前回の続きになります。
それではどうぞ。
「みんな、準備できたねー。それじゃあ、どこから行こっか」
「案内板によると、本当にいろんなプールやアトラクションがあるみたいね」
「…ウォータースライダーに激流下り、流れるプールに温泉プール……本当に何でもあるんだね……」
友希那と悠里の水着を購入し、更衣室で各自水着に着替えた一同は、案内板がある場所に着ていた。
ちなみに悠里が友希那達の水着姿を見て……
『それにしても本当に絵になるね。可愛いし、似合ってるよ?』
『『『『あ、ありがとう(ございます)……』』』』
誰とは言わないが、褒められて顔を真っ赤にしてた少女が4人いたのはご愛嬌である。
「はいはーい! あこ、ウォータースライダーに乗りたい! ここにはおっきなスライダーがあるんですよ~!」
あこがはしゃぎながら言う。
なんでも、前に来た時は混んでて乗れなかったから、今年は絶対に乗りたいとの事。
「あこが好きそうなアトラクションだと思ったわ。燐子が好きそうなのは……この温泉プールかしら?」
「あ、はい……他の場所より静かな感じがするので、気になっています……」
燐子の言葉を聞いて、思ってた通りね。と友希那は言った。
「友希那さんは行ってみたいところはありますか?」
「行ってみたいところ……そうね。案内板のマップだとパークの真ん中に大きな湖があるけれど……」
あこに行きたいはあるかと聞かれた友希那は、パークの真ん中にある大きな湖が気になっていた。
そもそもこれはプールなのだろうか?
「そこは、プールじゃなくて水上ショーのための施設です! 夜になるとピカピカにライトアップされるんですよ~!」
「こんなところでどんなショーをするのか興味深いわ」
「「「…………」」」
そんな2人のやり取りを見てた悠里と紗夜、リサの3人は……
「湊さん、随分このテーマパークに興味があるみたいね。こういう場所が好きだとは知らなかったわ……」
「うーん、そんな話聞いたことないけど……どうしたんだろ、友希那……」
「……友希那ちゃんの事だし、なにか思うところでもあるんじゃないの?」
水上ショーに興味を示す友希那を見て、紗夜が言った。
リサと悠里は、どちらかというと、疑問の方が強かった……
「あの……それで最初はどこに行きましょうか……?」
「そうね……人気のアトラクションは早めに行ったほうがいいのかしら? それとも、空いている場所から行ったほうが……」
「そ、そんな顔でこっち見ないでよ~! アタシもここは詳しいわけじゃないってば~! えーと、あこがスライダーで、燐子は温泉プールだっけ?」
あこと燐子が希望してる場所は、どちらも離れてる為、リサが悩んでいた時……
「……この時間帯で空いている場所から回るのが効率がいいと思います」
紗夜が助け舟を出した。
「ウォータースライダーは人気のアトラクションなので混雑します。まずは優先パスを取りに行きましょう」
「…ここって、優先パスがあるの?」
「ええ。パスさえあれば、待ち時間なく乗れるそうなので」
「…確かに優先パスがあるのと無いのだと、全然違うもんね。その辺は僕もなんとなく分かるよ。パスを取ったらどうするの?」
「激流下りかウェーブプールに行くのがいいかと。こちらも人気のアトラクションですが、比較的この時間は空いているはずなので、先に回ってしまいましょう」
ちなみにウェーブプールとは何かと友希那が紗夜に訊く。
なんでも人工的に波を発生させるプールで、このパーク内では、ボディーボードを使って楽しむのだとか。
しかも、去年できたばかりの施設で、非常に人気があるとの事。
「白金さんの希望の温泉プールはどの時間帯でも空いているので、アトラクションに疲れたら休憩がてら行くのがいいと思います。白金さんはそれで構わないかしら?」
「あ、はい……それで大丈夫です……!」
燐子に確認を取った紗夜は、優先パスを取りに行きましょうかと言った。
水着ショップに立ち寄ったので、あまり時間の余裕はないが、おそらくパスは取れる筈だと事。
「ああ、それと早めにレストランの予約を済ませておきたいですね。食事時は入店まで大分時間がかかると聞きましたから」
「それは僕も同意見。案内板を見る限り、レストラン街も多いみたいだし……どこがいいのかな? かな?」
「おすすめはレストランエリア南にあるシーフードレストランです。高校生に手頃な価格ですし、テラス席の見晴らしがいいので、パーク内の景色を眺めながら食事を楽しめるそうです」
「じゃあパスを取ったら、レストランの予約を済ませちゃよっか……うん。そうしよう」
「「「…………!」」」
他の4人が驚いた表情をしていたので、気になった紗夜はどうかしましたか?と訊く。
「氷川さん、ここに来たことあるんですか……?」
「ここのことは知らないと言ったでしょう。来たのは今日が初めてよ」
「それにしては詳しいわね……まるで何度もここに来ている人みたいだわ」
「事前にパークについて調べたんです。夏休み中のテーマパークは混雑するものですし、待ち時間で貴重な時間を無駄にするのは避けたかったので」
燐子と友希那の疑問に答える紗夜。
なんとも彼女らしい理由である。
「ええっ!? 調べただけで今のすらすら言えちゃうんですか!?」
「? 重要なことは記憶しておくものでしょう?」
「いやいや、いくらなんでもそんなに覚えられないって。ていうか、さすがしっかりしてるね~」
あことリサの言葉に、無計画に物事を進めるのが耐え難いだけだと紗夜は言う。
「異論がなければこのプランで行こうと思いますが、どうですか?」
「え、ええ、異論はないわ」
「はい……氷川さんのプランなら、みんなの希望を叶えられそうですね……」
「当然です。私の立てたプランは人気のアトラクションをおさえつつ、皆さんの希望の場所に行く時間も確保していますから」
友希那達も異論はなかった。
今度、テーマパークの上手な回り方に困ったら紗夜に頼もうと悠里は思った。
「よーし、じゃ急がないと! 早くしないと優先パスもなくなっちゃう!」
「! 宇田川さん! プールサイドで走ってはいけません! 待ちなさい!」
優先パスを急いで取りに行くあこを、注意しながらも追う紗夜。
燐子も紗夜と一緒にあこを追う。
「……なんだか学校の先生と一緒にいるみたいだわ」
「あはは、確かに。氷川紗夜の本領発揮って感じだよね~☆」
今の紗夜をそう例える友希那。それを聞いて、リサも笑いながら確かにそうだねと言った。
「…………先生と一緒にいるみたいな感じ、か……僕が本当に心の奥底から敬意を払う先生なんて、10人にも満たないけど」
「? 悠里、何か言った?」
「…ううん、何も。それより早く3人を追いかけよっか。僕らが迷子になったらシャレにならないから」
「それもそうね」
なんか話をはぐらかされた気がすると思った友希那とリサであった。
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