東方 外来人物語   作:佐藤練也

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雨が滴る玄武の沢
第86話


アリス「.....。」

 

 

擬態練也「.....。」

 

 

シャンハイ「.....。」

 

 

 

さまざまな楽曲を吹奏するリリカ、メルラン、ルナサ、プリズムリバー三姉妹の姿に釘付けになる聴衆。客衆の目を我がものとする見事な楽器演奏は、水妖バザールの主要行事の一端を担っているというのも納得出来る。そんな見事な演奏の中、1人の人妖ならざる存在は、ある1人の気配を確実に察知をしていた....。

 

 

擬態練也「.....来たか...。」

 

 

シャンハイ「シャンハーイ?」

 

 

その気配は、俺が目標とする相手そのものだ。会いたかったぞ....。自然と、人間形態からワーム形態へと変化してしまっていた。紫色に煌めく、刺々しい強固な外殻が露わになる。それに1番早くに気付いたのは、頭に乗っているシャンハイだった。

 

 

シャンハイ「シャンハーイ....!??」

 

 

アリス「もう、何を騒いでいるの...シャンハ.....イ...?!練也?!何してるの!?」

 

 

この姿を見て、シャンハイとアリスは直ぐに姿を戻すように促そうとしている。それに反応した周りにいた客衆は、驚き、たちどころに腰を抜かす者、叫び声を上げる者、その場は騒然となった。

 

 

アリス「練也!!今その姿はマズいわ!早く元に戻りなさい!」

 

シャンハイ「シャンハーイ!!?」

 

 

ポカポカ、ポカポカと何時もの調子でシャンハイは頭を叩く。...それをゆっくりと丁寧に両手で身体を左右から包むように、アリスへ渡す。

 

 

アリス「練也?!どこへいくつもり!?」

 

 

シャンハイ「シャンハーイ!」

 

 

レプトーフィスワーム「....野暮用だ。」

 

 

 

それ以上の会話をすることなく、その場からクロックアップをして俺が感知した奴の気配へ近付き....そして今に至る。

 

 

 

--------

 

 

 

走って、辿り着いた。その先は...

 

 

練也「....此処は....。」

 

 

擬態練也「....知らん....。」

 

 

練也「知らない場所に連れてきたのか...?...そうか。...俺たちはお互いこの世界に来てから日も浅い。地理に疎くて当然だ。」

 

 

お互いに静かに歩みを進めて歩く先には、...豊かな美しい小川があった。その小川に沿って、歩く。白く綺麗な石灰岩で固められた河原、その行先には水源がある。流れが強く激流の音が轟くその中、...その水源を傍に見て、俺たちは、ゆっくり止まった。

 

 

 

練也「......。ずっと探していたのか?この、幻想郷で...。」

 

 

擬態練也「.....。話すことなどは、ない...。」

 

 

 

上着を放り、それが宙を舞う...。それと同時に奴の腰には、煌めく鋼の帯が...ベルトが見えた。空が陰り、そのうちに雷鳴が轟き始める。手を上にかざし、何かを求めるような姿勢に既視感を覚える。...まさか、ヤツも呼べるのか...。ゼクターを...!

 

 

擬態練也「...手向けの花をくれてやる...。お前も呼べ...!」

 

 

練也「....吠え面掻くなよ...!」

 

 

 

俺も狩衣を剥いで、その下に巻いていたベルトが露わになる。そして互いに宙に向かい手をかざし、力を求め、互いに睨みすえる。同じ面を合わせて、互いに同じ格好で....同じモノを.....。そして、...勝利を...求める。

 

 

そう....俺は.....

 

 

練也「俺は勝つ...!...勝って....この世界で生きてやる...!!」

 

擬態練也「......上等だ...!」

 

 

上空にてかち合う2つの影は、互いにぶつかり合い、火花を散らしながら2人の下へ近づく。

 

 

 

赤い外殻を持つ甲虫、黒い外殻を持つ甲虫が....最後数撃かち合った後、両者の手に収まった。ガッシリと掴んだ、2人の練也。互いに睨み合ったまま、カブトゼクターを手に持った状態にて目線を離さない。

 

 

雷鳴が轟き、雨が降り始めた。水源に、小川に、水面に水飛沫や波紋が広がる。

 

 

 

「「変身!!!!」」

 

 

 

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