なんで他の転生者は家があるの?   作:クレナイハルハ

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お腹がすきました

 

 

 

 

 

とある路地裏

 

 

そこには外套を羽織った一人の少女がその場に座っていた

 

「はぁ」

 

 

 

───ぎゅるるるるぅぅう───

 

 

 

 

「お腹、減った………」

 

そう呟きつつ、私はお腹を押さえ音が鳴らなくなるのを待つ

 

ふと近くにあるゴミの残骸にある鏡の破片には琥珀の目に褐色の肌、色が抜けた銀髪の小学生くらいの少女が映っている

 

誰もが見れば美少女だと言うであろう少女は、ボロボロの外套を羽織っており、更には顔色が酷く悪く

 

痩せこけた姿をしていた

 

「はぁ」

 

深くため息をつき、少しでも体力を消費しないように目を閉じボロボロだが少し暖かい外套に身を委ねる

 

私の名前はクロエ・フォン・アインツベルン

 

病死した私は神様から特典として

 

【Fate/Kaleid linerプリズマイリヤのクロエ・フォン・アインツベルンの容姿と能力】

 

()()を貰い転生させられた

 

なんでも通常なら一年の死者数の限界値を越えないのだけど、私の場合は死者数の限界値を越えてしまったらしく、死者数の定理を維持するためにワタシは別世界に転生させたらしい

 

私のクロエに関するFate知識は、二次創作とプリヤの1話2話を見た程度、その他は全てFGOからだ

 

なので、クロエと言う少女がどうして生まれたのかは知らないし

 

クロエが衛宮士郎、まあアーチャーエミヤの力を借りて戦闘していることぐらいしか知らない

 

特典があるだけで十分羨ましい?

 

ふざけてるのかしら?

 

二次創作なら、転生者は家やチート能力にお金などを心配ないでしょ?

 

私にはなにもない

 

家も家族も友達、お金に身分証も

 

なにもない

 

あるのはこの体だけ

 

ねぇ、他に転生者と言われる人がいるなら答えてよ

 

なんで家があるの?

 

なんでお金があるの?

 

なんで友達がいるの?

 

なんで幸せになれるの?

 

「はぁ、何日食べてないのかしら………駄目ね、考えるとお腹が減る」

 

そんなことを考えつつ、私はこの世界に生を受けたときのことを思い出す

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

神様に言われ、転生した先で最初に飛び込んできたのは葉のついた木と空を羽ばたいて行く鳥達

 

「夢じゃなかったんだ……………」

 

起き上がりながらそう呟くと聞き慣れた自分の声ではなく、少女のような幼さを残した声だった

 

取り敢えずここは公園?

 

取り敢えず自分の姿を確認したくて近くの男子トイレに入り鏡を見る

 

少し高いけど少し離れれば見ることができた

 

そこにはワンピースを着た琥珀の目、そして褐色の肌の少女

 

クロエ・フォン・アインツベルンが立っていた

 

「本当にクロエになってる……」

 

そう呟き、男子トイレの外に出る

 

さすがに元男とはいえ、少女でも親の同伴なしで男子トイレにはいない方がいい

 

取り敢えず、神様の言っていた転生特典であるクロエの容姿は確認できた

 

「次は、投影ね」

 

早速あの赤い弓兵が使っていた夫婦剣

 

【干将莫邪】を頭のなかで想像すると

 

手のひらに鉄のようや少し思いけど慣れ親しんだような物の感触を感じ目を開くとそこには

 

黒と白の双剣、干将莫邪がしっかりと投影されていた

 

「凄い、本物だ」

 

思わずそう呟いて双剣に触れようとして、ふと周りを見る

 

で本来であれば魔術の行使は回りの人に見られないよう結界等をはり

 

神秘の秘匿を守らなければならない

 

私の周りに誰もいないのを確認してホッとした

 

見てる人がいないから良かったけど、このままだと警察に捕まってしまう

 

両手の干将莫邪が消えるようイメージすると、手から黒と白の双剣は消えていた

 

「よし、取り敢えず家に……………」

 

家ってどこ?

