月の少年と夏に揺らめく水の国   作:ゆるポメラ

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ゆるポメラです。
前回の続きになります。

それではどうぞ。


第3話 暗黒絶技・臨界驚魔弾

「うーん、今日みたいに暑い日はプールが気持ちいい~☆」

「…これでも気温はまだ暑くない方っていうらしいから、恐れ入るよ……」

「え、この暑さで……?」

 

トコナッツパークの大きなプールにて。6人は各々のんびりしていた。

悠里の何気ない呟きに驚くリサ。

 

「それにしても、めっちゃ遊んじゃったね! こんなに早く人気のアトラクションを回れるとは思わなかったよー」

「しっかり計画を立てれば問題なくできると思うけれど……普通はどんなふうにテーマパークを回るものなの?」

「少なくともこんなガチガチのスケジュールで回ったりしないと思う……」

 

紗夜の疑問に苦笑いしながら答えるリサ。

 

「でも、氷川さんのおかげで大分余裕ができましたね……いろいろ回ってこの時間なら……のんびり過ごせそうです……」

「うんうん……ほんとそれだよね」

 

燐子の言葉に、うんうんと頷く悠里。

 

「…………」

「あのー、友希那さん……?」

「どうしたの?」

「えっとー、楽しんでるのかな~って。さっきから無表情で浮き輪に乗ってるから……」

 

あこの言葉に、友希那は楽しんでいると言った。

浮き輪に乗って浮かんでいるだけなんて、なかなかする機会がないしと付け足す。

 

まぁ……友希那の事を知ってる5人からすれば、シュールな光景に視えてしまうのだが。

 

「何もしないでぼんやり空を見上げる時間も悪くないわね」

「うんうん! たまにはこうして息抜きするのもいいでしょ? パスを取ったスライダーの時間までまだあるし、しばらくこのプールでゆっくりする?」

「…ほんとだ。まだ余裕があるね……」

 

悠里が時間を確認する。

確かにリサの言う通り、優先パスで取ったスライダーの時間まで大分余裕があった。

 

「えー? 浮き輪に乗って浮かんでるだけ~? あこ、みんなと遊ぼうと思ってビーチボール持ってきたんだよ~!」

「いつの間に……」

「あこは元気だなー。うん、いいよ、やろっか。悠里もやろ?」

「…まぁ、いいけど……」

 

あこが持ってきたビーチボールで遊ぶ事になったリサと悠里。

 

「私は遠慮しておくわ。少し休憩する」

「わ、わたしも……あちこち回って疲れちゃって……ごめんね、あこちゃん……」

「えっ、じゃあ、遊んでくれるのゆうりんとリサ姉だけかぁ……」

 

紗夜と燐子は参加しないと聞いて、少し落ち込むあこ。

 

「ちょっと。どうして私を誘わないの?」

「「えっ!?」」

「……」

 

友希那の言葉を聞いて驚くあことリサ。悠里はどちらかというと意外な表情をしていた。

 

「で、でも友希那さん、こういうの好きじゃなさそうだし……」

「身体を動かすようなことに興味ないって言ってなかったっけ?」

「……興味はないのだけれど、今は少しあるわ。私も参加して構わないでしょう?」

「は、はい、もちろんですっ!」

 

こうして友希那も一緒にビーチボールで遊ぶ事になった。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

「それじゃ友希那さん、ボール投げますよー!」

「ええ、いつでもいいわ」

 

あこが友希那にボールを投げると言った。

順番は、あこから友希那、リサ、悠里、という時計回りな感じだ……

 

「ふっふっふ、見るがいい。暗黒の力をまといし我が魔球を……! 必殺! スーパーダーク……えっと、ウルトラミラクルボールっ!」

 

考えてた魔球名を言えなかったので、とりあえずボールを投げるあこ。

 

「このボールをリサのほうに……それっ!」

「「「あ!?」」」

 

あことリサと悠里が驚きの表情をする。

その理由は……

 

「友希那ちゃん、思いっきり空ぶったね……」

「ビックリするぐらいタイミングがあってなかった……」

 

友希那がリサの方にボールを投げようとしたが、見事に空ぶったのである。

それを見て悠里とあこはそれぞれ口にした。

 

「……狙いは良かったのだけれど、水の中で動きが鈍ってしまったわね」

「う、うん。そうみたいだね……ど、ドンマイ! 友希那!」

 

真顔で友希那は言うが、なんてフォローすればいいか分からないリサ。

 

「ゆうりん、友希那さん、こういう遊びあんまりしたことないんじゃ……?」

「…うん。ないと思うよ……」

 

本人に聞こえないように、小声で話すあこと悠里。

 

「今度は私から投げるわ。リサ、しっかり構えて」

「あ、うん」

「それっ!」

「……リサ姉のとこまで全然届いてない」

 

再びボールを投げた友希那だが、見事にリサの方まで届いてなかった……

 

「ごめんなさい。手が滑ってしまったみたい……も、もう一度やらせてちょうだい。次はしっかり投げるから……!」

「う、うん。焦らなくていいからね」

「ゆ、友希那さん! ファイトですっ!」

 

果たして友希那は、リサの方にボールを上手く投げられるのだろうか?と悠里は思った。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

「……ボール遊びってああいうものだったかしら?」

「さっきからずっと……友希那さんでボールが止まってますね……でも、なんだか友希那さん……楽しそうです……」

「本人は気づいてないかもだけどね?」

「「え!?」」

 

紗夜と燐子が話してると、いつの間にか悠里が会話に紛れ込んでいた。

突然の事に驚く紗夜と燐子。

 

「ごめん……驚かせるつもりはなかったんだけど……」

「い、いえ……少しだけ驚きましたが気にしないでください」

「わ、わたしも……あ、あの……ゆうりくん?」

 

燐子が何か言いたそうな顔をしてたので、どうしたの?と悠里が訊く。

 

「その、ゆうりくんが……()()()()()()()()ことについては……」

「…これ? 暇だからやってるだけ」

「「……」」

 

聞かれる事が分かってたのか、悠里はいつもの表情で答えた。

人間って本当に水面に浮かぶ事ができるのか……と紗夜と燐子は思ったそうな。

 

「でも、湊さんが宇田川さんの遊びに付き合うとは思わなかったわ。……ここに来るのに賛成した時から、なんだか様子がおかしいわね」

「やっぱり紗夜ちゃんもそう思う? なんか友希那ちゃん、練習が終わった時からも少しだけど……様子が違ってたよ?」

「そうなんだ……でも、嬉しいよ……わたし達のすることに……こんなに興味を持ってくれたこと……あまりないから……」

「確かに、今日の湊さんはいろいろなことに興味を持ってるわね……」

「……なんかあるよ。絶対」

 

今日の友希那がおかしいと思うと同時に、悠里と紗夜は何かあるんじゃないかと思っていた。

 

余談だが……

 

「わー! ゆうりんすごーい! 水面に浮いてるー!」

「…ちなみに浮かぶだけじゃなくて、移動もできるよ? ほら」

「すごーい! あこ、水面移動なんてゲームとかだけかと思ってたよー!」

「…あうあう。これができる人、僕の知り合いに数人いるよ?」

「なんかアタシ……悠里が水面に浮かぶの見るの久しぶりなんだけど……」

「そうね。小さい頃から見慣れてるから、あまり驚きはしないけど……」

 

水面に浮かぶ悠里を見た友希那とリサの言葉を聞いて、紗夜と燐子は別の意味で驚いたそうな。

 




読んでいただきありがとうございます。
次回も頑張りますので、よろしくお願いします。
本日はありがとうございました。
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