あるものは見た
その絶対的な“存在”を
あるものは見た
戦場に現れし“救世主”を
あるものは見た
戦場にて鮮血と共に舞う死神を
あるものは歓喜した
彼女は、我らを救うため神から使わされたと
またあるものは恐怖した
彼女は、まるで死を纏う妖精だと
時には多くを殺し、時には多くを救った少女は
様々な戦場にて現れ、その戦場を蹂躙し
いつの間にか、スッと消えている
そんな、少女の噂が様々な場で見られた
時には悪魔の住む世界、時にはとある研究所
そして、人同士の戦場
そんな彼女は人々からこう呼ばれた
クロエside
……………………駆ける
………………………………駆ける
……………………………………………駆ける
道を、屋根を、電柱との間を
駒王町にて赤い閃光が道を駆ける
アラヤに指定されたポイントへと向かう
駆けていると、エミヤのスキルなのか目の前の目的地である大きな学園が見えた
だが、その学園は魔術で作られたらしい大きな結界が張ってあった
近くには数人が結界に触れていることからその人達が結界を維持しているのだと見られる
もし頼み込んでも、入れてもらうことなど無理と言う結果が、見えている
例え、目の前に障害があったときてもそれを破壊する
それがアラヤの意思、私への
「──I am the bone of my sword」
私は走りながら、左手に洋弓を投影して走ってきた勢いを殺すように強く地面を踏みしめながら止まり右手にかの昔、とある魔女の使ったとされる少々異常な形状の短剣
私は
「
そう言って短剣を放ち、それを追うように再び駆ける
これは、あらゆる魔術や契約を無効化する
先程と同じような赤き閃光の軌跡が生まれ、その閃光の少し先では高速で結界へと向かう短剣は見事その結界を打ち消した
「なっ!?結界が!?」
「一体何が起こって───」
恐らくは結界の維持をしていた原作の生徒会組だったっけ?
その人達を避けて走り抜ける
「なっ!?」
「なんでこんな所に!?」
そんな声が聞こえたが、気にせずに走っていると頭の中に追加で情報が入ってきた
「アラヤより報告『目標のエクスカリバー(偽)の破壊』を確認。これより『エクスカリバーに関する行動に関与した人物の抹消』を開始します』
頭の中に入ってくるのは最優先抹消対象の二人の顔と名前
『バルパー・ガリレイ』
『コカビエル』
二名を索敵、開始
走りながら恐らくはエミヤのスキル千里眼、『鷹の目』を発動する
両方、発見。距離、前方
少し離れていることを確認、近い方を殺した方が速い
駆けていると、こちらに背を向けたバルパーの姿が見える
チャンスね。
私は両手には白と黒の夫婦剣『干将・莫邪』を投影しそれを持ち刃の先を後方にして少し前傾姿勢で駆ける
加速し、距離を詰める
次第に、周りの会話が聞こえる
遠目に見た限りだと、あの金髪の少年がエクスカリバーを破壊したのだろう
手には見たことのない剣が見え、少し先には砕けたエクスカリバー(偽)が見える
「これで終わりだ!バルパー・ガリレイ!!」
三、距離を詰めつつ干将莫邪を両手をクロスして構える
「チェックメイト、さぁ覚悟を決めてもうよ!」
「何故だ、何故…………そうか、本来なら交わることの無い聖と魔が何故」
二、ここまで駆けた加速によるスピードで少し地を蹴り宙に浮かぶ
「……………そうだ、本来ならあり得ない聖と魔の剣。これは聖と魔のバランスが崩れたからだとするなら、過去の対戦で神も──」
ここだッ!
