第95話
練也「....まさか新聞の見出しを独り占めする日が来るなんて....。」
文「どうです?烏天狗...いや、椛と私のタッグを以てすれば一大スクープをモノにできるのですよ!」
フフンッと鼻高々に、文々。新聞発刊者である射命丸文、文ちゃんが腕を組み、新聞を見せる。この前の水妖バザールでヤツと出くわした時に、椛ちゃんの千里眼で俺たちが行った水源...玄武の沢という場所に行くところを捉えたらしい。どこまでも見通椛ちゃんの千里眼の、なんと恐ろしいこと...。俺は見出しのタイトル、写真に目をやった。
練也「コレは...最後の一撃の時か...。"一蹴必殺"...確かに必殺技だ。」
文「そうです!かっこいい1枚だと思いませんか!?っていうのは置いておいて、...技名とかってあります?」
練也「...ライダーキック。」
文「"ライダーキック"...っと...。」
手に持つメモ帳にサラサラと書き記す文ちゃん。
文「その技の由来とかって、あります?」
練也「仮面ライダーが放つ一撃必殺のキック...だから、ライダーキック。」
文「おおー...なるほど!外の世界のヒーロー像そのもの、ということですね!?これからどのようなネタを提供していただけるのか、私楽しみですっ!」
練也「あまり物騒な真似は起こしたくないんだ...。」
そう神社と並び建つ母屋、居住棟にて文ちゃんと取材混じりの談笑をしていると、玄関のチャイムが鳴った。(某マートのヤツ。)呼び鈴を鳴らすなんて、皆はだいたい"ごめんください"とか挨拶をして呼びかけたりするが、一体誰だろうと思いながらも縁側から飛び立つ文ちゃんを見送り、そこから玄関へと向かう。
練也「はい、今行きますよー...。」
ガラガラガラと引戸を横に滑らすように開けると、そこには、黒いハット、肩まで伸びたセミロングの茶髪、黒いマント、赤縁メガネ、鮮やかな柄のチェック模様のシャツに同じ柄のミドルスカート、白いニーソと言った出立ちの....何というか、...これまた派手な衣装に身を包んだ女性が客人で現れた。いかん、面食らってしまって何も言えない。そう言えないでいると、その人物は口を開いた。
???「貴方、外来人?」
練也「...まあ、...はい。そーだけど?キミは?」
???「名前を聞く前に自分から、でしょ?貴方いくつ?」
練也「(めんどくせぇ...。)...今年で30歳になる29歳だよ。10月25日でね。名前は、佐藤練也。お察しの通り俺は外来人だ。」
???「そう、意外と歳いってるわね。」
練也「(さっきからなんなんだよコイツは...。)いいから、要件を言いなよ。用があるんだろ、用が。冷やかしなら帰って...,。」
???「ああ違うの、私が用があるんじゃなくて。用があるのはもう1人の子よ。私はそうね、まあ貴方とおんなじ外来人。貴方の言う通り、冷やかしに来たってところかしら?」
練也「すぐ帰れ二度と来んな。」
俺と奇抜なファッション女がそう会話していると、もう一つ足音が聞こえてきた。他に連れがいるのか?足音的に、どうやら下駄とかのカランカランと言った音だが。
???「お待たせしてごめんなさい、菫子さん。自警団の人に聞いてようやく場所がわかりましたぁ...。」
菫子「阿求ちゃん、おつかれ。大丈夫だよ、私も今暇つぶししてたところだし。」
鮮やかなな色合いの着物に、落ち着いた色合いの半纏を着た物腰穏やかな少女が、下駄の音を立てて歩いてきた。紫色のサラッと肩まで伸びた綺麗な髪がお辞儀をすることで顔の側面を流れるように揺れる。
阿求「こちら、佐藤練也さんのお宅と聞きお伺い致しました。私、稗田阿求と言います。」