 

「っ!?」

 

急いで私は持っていた私物を確認するために服のポケットに手を見る

 

よく二次創作なら、ポケットに神様の手紙やらなんやらが入っていて家までの住所が分かるはずだ

 

「嘘……何もない」

 

そう、何もなかった

 

持っていた財布もなければ身分証明書もない

 

つまりは帰る家も、お金も、自分の身分を証明出来るものが何もない

 

更には、私は男から女になった

 

体の動かしかた、つまりはトイレとかの仕方は分からないし教えてくれる人もいない

 

取り敢えず先程、私が倒れていた所の近くにあるベンチに座って考える

 

一応、投影魔術は使えるけど

 

それで宝石を投影して売ったり、お金を投影したりはしたくない

 

もちろん、食糧も盗んだりはしたくない

 

もし出来たら、直ぐにでも家やご飯は解決するんでしょうけど……そこまで私は堕ちたくない

 

「はっくちゅっ!……寒い」

 

体感だと、季節は春に入ったばかりに見える

 

また雪が降る可能性もあるし、吹く風が体を容赦なく冷やしていく

 

「取り敢えず、何か上着を……」

 

そんなことを考え、お金が無いことを思い出す

 

「改めて失って、大切なものに気付くってこう言う事を言うのかしら」

 

そう一人愚痴りながら、少しでもお金やご飯を恵んで貰う方法やこの世界で生きる方法を考える

 

前世での唯一の特技であるピアノで稼ぐ?

 

無理無理、今時そんなんで恵んでくれる人なんているわけ無いわ

 

拾ってくださいってダンボールに書いてその中に入ってればいいのかしら?

 

駄目ね、へたしたら警察か誘拐よ

 

まずは身分証を作らないと、でもそんなお金ないし

 

孤児院は待遇によって変わるけど、嫌なイメージしかないから却下

 

「はぁ、どうやって暮らしていけばいいのよ………」

 

そうして公園で考えていると、いつの間にか辺りは暗くなっていた

 

「はぁ、まさか転生して全てを失うなんて、考えたことも無かったわ」

 

てっきり、毎日を楽しく幸せに暮らせるとばかり思ってた

 

改めて考えると、ラノベとか二次創作の神様は凄く良い神様なんだとつくづく感じる

 

転生特典に無料でお金と住む場所まで貰えるんだから

 

その現状に軽く絶望しながら、ベンチに横になる

 

クロエの体は大人が、横になればはみ出るであろうベンチに収まる

 

もう、考えても仕方ないわ

 

取り敢えず野宿して、明日考えましょう

 

そう思い体を猫みたいに小さくして目を閉じる

 

寒いけど、寝れなくはないしたぶん大丈夫よね

 

お休みなさい

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「君、起きなさい。君」

 

「んぅ?」

 

体を揺すられる感覚があり、私は目を開きつつ体を起こす

 

目を擦りつつ、前を見ると青い服に帽子の二十代前半っぽい感じの人がいた

 

うん、どう見ても警察よね

 

「何かしら?」

 

「君、どうしてここで寝てたのかな?親は?」

 

うーん、どう答えたものか

 

転生したら女の子になってて一人でした

 

何て言っても信じて貰えないでしょうし

 

逃げようかしら?

 

………ついでに腰についたリボルバーも解析してみようかしら?

 

「いないわ。私、ホームレスだし」

 

「ホームレス?そんなはずないだろ、家出でもしたのかな?」

 

駄目ね、やっぱり信じてくれない

 

その内に、リボルバーは解析できたしもう投影は出来そうね

 

どうせこのまま捕まるでしょうし、逃げた方がいいわね

 

確かFGOではクロエの敏捷ステータスはB

 

サーヴァントの体で逃げるなんて余裕に決まってるわ

 

私はベンチから降りると、全力で駆け出した

 

「おい、こら!待ちなさい!!」

 

さすがクロエの体

 

前世の小学校だったとき異常に走るスピードが

速い

 

ある程度まで走り、そろそろいいかと足を止める

 

「ふぅ、何とか逃げきれたわね。それにしても、ここは何処?」

 

適当に走ってきたし、何よりこの町?の地理も分からない

 

近くには路地裏のような場所の入口、入ってみると座れそうな捨てられた木箱やら色々と転がっていた

 

取り敢えずここならさっきみたいに見付かることはなさそうね

 

そう言えば、二次創作だと投影魔術で外套とか投影出来てたし、やってみようかしら

 

目を閉じてイメージするのは前世で見たFate/stay nightのMMDで見かけたアーチャーの記憶で羽織っていた外套

 

手に確かな感触を感じて目を開くと子供には少し大きすぎる外套があった

 

「出来た………」

 

取り敢えず羽織ってみるとやっぱり大きすぎたのかしたの方の布が地面に擦れてしまっている

 

やっぱり剣以外の投影はエミヤが言ってた通り干将莫邪を投影したときよりつかれた感じがする

 

大人であるエミヤの着ていた外套をイメージしたから大きな外套が投影されたのかな?

 

取り敢えず外套にくるまって木箱に座る

 

はぁ、疲れたし余計お腹が減った

 

前世の父さんに母さん

 

私の転生後の生活は前途多難です

 

 

 

 

 

 

 







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【番外編】アラヤ社クロエ出張サービスin異世界

  • 魔法少女リリカル☆なのは
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  • 戦姫絶唱シンフォギア
  • ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか?
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