一、最優先抹殺対象であるバルパー・ガリレイの首元ぐらいまで浮かび上がった私は両手にクロスさせていた干将莫邪を広げるように首を斬る
「なっ!?」
腕に確かな感覚と共に宙に鮮血が舞う
対象の首がぼとりと地面に倒れ私は驚愕した様子の少年の前に干将莫邪を広げた状態で立っている
「誰だ…………ッ!?君はあの時のッ!?」
「第一最優先抹殺対象、バルパー・ガリレイの抹殺を完了………ッ!」
そう言って私は金髪の少年の前に立ち干将莫邪を私の背後にいる人物へと投擲、片手を着き出す
「
すると、私へと投擲された光の槍の前にアイアスの盾が七つ桜の花びらのように展開され、一枚を削るだけで光の槍は霧散した
アイアスを使わなかったら、私を含めてこの人も殺されてた
一方、私の投擲した干将莫邪は光の槍を投擲したと思われる人物の精製した光の槍にて防がれガラスのように割れて粉々となった
「ほぅ、今のを防ぐとは流石は
そう言って空中から降りてくる一人の堕天使の男
「
長い髪にスーツを来た男が今、地面に立った
「第二最優先抹消対象を確認。
私は再び両手に干将莫邪を投影し、構えるとコカビエルも同じく光の槍を構える
「………………………」
「………………………」
しばらく、睨みあいが続く
そしてそれは何が合図か分からず、金髪の少年の仲間と思われる者達もこちらを眺めているだけ
───────風が吹く
「ッ!」
「ハァッ!」
私は干将莫邪を構えて駆け出した
相手も同じくタイミングで駆け出し斬り結ぶ
相手の刺突を干将でいなし、莫邪で斬り着ける
「ッ!?」
だが、それもまた、コカビエルの精製した光の槍で防がれる
「フッ、今度はこちらからいくぞ!」
私は下がりつつ干将莫邪を二組投影し指に挟むようにしてから、コカビエルへと一気に投擲しバク転で距離を取る
「牽制など!」
そう言ってコカビエルが光の槍で飛来する六つの干将莫邪を破壊しようとした
次の瞬間
「
コカビエルへと迫った六つの干将莫邪に内包された私の魔力を暴走させ大きな爆発が起き、コカビエルを襲う
「グッ、小癪な真似を………」
私は左手に洋弓、右手にある剣を投影し番え魔力を込める
その剣はかつて北欧の英雄、ベオウルフが振るったとされる魔剣
「──
逃れられるかしら?射貫け、
洋弓から放たれた
それを放ち、私は早めに決着を着けるため右手を前にかざし左手で右手を支えるよう掴む
精神を研ぎ澄ませ、想像する
「こんなもの!なッ!?」
だが、コカビエルの腕を少しかするだけで通りすぎる
私は構えていた右手を上に振り上げる
「──────
風が吹き、頬を風が撫でる
鼻腔には先程と殺した男性の血と死骸の臭い
銀髪が揺れる、私は構え右手に力を込める
想像する、彼の大英雄の使っていたあの剣を
すると、私の右手にズッシリとした自身の身の丈よりはるかに大きな斧石で出来た大剣が握られていた
「─────
大剣を持った手が、ピシッとなる
さすがの私でも、この剣を振るうのは容易じゃない
音のなった右手、その肩からは赤い血が流れ、伝っている
だけど、この一撃で終わる
終わらせる、だから持ってくれ
コカビエルはだんだんとフルンディングをいなすことが出来はじめている、仕掛けるなら今
「
ちょうどコカビエルの目の前から、コカビエルへと向かう
「またか!?一体、奴は何処に!」
コカビエルは土煙で此方が見えていない
「
私は一瞬で距離を詰め、土煙を突っ切る手に持った強大な剣を片手で振り上げる
「───
神速による九つの斬撃がコカビエルを襲う
これは、ギリシャの大英雄
ヘラクレスの宝具。
それを再現した、まさに英雄の一撃
その前に、コカビエルは倒れた
体の九つの傷から大量の血を流して
すると、私の右手にあった石斧の大剣がガラスのように砕け散り右手が解放される
それと同時に右手がダランと下がり、私は膝を着いて左手で右肩を押さえる
少し無理をしすぎた、右肩がまるで針を刺されて無理やり傷を広げられたかのように痛い
だが、これで最優先抹消対象の抹消を完了した
「第二、最優先抹消対象の抹消を完了。はぁ、はぁ」
肩で息をしながら私は先程から動かすと激痛の走る右肩を左手で押さえる
どうにか足に力を入れて立ちながら周りを見ると、先程の金髪の少年の他にも赤髪の少年や白髪の少女、大和撫子な雰囲気な少女や赤髪で偉そうな少女が此方へと走ってくる
敵意が感じられない為、私は少し安堵する
「ッ!?」
次の瞬間、此方へと走ってくる彼らを追い抜き、此方へと明確な殺意と共に向かってくる気配を感じ即座に夫婦剣【干将莫邪】を投影し、右肩の痛みを無視して構える
右のショートカットの少女は大剣、左のツインテールの少女はレイピアの用に細い剣を此方へと振り上げていた
私は即座に二人の間へと高速で向かっていき、走り抜けながら地を蹴り体を捻り干将莫邪で二人の剣をいなして着地する
それと同時に両手の干将莫邪を構え直しながら背後の少年達を見ると、あの二人が攻撃したことが信じられないのか驚愕の様子だった
一人は二人に凄い殺意の宿る目で見ていた
金髪の少年達からは敵意を感じないから背にしていても問題はない
二人の内のショートカットの少女は直ぐに身を翻し此方へと手に持った剣を振り下ろしてくる
それをあの剣を止めるには、今の干将莫邪の強度じゃ叩き折られることが見えている
なら
「
───基本骨子、解明。
───構成材質、解明。
───基本骨子、変更。
───構造材質、補強。
───
「─────
強化すれば、なんの問題もない
ガキンッ!
