前回の続きになります。
それではどうぞ。
「うーん、今日みたいに暑い日はプールが気持ちいい~☆」
「…これでも気温はまだ暑くない方っていうらしいから、恐れ入るよ……」
「え、この暑さで……?」
トコナッツパークの大きなプールにて。6人は各々のんびりしていた。
悠里の何気ない呟きに驚くリサ。
「それにしても、めっちゃ遊んじゃったね! こんなに早く人気のアトラクションを回れるとは思わなかったよー」
「しっかり計画を立てれば問題なくできると思うけれど……普通はどんなふうにテーマパークを回るものなの?」
「少なくともこんなガチガチのスケジュールで回ったりしないと思う……」
紗夜の疑問に苦笑いしながら答えるリサ。
「でも、氷川さんのおかげで大分余裕ができましたね……いろいろ回ってこの時間なら……のんびり過ごせそうです……」
「うんうん……ほんとそれだよね」
燐子の言葉に、うんうんと頷く悠里。
「…………」
「あのー、友希那さん……?」
「どうしたの?」
「えっとー、楽しんでるのかな~って。さっきから無表情で浮き輪に乗ってるから……」
あこの言葉に、友希那は楽しんでいると言った。
浮き輪に乗って浮かんでいるだけなんて、なかなかする機会がないしと付け足す。
まぁ……友希那の事を知ってる5人からすれば、シュールな光景に視えてしまうのだが。
「何もしないでぼんやり空を見上げる時間も悪くないわね」
「うんうん! たまにはこうして息抜きするのもいいでしょ? パスを取ったスライダーの時間までまだあるし、しばらくこのプールでゆっくりする?」
「…ほんとだ。まだ余裕があるね……」
悠里が時間を確認する。
確かにリサの言う通り、優先パスで取ったスライダーの時間まで大分余裕があった。
「えー? 浮き輪に乗って浮かんでるだけ~? あこ、みんなと遊ぼうと思ってビーチボール持ってきたんだよ~!」
「いつの間に……」
「あこは元気だなー。うん、いいよ、やろっか。悠里もやろ?」
「…まぁ、いいけど……」
あこが持ってきたビーチボールで遊ぶ事になったリサと悠里。
「私は遠慮しておくわ。少し休憩する」
「わ、わたしも……あちこち回って疲れちゃって……ごめんね、あこちゃん……」
「えっ、じゃあ、遊んでくれるのゆうりんとリサ姉だけかぁ……」
紗夜と燐子は参加しないと聞いて、少し落ち込むあこ。
「ちょっと。どうして私を誘わないの?」
「「えっ!?」」
「……」
友希那の言葉を聞いて驚くあことリサ。悠里はどちらかというと意外な表情をしていた。
「で、でも友希那さん、こういうの好きじゃなさそうだし……」
「身体を動かすようなことに興味ないって言ってなかったっけ?」
「……興味はないのだけれど、今は少しあるわ。私も参加して構わないでしょう?」
「は、はい、もちろんですっ!」
こうして友希那も一緒にビーチボールで遊ぶ事になった。
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「それじゃ友希那さん、ボール投げますよー!」
「ええ、いつでもいいわ」
あこが友希那にボールを投げると言った。
順番は、あこから友希那、リサ、悠里、という時計回りな感じだ……
「ふっふっふ、見るがいい。暗黒の力をまといし我が魔球を……! 必殺! スーパーダーク……えっと、ウルトラミラクルボールっ!」
考えてた魔球名を言えなかったので、とりあえずボールを投げるあこ。
「このボールをリサのほうに……それっ!」
「「「あ!?」」」
あことリサと悠里が驚きの表情をする。
その理由は……
「友希那ちゃん、思いっきり空ぶったね……」
「ビックリするぐらいタイミングがあってなかった……」
友希那がリサの方にボールを投げようとしたが、見事に空ぶったのである。
それを見て悠里とあこはそれぞれ口にした。
「……狙いは良かったのだけれど、水の中で動きが鈍ってしまったわね」
「う、うん。そうみたいだね……ど、ドンマイ! 友希那!」
真顔で友希那は言うが、なんてフォローすればいいか分からないリサ。
「ゆうりん、友希那さん、こういう遊びあんまりしたことないんじゃ……?」
「…うん。ないと思うよ……」
本人に聞こえないように、小声で話すあこと悠里。
「今度は私から投げるわ。リサ、しっかり構えて」
「あ、うん」
「それっ!」
「……リサ姉のとこまで全然届いてない」
再びボールを投げた友希那だが、見事にリサの方まで届いてなかった……
「ごめんなさい。手が滑ってしまったみたい……も、もう一度やらせてちょうだい。次はしっかり投げるから……!」
「う、うん。焦らなくていいからね」
「ゆ、友希那さん! ファイトですっ!」
果たして友希那は、リサの方にボールを上手く投げられるのだろうか?と悠里は思った。
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「……ボール遊びってああいうものだったかしら?」
「さっきからずっと……友希那さんでボールが止まってますね……でも、なんだか友希那さん……楽しそうです……」
「本人は気づいてないかもだけどね?」
「「え!?」」
紗夜と燐子が話してると、いつの間にか悠里が会話に紛れ込んでいた。
突然の事に驚く紗夜と燐子。
「ごめん……驚かせるつもりはなかったんだけど……」
「い、いえ……少しだけ驚きましたが気にしないでください」
「わ、わたしも……あ、あの……ゆうりくん?」
燐子が何か言いたそうな顔をしてたので、どうしたの?と悠里が訊く。
「その、ゆうりくんが……
「…これ? 暇だからやってるだけ」
「「……」」
聞かれる事が分かってたのか、悠里はいつもの表情で答えた。
人間って本当に水面に浮かぶ事ができるのか……と紗夜と燐子は思ったそうな。
「でも、湊さんが宇田川さんの遊びに付き合うとは思わなかったわ。……ここに来るのに賛成した時から、なんだか様子がおかしいわね」
「やっぱり紗夜ちゃんもそう思う? なんか友希那ちゃん、練習が終わった時からも少しだけど……様子が違ってたよ?」
「そうなんだ……でも、嬉しいよ……わたし達のすることに……こんなに興味を持ってくれたこと……あまりないから……」
「確かに、今日の湊さんはいろいろなことに興味を持ってるわね……」
「……なんかあるよ。絶対」
今日の友希那がおかしいと思うと同時に、悠里と紗夜は何かあるんじゃないかと思っていた。
余談だが……
「わー! ゆうりんすごーい! 水面に浮いてるー!」
「…ちなみに浮かぶだけじゃなくて、移動もできるよ? ほら」
「すごーい! あこ、水面移動なんてゲームとかだけかと思ってたよー!」
「…あうあう。これができる人、僕の知り合いに数人いるよ?」
「なんかアタシ……悠里が水面に浮かぶの見るの久しぶりなんだけど……」
「そうね。小さい頃から見慣れてるから、あまり驚きはしないけど……」
水面に浮かぶ悠里を見た友希那とリサの言葉を聞いて、紗夜と燐子は別の意味で驚いたそうな。
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