東方 外来人物語   作:佐藤練也

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第8話

紫「.....。」

 

 

目玉ばかりの空間。生気が感じられずに、瞬きもしない数多の眼球が存在するその場所に、1人の女性がいた。手に扇子を持ち、その空間の一点を薄ら目を開け、思案を浮かべつつ冷静に状況を見守っている様子である。

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平穏な時は無情にも早く過ぎ去りゆくもの....。それを解っている身ではあるけれど、私ともあろうものが平和のぬるま湯に少々つかり過ぎたかしら。警戒を解いた気ではないといっても、もう後の祭り。幻想郷に未知の侵入を許してしまった....、結界のほころびが生じていたゆえの外部からの侵入か、それとも意図的に侵入を図った者がいるか....。運悪く、ただの偶然か...。いいえ、今は現状の確認が先。....今しがた藍にも状況確認に行かせた、その情報と結界の修復状況から、今後の動きを決めましょう。

 

紫「.....大きな亀裂ですこと....。それにしても....。」

 

1回目の轟音の後に聞こえた、また別の轟音.....。音の聞こえ方が違った、その上今度は結界の歪みの中からだった...。これに対しても藍に言っておこうかしら。私は、霊夢と結界の修復作業で忙しいし、あの子には働いてもらうことになる...。間違いなくこれは異変....だからと言って及び腰になるわけでもない、今までの通りに事を運ぶのみ....。...ただ、妙な気配が多数入り込んだことは絶対に確実...。

 

紫「.....。」

 

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八雲紫がスキマの中にて結界の修復を行っている、同じ頃。練也は一帯を深緑に囲まれた、勾配のある場所にて目を覚ました。先程と状況が一変している、どういう風に考えたって神社の宝庫内から山か森かわからない場所に移動しているのは、おかしいと考える。当然であろう。

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練也「.......えぇ....。」

 

辺りを見渡せば年季の入った家屋の中ではなく、暗闇の森林と来た。誰かがこの状況を説明出来るなら、ここまでに至った経緯を説明してほしいもんだが....。...今思えば、突飛な話だ...。俺の記憶が正しければ、自分に擬態したワームに殺されそうになって、それから....。デカい槍を手に入れて、薬を飲んで、....そうだよ、身体から見えない何かを出してそこから記憶がないんだ!......じゃあ、どこまで俺は吹き飛ばされた?早くヤツを倒して....!....だが、そこまでで俺の思考はストップした。いつの間にか数多くの謎の集団に囲まれていたからだ。白い頭髪、赤い烏帽子、それを挟むようにして生えている、モフモフしてそうな耳。臀部のこれまたモフモフそうなしっぽ。しかし穏やかじゃないのは、全員が武器を携行している、そして剣の切っ先を喉元に向けられていることだ。冷静になりつつ、じつはめちゃくちゃ焦っていたのはここだけの話だ。ていうかこのルックス、十中八九白狼天狗じゃないか....?

 

白狼天狗「何者だ?」

 

練也「.....(素直に従うが吉、だな....。)」

 

俺は白狼天狗達の拘束を受けながら、何処かへと連れて行かれるのであった.....。

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