金属同士がぶつかり、大きな音を立てる
私は干将莫邪をクロスさせて振り下ろされた剣を受け止めていた
だが、相手のショートカットの少女は振り下ろした剣に体重をかける
相手の剣と私の干将莫邪擦れるが擦れる音が聞こえる
「まさかこんな所で見付けることが出来るとはな、
「グッ………」
沢山の人が私の事をそう呼んでいた事は覚えている
それにこの少女達が私を敵視してくる事から、天使の陣営であることは明らか
「いいわよゼノヴィア!そのまま押さえてて!」
そう言って、ツインテールの少女が剣の形状をレイピアから通常の剣に変化させ突撃してくる
私はクロエの能力、小聖杯による転移を使いゼノヴィアの隣に転移する
先程、ゼノヴィアと呼ばれたショートカットの少女の剣が空を斬る
「なッ!?あぐっ!」
私はゼノヴィアの横腹を回し蹴りで遠くにの吹き飛ばし、突撃してくる少女に向かい干将を指す
「─────
────憑依経験、共感終了。
───
少女が接近してくるのを見ながら詠唱を続行する
右手はもう痛覚がおかしくなったのか、感じなくなったので右手の干将を相手に指し狙いを着ける
「
そういい放つと、私の周囲に沢山の無名の剣が宙に投影されツインテールの少女へと掃射する
少女はそれに驚いたものの、剣を避け時には持っていた剣で吹き飛ばしながらも此方へと迫ってくる
私は干将莫邪を手放す、すると干将莫邪はガラスが割れるように消え
私は手にある武器を投影する
それはかつて女神の一人が使ったとされる鎖の着いた鎌のような形状の剣
鎌剣ハルペーを持ち、近付いてくるツインテールの少女の剣に対して私はハルペーの鎖の先端に着いた重りを投げつけて少女から剣を吹き飛ばす
見れば、吹き飛ばされたゼノヴィアと呼ばれた少女は脇腹を押さえながら立ち上がっており
ツインテールの少女の方は自身の獲物を手放した事で動揺しておりどちらも動けなさそうだ
すると、頭のなかにアラヤの声と共にこの事件に関与した人物の顔と名前が頭に浮かび上がる
先程蹴り飛ばした少女『ゼノヴィア』、ハルペーで持っていた剣を吹き飛ばされた少女『紫藤イリナ』、エクスカリバーを破壊したと思われる金髪の少年『木場祐斗』
頭の中に次々と情報が入ってくる
茶髪で左手に籠手らしき武器を装備した少年『兵藤一誠』、金髪のストレートヘアーで優しそうな顔の少女『アーシア・アルジェント』
この町を管理する魔王の妹『リアス・グレモリー』、そして白髪で小柄な少女『塔城 小猫』
そして、リアス・グレモリーの
『
「─────え?」
頭の中に、その名前が浮かんだ瞬間
私は思わずその少年達がいる方へと振り返り、そして見付けた
あの時の幼さは消え、きれいな女の子となった私を家族と言ってくれた
死んだと、守り切れなかったと思っていた
あの子、朱乃ちゃんが目の前に生きていた
思わず、目から涙が流れ地面に膝を着く
「朱乃、ちゃん?」
そう呟くと、朱乃ちゃんらしき女の子は驚き目に涙を貯めた
「クロエちゃん、ですよね?」
それは私にとって、最高の知らせだった
守ることが出来ていたのだから、だが今に限っては最悪な情報だった
何故なら、アラヤから出された指示
『
対象、つまりは私が朱乃ちゃんを殺すよう
アラヤから指示されたも同然なのだ
思わず、手を握りしめる
それを知らずに朱乃ちゃんは此方へと歩いてくる
頭の中には、何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も
その少女を殺せと指示が繰り返し頭のなかに響き渡る
『
『……
『……
それが世界の意思、決定事項
「い、や…………うるさい。うるさい!うるさい!うるさい!うるさい!うるさい!うるさい!うるさい!黙れ!黙れ! 私は、
思わず私は空へそう叫んだ
初めてだった、ここまでアラヤの命令を実行したくないと思ったのは
「クロエちゃん?どうしたの!?落ち着いて!!」
『
その命令だけは、絶対に聞かない!
『……
私はこの人を殺したくない!
『コンフリクト・サーキット閉鎖
意識が沈む、このままだと駄目
朱乃ちゃんが………お願い
「……にげ、て……………!」
ご愛読ありがとうございました
感想、お気に入り登録、高評価
よろしくお願いいたします
【番外編】アラヤ社クロエ出張サービスin異世界
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ポケットモンスター
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戦姫絶唱シンフォギア
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ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか?