なんで他の転生者は家があるの?   作:クレナイハルハ

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~最終章~私の真実とバースデイ
壊れ行くモノ


 

クロエside

 

 

熱を出して寝込んだ次の日、無事に私は熱が下がり体調が回復した

 

そう言えば今日はお父さんの友達が来るらしい

 

私は、どうしていればいいのだろうか?

 

正直言うと、私は買い物の時に娯楽品と言える物はこの猫の肉球のクッションのみで他には服や机しか買っていないのだ

 

なのでクッションを抱えて部屋の隅っこに座る

 

あの夢を見てからずっと頭の中にあの景色が浮かぶのだ

 

あの研究所は何の研究所だろうか?

 

あの場所に何故イリヤスフィール・フォン・アインツベルン

 

そして遡月美遊と言うこの世界に存在する筈のない人達が何らかの薬のなかにいたのか

 

あの狂った男は一体なんなのか

 

そして何より、大量の液体に浸けられていたヒトであったかのような物、内臓や死体が頭の中にフラッシュバックする

 

気持ち悪い

 

私は今まで沢山の場所で様々な死骸や研究所を見てきた

 

でも、それ以上に夢のあの場所は酷く残酷で、自分がその液体のなかに入れられていることが怖かった

 

気持ち悪い、キモチワルイ

 

体温が下がり、何かが喉をせり上がってくる

 

「うぇ………」

 

どうにか吐きそうになるのを堪える

 

今行けば、確実にお父さんの邪魔をすることになってしまう

 

「はぁ、はぁ…………」

 

息が苦しい、呼吸が正常に出来ない

 

どうにかを呼吸を行おうとするが、過呼吸ぎみになり体が震えていく

 

どうにか立ち上がり片手で口を抑え、壁を伝いながらトイレへと体を刺激しないようゆっくりと歩く

 

近い部屋からお父さんとお父さんの友達だと思われる声が聞こえる。他にもテレビからゲームらしき音が流れていた

 

今ならばれずに行ける、お父さんに迷惑をかけなくてすむ

 

そう思い、更に足を進めようと

 

ずるッ!

 

「ッ!?」

 

壁に触れていた手が滑り、体勢がぐずれ地面に倒れて込んでしまう

 

「おっさん、なんか廊下から大きな音がしたぞ?」

 

「ん?なんか、落ちたのか?」

 

その時、そう言ってお父さんが部屋から出てきてしまった

 

そして私を見ると驚愕して焦ったようすで私の体を支えてくれた

 

「クロエ!?どうした!?体調が悪いのか!?」

 

「おと、さん。気分が、悪くて、ト、イレに………」

 

浅い呼吸を繰り返しながらどうにかそう言って立ち上がる

 

「おっさん!何かあったの、か……!?」

 

するとお父さんの出てきた部屋から、一昨日の戦場で私を殴って止めてくれた赤髪の少年が立っていた

 

「おと、さん。私は、大丈夫だか、ら」

 

「バカヤロウ!大丈夫なわけあるか!取り敢えず、トイレまで抱えてくからな!」

 

そう言ってお父さんが私を抱える

 

「すまねぇな赤龍帝。ちょっとこいつをトイレまでつれてくから部屋で待ってろ」

 

「は、はい」

 

お父さんに抱えられトイレにつくと、私を下ろしてくれた、私は直ぐに中に入ってせり上がってくる物を吐き出した

 

吐いてる内に、からだの震えや過呼吸は直っており、私はあまりの気持ち悪さに閉じていた瞳を開けた

 

恐らくは昨日食べたお粥かお昼らしき何かが吐き出されているのだと思った

 

でも、違った

 

吐き出されたのは、赤黒く

 

どろどろとしたナニカ

 

そう、私が今まで何度も見てきたもの

 

何度も作り続けてきた物

 

私の二つ名の元となった物

 

血だった

 

頭の中が真っ白になる、どういう事?

 

なんで胃液とかではなく、血?

 

なんで、その言葉が頭の中を支配する

 

そもそも、何故血が吐き出された?

 

考えられるのは、何らかの病気にかかったこと

 

でも、何故?

 

心当たりはあるとすれば、それは私がまだアザゼルお父さんに拾われる前

 

生きるために毎日を必死に生きていたあの頃

 

生きるために、様々な物を口にした

 

捨てられたコンビニのお弁当の残りやカビが少し生えたパン、近くの公園に落ちいた食べられそうな木の実や雑草

 

それが後々からわたしの体を?

 

でも、もしそうなら食べて直ぐに症状が出ていた筈だ

 

なら何故?

