翌朝になり、私アリス・マーガトロイドは、身支度をしながら外出前のチェックなどを行なっていた。練也にも火の元の確認や、窓の鍵の確認をしてもらっている。人数が多くなればなにかと私生活も、不憫になると思えた私だったけど決してそんなことはなかったわ。彼は居候をする身以上の働きをしてくれているし、私やシャンハイの生活の支えをしてくれる。荷が増すどころか軽減されていった。そろそろ戸締まりのチェックが終わったところかしらね、何やら下で物音がしているようだけれど。
擬態練也「......。」
アリス「あら、何しているの?」
何やら扉のところに細工を施しているようだけれど、練也はドアノブとにワイヤーを括り付けているところだった。
擬態練也「離れていろ...。」
アリス「えっ...?」
練也に言われた通りにドアから離れると、練也が一回ドアを閉めて、一気にドアを開け放った。ワイヤーに繋がれたフライパンが仕掛けの作動に伴い勢いよく振り下ろされ、更には上からは煉瓦が多数落っこちてくる。それと同時に侵入してきた者は、人形達の手厚い"歓迎"を受けるという寸法...。まさに難攻不落の玄関となったというわけね...。
アリス「あっ、ありがとう...だけど大丈夫よ。そもそもお留守番の人形達もいるのだし、心配することないわ。」
シャンハイ「シャンハーイ...。」
擬態練也「....そうか...、わかった、撤収しよう...。」
心配症だとシャンハイから頭の上に乗られ、天然パーマの頭髪を構われる練也...。シャンハイも今までにない関係性を持てたことで、良い意味で刺激になっているようね...。
アリス「じゃあ、準備は出来たし行きましょうか。」
擬態練也「....ああ。」
シャンハイ「シャンハーイ♪」
魔法の森をゆっくりと歩いて行き、やがて出口まで出る。天気は晴れ、穏やかなお出掛け日和だわ。隣を見れば、シャンハイは新たな定位置を見つけた様子ね。練也に持ってもらっている手提げ籠の中に、のんびりと揺られながら可愛らしく座っている姿は、なんとも言えない可愛らしさだわ。
アリス「シャンハイったら...。すっかり練也にピッタリじゃない。」
擬態練也「初めて会ったときからずっとこうだ。...あまり気にしていない...。」
アリス「そう...。...ねえ?練也?」
擬態練也「どうした?」
一つ呼吸を置いてから、私はずっと持っていた疑問を、再び練也に問いかけた。
アリス「もういいでしょう?今更になって追い出すなんてことしないわ。聞かせてちょうだい。...貴方の目的を。」
擬態練也「....じきに、わかる。」
アリス「えっ...どうして?」
擬態練也「...何。予感だ。...レプトーフィスワームの、な。」