練也「...??」
こんな昼間から、屋台かぁ...。外の世界じゃあ今どきあーいう移動式屋台なんて見ないもんな、こんな昼間からなんてなおさらか...。そんなことを思いながら、晴れて幻想郷の住人達の仲間入りを果たした自らのこれからを思案し歩いていると、何やら食欲を刺激する香りが。
練也「なんだこの匂い...。」
この時間帯にこの匂いは反則だと言われそうな、これは鰻の香り。もはや口の中が唾液で満たされてしまう程になり、なんでも良いから早く舌鼓をと、その"八つ目鰻"の暖簾を潜った。
練也「...こんにちは。」
ミスチー「あら、こんにちは。貴方は確か。...菫子ちゃんとおんなじ外の人間よね?新聞で読んだわ。」
練也「...貴女は、...たしか、夜雀の。」
ミスチー「そう。私はミスティア。ミスティア・ローレライよ。あら、いきなり話が過ぎちゃってごめんなさい、外来人なんて菫子ちゃん以外に会ったことがなくて。」
練也「と言っても、俺も今日から幻想郷の住人になったわけだけど、...ああ。凄い体験してるんだな、俺。」
そう言って、お品書きに目を通しながらミスティアことミスチーに言った。忙しなくネタを拵える段取りをするミスチーが、その件でまた話を弾ませた。
ミスチー「あっ、そういえば。ついさっき菫子ちゃんが、阿求ちゃんと一緒に此処に来ていたけど。貴方のことも言っていた気がするわね。」
お品書きを置き、女将ミスチーへ向き直る。早く飯が食いたい気持ちを抑えながら、鼻に運ばれてくる匂いを楽しみながら会話を続けた。
練也「幻想郷縁記に俺の名前を書いたという話か。....八つ目鰻重、大盛りで。」
ミスチー「はーい。丼物大盛りねー。だけど最近は、貴方も大変だったみたいだね。」
うなぎを焼きながら飯の支度、気の利いたことにお通しも出してもらいながら、ミスチーと俺は話を続けた。笑顔の絶えない素敵な女将さん、きっとこの人は毎日が楽しいに違いない。
ミスチー「決闘、したんですってね?玄武の沢で。」
練也「はい。...だけど、それは決着がつかなくて。...どっちかっていうと、押され気味でしたから。」
ミスチー「...そう?」
どんぶりにご飯を載っけながら、ミスチー女将さんはゆったりと話を続けた。
ミスチー「...ふふ。真面目なのね、貴方。」
練也「....。...さあ?」
ミスチー「さあ、召し上がれ♪元気なさそうだけど、無理に抱え込まないようにね。」
練也「......。そう見えますか?」
ミスチー「うん。顔に書いてあるよ?...妖怪も人間も、...元気が一番♪ねっ?仮面ライダーさん?」