカエルの大将、がまが、その身を静かに姿を現す。もっと言うなら、そのがまの頭の上には、1人の女性が乗っていた。洩矢の土着神、洩矢諏訪子である。
諏訪子「こらっ!そこな氷の妖精!」
チルノ「ん?!なんだ!アタイの名前を呼んだのはアンタか!」
諏訪子「もういい加減にしなよ!カエル達もいい加減に困ってるんだ、私だっていつまでこうしてばかりもいられないんだから!とっととやめなさい!」
がまの頭の上から言い放つ諏訪子を見て、チルノは空へと舞い上がる。ちょうど諏訪子と同じ目線になり、腕を組みながら言う。
チルノ「ふーん。アタイは最強の妖精なんだよ?カエル達も死なないし、すぐに戻すって。」
諏訪子「ならすぐに戻しなさい?すぐにやらないとがまに丸呑みにさせるよ!」
チルノ「やれるのならねー、あっかんべーっ!」
アホだ。コイツは真正なアホだ。木立から見守る擬態練也は、目を俯かせ見ていられないと言う様子だ、シャンハイも俯き気味に首を横に振った。
諏訪子「神様を馬鹿にしたね...?」
チルノ「あっ?!!」
瞬時にがまの舌がチルノを捉え、それを瞬時に口に引っ込めた。