 

取り敢えず、トイレットペーパーで口もとの血を拭い、便座を拭いてから水を流す

 

よし、これで誰にもバレない

 

お父さんにも迷惑をかけなくても大丈夫

 

そう思い、家を出る

 

「クロエ、大丈夫なのか?」

 

そう言ってお父さんが両肩を優しく掴む

 

「大丈夫よ、問題ないわ。ごめんなさい、お友達との遊びを邪魔してしまって………」

 

「いいんだよ。お前は俺の娘だと言ったろ?もっと迷惑をかけてもいいんだぜ?」

 

そう言って微笑むお父さん、でも私は罪悪感と迷惑をかけたくない気持ちでいっぱいだった

 

すると、気になったのかさっきの赤髪の少年が廊下を歩いてきた

 

「おっさん、その子」

 

「あぁ、お前にはまだ言ってなかったな。こいつはクロエ、俺の娘だ」

 

「はぁ!?おっさんの娘だったのか!?」

 

そう言って驚きの声をあげる少年、いや気付いている

 

彼は兵藤一誠、赤龍帝にしてこの世界の主人公

 

でも、彼が驚くのも無理がない

 

だって数日前に沢山の人を斬り、そして兵藤一誠達にも牙を向いた人物がここにいるのだから

 

「なんだ?知ってるのか?」

 

「は、はい…………」

 

すると、兵藤一誠は一昨日のエクスカリバーの事件に関することを話し出した

 

私がバルパー・ガリレイ、コカビエルの両者を殺したこと

 

天使の教会の戦士が私を殺そうとしたこと

 

そして突如として涙を流して座り込んで錯乱し、“アラヤ”と言う単語を発しながらたこと

 

その後、突如としてその場にいた全員に刃を向けたこと

 

白髪の男が乱入しを止められると意識を失って倒れたこと

 

その後、兵藤一誠は帰り私は部屋でお父さんと晩御飯を食べていた

 

ついでに言うと今日はお父さんの気分で鰻の出前だった

 

「クロエ、あいつが言ってたことは本当か」

 

食べながら、自然な感じで聞いてきた

 

思わず、私の箸が止まり、僅かな沈黙が続く

 

「………………うん」

 

「お前が言っていた“アラヤ”と言う言葉に関係するのか?」

 

「うん」

 

すると、お父さんは箸を置いた

 

「なぁ、クロエ。明日、駒王学園で夜中に天使、堕天使、悪魔の会議があるんだ。それで、出来ればお前も付いてきて欲しい」

 

「え?」

 

「そこで、お前のことをミカエルの奴に掛け合うつもりだ。上手く行けば、お前の指名手配を取り消せる。恐らくだがお前が学校で戦ったあいつらにも、お前が敵じゃない事を伝えられる。だから、そこで何でお前があんな状態だったのか、なんで戦うのか、アラヤについてを話してくれ、頼む。」

 

そう言って頭を下げるお父さん

 

この人には、頭が上がらないな………

 

こんな私を拾ってくれて、ご飯を食べさせてくれたばかりか、居場所をくれた上に私の為に掛け合ってくれようとしている

 

感謝しか出来ないよ

 

「お父さん、ありがとう。私、話してみるよ」

 

「そうか、ありがとなクロエ。」

 

そう言って私達は食事の再開をしようと

 

「うぐっ!?」

 

「どうしたクロエ!?」

 

その時だった

 

突如として、また喉にナニカがせり上がってくる

 

お昼と同じ感覚が喉に現れる

 

私は喉のせり上がってくる何かを片手を抑えて我慢し、急いで席を立ちお手洗いに行きナニカを吐き出す

 

吐き出されたのは、先程まで食べていたものではなく昼と同じような赤黒い血だった

 

「ま、また…………………」

 

荒い呼吸をしながら、震える体を抱き締める

 

「おいクロエ!大丈夫な、の………ッ!?」

 

すると、お父さんが開けっぱなしにしていた戸をから顔を出して

 

そして固まった

 

目線は、先程私が吐き出してしまった赤黒い血

 

「お前!まさか昼のもそうだったのか!?」

 

「ち、ちが…………」

 

違う、そう否定しようとした。でも、無理だった

 

「悪いがクロエ、お前が昼に吐いた後に掃除の為にトイレに入ったときな……見ちまったんだよ。部屋の端に付いた血痕を」

 

見られていたのだから

 

「!?」

 

「最初は勘違いだと思ったが、お前………」

 

「わかん、ない」

 

「クロエ?」

 

「わかん、ないの。なんで?わたしは、血を吐くの?……怖い、怖いよ。なんで、わたし………」

 

そう言って震えるわたしを、お父さんがそっと抱き締めてくれた

 

「取り敢えず、今日は遅いから明日の朝に病院行くぞ」

 

「………………うん」

 

私は自身の体に起きた異変

 

これがなんなのか私は全く分からない

 

一体、私の体に何が起こってるの?

 

 

 

 

 

 

 






ご愛読ありがとうございました

どうか今年もこの作品をよろしく
お願いいたします

それと、前話に沢山の疑問の声があげられていた為に、一部の文章を少し変更しました


【番外編】アラヤ社クロエ出張サービスin異世界

  • 魔法少女リリカル☆なのは
  • 魔法少女まどか☆マギカ
  • ポケットモンスター
  • 戦姫絶唱シンフォギア
  • ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか?
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