月の少年と夏に揺らめく水の国   作:ゆるポメラ

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ゆるポメラです。
友希那ちゃん、誕生日おめでとう(1分遅れちゃった……)

楽しんでいただけると幸いです。

それではどうぞ。


第7話 高みを目指すために

「うーん、今日は思いっきり遊んだねー。夏休みの最後にいい思い出ができちゃったよ~♪」

 

トコナッツパークからの帰り道、悠里、友希那、リサの3人は住宅街を歩いてた。

 

「ね、初めてのトコナッツパークはどうだった?」

「そうね、楽しくなかったわけではないけれど……人も多かったし、少し疲れたわ」

「…右に同じく。僕は少し眠い……」

 

感想を訊くリサ。友希那は楽しかったけど、人も多かったし疲れたと言った。悠里に至っては軽い欠伸をしている。

 

「あはは、夏だしそういうテーマパークだからね。でも、そういうところも醍醐味なんだって! ライブだって、お客さんがたくさんいた方が盛り上がるし」

「そういうものかしら……」

「…まぁ、リサちゃんが言いたい事は分からなくはないけど……そういうものなの?」

 

友希那と悠里がそう言うと、そういうものだよ!とリサは言った。

 

「……それで? みんなの事、前より分かるようになった? 今日、みんなに質問したり感想を聞いたりしてたのって、みんなの事もっと理解したくてしてた事なんでしょ?」

「……! リサも気がついていたの?」

「もう何年一緒にいると思ってんの。それくらい分かるって」

 

今日の友希那がおかしい事に実は気づいてたリサ。悠里が友希那にほらね?と目で訴えていた。

 

「あんなに質問する友希那なんて見た事なかったし。友希那なりに、みんなの事考えてるんだろうなーって」

「お互いにもっと理解しあう事が、私達に必要だと思ったのよ」

「あ……、それって前にRoseliaがバラバラになりそうになった事を気にして……?」

「ええ。それもあるわ。もうあんな思いはしたくないもの……」

「……」

 

そう言うと友希那は少し暗い表情になりながら、隣にいる悠里を横目でチラッと見た。その気持ちはリサも痛いほど解る。

実はRoseliaがバラバラになりそうになった時、追い討ちをかけるかのように、悠里が展望台から飛び降り、病院に緊急搬送されたからだ……

 

それを聞いた時の自分達は、本当に心臓が止まりそうだったが。

 

「でも、それだけじゃない。私達が高みを目指す為には大切な事だと思ったのよ。完璧な演奏だけでは辿り着けない場所に行くには、きっと……」

「それで友希那なりにアクションを起こしたって事か……」

「ええ、今日1日、一緒に行動して、少しだけメンバーの事を理解できた気がするわ」

 

その言葉を聞いたリサは、へぇ~と頷いた後、例えばどんな事?と友希那に訊いてみた。

 

「紗夜なら絶叫系のアトラクションが苦手だった事ね。あんな取り乱し方をするなんて思わなかったし、知らなかった一面を知れた事になるんじゃないかしら」

「…あの後の紗夜ちゃん、本当に認可はおりているのかって言ってたくらいだし」

「いやいや、あれは苦手とかってレベルじゃないよ! アタシだってかなりヤバかったもん!」

 

リサの言葉に、そこまででもなかった気がするけど……と友希那は言う。

 

「他にはそうね、改めて紗夜の真面目な性格を目の当たりにしたわ」

「アトラクションを回るタイミングとか、レストランの予約とか全部調べてやってくれたもんね」

「…そもそも今日は紗夜ちゃんのお陰でスムーズにパークを回る事ができたけど、スケジュール管理をしてもらってなかったら、どうなっていた事やら……」

 

悠里がそう締めくくると、リサはそれは確かに言えてるかも……と呟く。

 

「じゃあ、あこと燐子は?」

「あこはいつも通りだったけれど……思っていた以上に元気だったわね」

「あはは、朝からテンション高かったよねー」

「…それだけ楽しみだったんじゃないの? ……最終的には疲れたのか、あこちゃん、帰りの電車で寝ちゃってたけど」

「何をするにも全力なところは、出会った頃から変わっていないわね」

 

あ、でもその点、燐子は前とちょっと変わった感じだったよね?とリサが言った。

 

「燐子は……以前と比べて自分を変えたいって意識が、前に出るようになってきたと思うわ」

「…確かに燐子ちゃん、ウォーターアトラクションに乗るって聞いた時は驚いたけど……」

「ウォータースライダーに乗るって燐子が言った時はアタシも驚いたなぁ」

 

こんなところかしらと友希那が2人に言った。

 

「とにかく、今日1日で、少しはメンバーの事を知る事ができたと思うわ。と言っても、まだ些細な事で、深く理解したなんて、とても言えないけれど」

「…今はそれでいいんじゃない? ね、リサちゃん?」

「そうそう。焦る事なんてないよ」

「そうね。小さな事でも、それを積み重ねていく事で、やがて揺るぎないものへと成長していく……人の繋がりも、演奏技術と変わらないのかもしれない……大切なのは気持ちと、続けていく事」

 

まあ、それを実際に行うのが意外と難しかったりするのだが……

 

「……ところでアタシと悠里は? 今日一緒に遊んで、何か気がついた事とかある?」

「……(まぁ、僕の場合は、ないと思うけど)」

「ないわ。悠里は…………その、水着姿とか……」

「即答!? しかも、ないって!? ない事はないでしょ~?」

「ない」

 

まさかの即答に、リサは思わず、ええぇぇ……と呆気な表情になってしまう。

 

「子供の頃から一緒にいるのだもの、今更、新しい何かを見つける方が難しいわ。それだけ、私はリサと悠里の事を理解してるつもりだし、リサと悠里も同じでしょう?」

「それもそっか……えへへ、自分で聞いておいてなんだけど、ハッキリそう言われると、なんだか照れちゃうね……」

「…リサちゃん、慌てたり照れたり、忙しいね? そういうところもひっくるめて可愛いんだけど」

「か、かわっ!? なんでそういう事を言うかなぁ……もぅ……」

「……(じー)」

 

別に正直な事をリサに言っただけなのになと悠里は思った。あと、友希那の視線が痛い。

 

「あっ。今日というか、さっき気づいた事ならあるわ」

「え? 何々? 教えて!」

「……背中に虫がついてるわよ」

「? あっ、ほんとだ……」

 

友希那の一言に悠里も気がついた。確かにリサの背中に虫がついていた。

 

「えっ? 虫……って、えええぇぇぇぇぇぇっ!? 嘘ぉぉっ!? い、いつからぁっ!?」

「トコナッツパークを出てからずっとよ。みんな気がついていなかったみたいだけれど……リサは虫が嫌いだから、驚かせないようにと、言うタイミングを探してたの……結局驚かせてしまったわね」

「……いや、それは言ってあげようよ」

「反省は後で! とにかく悠里! 取って! 取ってよぉっ! もう、友希那ぁぁぁぁぁっ!」

 

この後、悠里がちゃんと取ってあげ、リサを慰めてあげた。




読んでいただきありがとうございます。
今回は☆4の友希那ちゃん回を書いてみました。
結局、地味に1日遅れちゃったけど……(ぐぬぬ)

来年は間に合うようにするぞ。

それではまた。
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