月の少年と夏に揺らめく水の国   作:ゆるポメラ

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ゆるポメラです。
前回の続きになります。

それではどうぞ。


第4話 一緒なら、大丈夫……?

「これがウォータースライダー……?」

「も、ものすごく高いです……こ、こんなに大きなアトラクションなんですか……?」

 

優先パスの時間になり、ウォータースライダー乗り場に着いた6人。

 

「ここのスライダーはゴムボートに乗って、びゅーんって滑るアトラクションなんだ!」

「…まぁ、これだけ大きいスライダーだもんね……」

「しかも、6人乗りだからみんなで一緒に乗れちゃうんだよ~!」

 

はしゃぎながら説明するあこを見て、流れ的にそうだろうな……と思う悠里。

 

「……って、みんなの分パス取っちゃったけど大丈夫!?」

「そ、そうだ! りんりん、こういうの苦手だよねっ! 激流下りもウェーブプールも見学してたし!」

「白金さん、苦手なら乗る必要はないわ」

「…………」

 

あこと紗夜にそう言われるが、燐子は本当にこれでいいのかな……と思っていた。

怖そうなアトラクションは避けてきたが、これに乗れれば自分は少しだけ変われる気がする……そんな気がした。

 

「あの、やっぱり……わ、わたしも乗ります……!」

「大丈夫なの?」

「は、はい。怖そうだけど……みんなと一緒ならきっと……」

「りんりん……! うん、きっと乗ってみたら楽しいよっ!」

 

友希那に大丈夫かと聞かれた燐子だが、みんなと一緒なら平気かもと答えた。

 

「それじゃ行きましょうか」

「ええ、これはスリルがありそうね」

「……って、紗夜と友希那も乗るの!?」

 

2人の言葉を聞いて驚くリサ。

 

「? 何か問題があるかしら?」

「や、2人ともこういうの興味なさそうだなって思ってたんだけど」

「下で待っているよりは有意義な時間になりそうですから」

「興味はないのだけれど……今はあるわ。早く行きましょう」

「そ、それならいいけど~……」

「……」

 

まぁリサの気持ちも分からなくもないと内心思う悠里なのであった。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

『それでは、皆さん準備はいいですか? では、いってらっしゃーい!』

 

係員に案内され、ゴムボートに乗った6人。

ちなみに最近のテーマパークのゴムボートは進化してるんですねと悠里が係員に言ったのを見て、なんだか珍しいなと思った5人。

 

「行っくぞー! ゴーゴー!」

「……思ったよりスピードは出ていないみたいね?」

「はい、正直もっと速度が出るものだと想像していました」

「…僕も。スライダーって、かなり速いってイメージがあると思ってたから……」

「このぐらいのスピードなら、燐子も平気そうかな?」

「は、はい……このぐらいならまだ……」

 

それぞれの意見を述べる6人。

流れは想像してたよりもゆっくりだった……

 

「ふっふっふ、こんなものじゃないよ~! このスライダーの目玉の一つはうねうねしたカーブなんだ!」

「うねうね……?」

 

あこの言葉に疑問を浮かべる紗夜。

次の瞬間……

 

「きゃあああああああ!!」

「うわっ、思ったよりカーブすごいね!」

「すごいというか、ボートから振り落とされそうだわ!」

「…なるほど。目玉の一つという事だけはあるね。それにしても楽しいな……これ……」

「カーブが連続で……これはなかなか面白いわね。燐子、しっかりボートに掴まるのよ」

「は、はい……!」

「わーい! 目が回りそう~! えっへへ、楽しーっ!」

 

カーブに入った途端に入ると、急激にスピードが上がった。

そうこうしてる内に、スピードが落ち着く。どうやらカーブを抜けたようだ……

 

「みんな、大丈夫ー? 今のカーブ、結構ヤバかったねー」

「わ、わたし……まだボートに……乗ってますか……?」

「あはは、乗ってる乗ってる! もう落ち着いたから目を開けて大丈夫だよ!」

「…燐子ちゃん、しがみつくならボートにしよ? 僕にしがみつかれても……友希那ちゃんもだけど」

「ご、ごめんね……すごく怖くて……」

「っ!? こ、これはその……」

 

燐子は目を閉じながら、友希那も無意識なのか悠里にしがみついていた。

よく見ると2人共、顔が真っ赤だった……

 

「……随分長いコースだけど、まだ終わりじゃないのかしら?」

「まだですよっ! もう一つの目玉が残ってますから!」

「もう一つの目玉……? まだ何かあるの?」

 

紗夜の言葉に、あこがもう一つの目玉があると言う。

 

「最後はすっごい急角度でプールを目がけて滑り落ちてくんですっ!」

「「急角度で……」」

「滑り落ちる……!?」

「あ、ほら見えてきたよ!」

 

驚愕の表情をしてる紗夜とリサ、燐子をよそにあこは見えてきたよと、はしゃぎながら言う。

 

「うわあ! みんな、ボートに掴まって!」

「は、はい!」

「し、死んじゃう……!」

「……っ!(も、もう一回だけ、悠里に……)」

「燐子ちゃん、友希那ちゃん。さっきも言ったけど、僕じゃなくてボートに掴まって」

 

悠里に再びしがみつく燐子と友希那。

 

「もう無理無理! 悠里っ! アタシ怖いー!」

「無理です無理です無理です!」

 

今度はリサと紗夜も悠里にしがみついてきた。

2人共、さっきまでボートに掴まってたよね……?と悠里は思うのであった……

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

「はー、すっごく楽しかった~!!」

「そうだね。人気なアトラクションなのも頷けるよ……」

「ええ、刺激的で面白い体験だったわ」

 

あこの言葉に頷く悠里と友希那。

他の3人はどうだった?と訊ねると……

 

「…………」

「りんりん? おーい、りんりん!」

「……ご、ごめんなさい。今、頭が真っ白で……」

 

燐子はまだ頭が真っ白なようだ。

 

「うう、めちゃくちゃ怖かったよ~~!!」

「リサまで。乗る前は楽しそうにしてたのに」

「だって、あんなにすごいとは思わないじゃん!」

 

リサはちょっと涙目。

確かに乗る前と乗った後だと、差が出るのは当然だろう……

 

「まったくだわ! こんなに危険なアトラクションだったなんて……本当に認可はおりてるの!?」

「……紗夜ちゃんも怖かったみたいだね」

「ちょっと意外……」

 

よく見るとリサ程ではないが、涙目な紗夜。

もしかして彼女は意外と絶叫系が苦手なのだろうか……と思った悠里とあこ。

 

「…………」

「……? どしたの、友希那ちゃん?」

「いえ、みんなのこんな反応を見るのも面白いと思って」

「……そっか」

 

友希那の言葉を聞いて、今日の彼女の様子がおかしい理由を察した悠里なのであった。




読んでいただきありがとうございます。
次回も頑張りますので、よろしくお願いします。
本日はありがとうございました。
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