響子「ふんふんふーん♪」
あっ、みなさんこんにちは。私は幽谷響子、やまびこの妖怪です。今は命蓮寺の境内の掃き掃除中。コレは日課の一部、まだまだお仕事はありますので!そういえば、この後は写経のお手伝いを秘密裏に頼まれていますので、掃き掃除はここまでにして...。それに今日はお友達の阿求ちゃんと菫子ちゃんが来るから、その準備もしないと!私が箒を片付けて命蓮寺のある一室に行くと、机に巻物に埋もれている1人の僧侶の姿が!
走馬「〜〜〜〜....、どんだけだよぉ...〜〜。」
響子「走馬さん、写経お疲れ様です。手伝いに来ましたよ。」
最近外の世界からやって来た、太秦走馬さん。何でも外の世界で人身御供にされかけたところを命懸けで逃げのび、この幻想郷に入って来たという経歴を持つ方なんです。そこで聖和尚に拾われことなきを経たという訳なんですが、先の異変にも"かめんらいだー"に変身して介入しており実力もかなりある方でもある。...筈なんですが、今は写経と座禅、聖和尚との地獄の特訓を送る日々...。本人はとっくに嫌気が差しているようなんですが、なんとか今日まで生き延びています。部屋に入った後、左右を確認してから静かに襖を閉めて走馬さんと向かい合う私。
走馬「きょーこちゃーん....たすけてぇ....ぐすっ...。」
響子「ありゃりゃ....。大丈夫ですよ、走馬さん!机に山のようにありますけど、部屋を埋め尽くす程ではありませんから!すぐに終わりますよ!私も手伝いますから!」
走馬「...くぅ...、響子ちゃんがそういうならやるしかないなぁ。よーし。」
響子「はい、頑張りましょう!」
人里の命蓮寺は、異変がなければ実にこのような穏やかさに包まれた場所なのだ。確かに聖さんは厳しいとこあるし、だけど何かと寛容で。星さんや一輪や雲山、ナズーリンやこがっちゃん、ぬえ、そして今目の前で内緒で写経を手伝ってくれている響子ちゃんなんかも色々世話を焼いてくれる。...なんだかんだ、楽しい世界だ。やってやろうじゃん。よっしゃ、響子ちゃんの声聞いたら俄然やる気が出て来たぜ!よーし、このままちゃっちゃか終わらせて、今日も座禅、筋トレやって酒飲んで終わりにするぞー!腕を上に、握り拳を作ってピーンッと勢いよく伸ばしてやる気全開っ!!という感じで、再び写経を継続する俺。
走馬「よっしゃ、外来人なめんなあ!いくらでもやってやるぜぇ!」
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菫子「ねえ阿求ちゃん?」
阿求「なんですか、菫子さん?」
人里の往来を行く私と阿求は、他愛の無い話を交えながら次なる目的地、命蓮寺へと進んでいく。昼の12時を回った頃、少し小腹が空いてきた私は阿求と共に近くの屋台へ行こうと提案する。...前に、お腹の音が鳴ってしまう。若干顔を赤らめながら恥じらう私を、阿求はなるほどと言うような顔を見せながら、私達は"八つ目鰻''と書かれた暖簾の屋台椅子に腰を下ろした。