C.C.〔クロエ〕side
「まさか、英雄王に勝つとはな」
兄さんの声が聞こえ、聞こえてきた方向を見るとエミヤの他にもマスターやジーク、そして私のオリジナルのクロエ達がいた
「この剣、渡すわけにはいかないから」
私は
〔
すると生命を司る神ノ剣からそのような音声が聞こえると、背中の翼が私を包み込むようにしてから光の粒子のなって消え、頭上の光輪も粒子となり消えた
「なんなの貴方は?私と同じ姿で、さっきの姿はなんなの?」
オリジナルのクロエはもう何が何だか分からないと言った様子で私の方を見つめる
「大丈夫、クロ?」
そんなクロエを心配したのかイリヤがクロエの手を握っている
「C.C.、教えてくれないか。何故君がそこの少女と同じ姿なのか」
「大丈夫だよ、例えクロエがどんな過去を持っててもボクの友達には変わらないよ!」
「私も、知りたい」
ジーク、アストルフォ、オリジナルの美遊がそう言うのを聞き、もう隠すのが無理だとそう思った
「私が神霊の依り代にクロエを選んだ………何て言えたら、どれだけ楽だったでしょうね」
そう言って私は少し笑って話すことにした
「こことは違う世界、ある所に一人の科学者がいた」
きっともう後戻りは出来ないのだろう
私の先程のセラフを、私と言う存在を知られてしまったのだから
「C.C.?」
突然そんな事を言い出したマスターやみんなが不思議そうに私を見つめる
「その科学者はとある架空のキャラクターに心を奪われた」
「とにかく、聞いてみる他は無さそうだ。黙って聞いてみようマスター」
「その科学者は狂っていた。その科学者は様々な人間の少女を拐っては解剖し各部位事に研究し、やがて一人の少女が作られた。
雪のように白い肌、琥珀色の瞳を持った銀髪の少女……『イリヤスフィール・フォン・アインツベルン』と言う架空のキャラクターを模したクローンを」
「………え?」
「イリヤのクローン?」
「そして次に男はもう一人の少女を製作した。架空のキャラクターである『イリヤスフィール・フォン・アインツベルン』の友達キャラであり謎の多き不思議な少女『遡月 美遊』を模したクローン」
「え?………ミユも?」
「やがてもう一人の少女が作られた。なるべく架空のキャラクターである少女に似せるため科学者はあるものを少女の体に入れた」
そう言うとエミヤの眉がピクリと動く、恐らくはあのときに話したことを思い出したのだろう
「あるもの?」
「とある紛争地帯にて入手した
そこで一度言葉をくぎる、オリジナルのイリヤ達が自分達が架空のキャラクターになっていたことがよほど衝撃的だったのか
ずっとぶつぶつと話し合っている
「はずって事は完成しなかったの?」
藤丸立香がそう呟いたのを聞き、私は話を続けることにした
「えぇ、完成はしたが最後の処置が取られておらず未完成のままとなった。クローンを製作していた科学者は抑止力により消され、その時に目覚めた2人の完成したクローン達は科学者の研究所から逃げ出し、研究所には一人のクローンが残された」
「イリヤと美遊のクローンのこと?」
「えぇ。そして一年間放置されていたクローンの少女が何の偶然か目を覚ました。何が何だか分からないそんな混乱した少女の頭のなかにある情報が入ってきた。英霊エミヤと言う存在、投影魔術の使い方に戦闘技術。そしてその世界に存在する悪魔、天使、堕天使による三つの陣営の存在、人や悪魔に宿るとされる神器と呼ばれる力」
「ほぇ~な、なんかクラスの友達が見てた異世界アニメみたい」
「そういえばそんなのあったね」
「天使と悪魔と堕天使の陣営……エミヤは聞いたことある?」
「いや、聞いたことがない。ましてや神器などと言う力も」
「その世界ではそのような種族が入るのか、不思議な場所だな」
「うん。なんかボク行ってみたくなってきたよ」
「そして少女と抑止力であるアラヤとの繋がりがあった。少女は抑止力の指示に従い戦争地帯へと転移させられ大を救うため小を切り捨てる事を強要され、戦い続け一年。少女は生きることを諦めず行き続けていた」
その言葉を聞きエミヤは何処か思い当たる事があるのか右手で額を押さえている
「家もお金も身分証もない少女は路地裏で過ごしていた。毎日鳴り響く腹を押さえ、空腹を眠ることで誤魔化し、雨や雪の寒さに外套一つで耐え眠る。戦場では助けたはずの相手から罵倒され、少女は精神は弱り一つの幻覚を見た。少女は、やがて一つの答え行き着いた『自分は死ぬべき』だと」
急に先程より何処か感情のは言った言い方になってしまう
その事に気付いたのは兄さんのみ
兄さんに説明したときはあまり細かくは伝えていなかったため、酷く驚いている
他のメンバーも何処か悲しそうな表情で私の話を聞いていた
「そんな時、少女に手を差しのべた男がいた。その人物は堕天使の陣営のトップの男性。少女はそんな男性に拾われ1日を過ごした、そんな時、少女のいる町をとある事件が襲い少女はそれを退けるため、アラヤからの指示を受けて戦い向かった。そしてその数日後、三種族が和平のため会談が開かれた。三種族による和平締結の為の会談、でもその場に和平を良く思わないもの達によるテロ集団が現れた。そこで少女は拾ってくれた恩人を守るため戦い、英霊エミヤの固有結界を発動させみんなを守りきったとき、新たに2人の少女が現れた」
「私の固有結界を!?」
「えぇ。その少女はエミヤのDNAにより、宝具は貴方と同じ無限ノ剣製」
そう言って私は話を続ける
「そして現れたのはクローンである少女イリヤスフィールとミユ。少女にこの世界を破壊する事を宣言、それをさせまいと少女はその2人と戦い、同じクローンである2人を殺した。だが、それと同時にその少女も寿命が尽きて死んだ」
「え?なんで、いくらクローンでも寿命が少なすぎるよ!?」
「少女はクローンとしては未完成、少女には寿命に関して完璧な処置がされておらず短命だった。最後に世界を救った少女は死後、とある女神に少女の生き方を評価され、女神の眷族となった」
そう締め括り私は、全員の顔を見る
恐らくはここにいる全員は今の話が誰の話かを理解したのだろう
「みんなも気付いていると思うけど、さっきの話の最後のクローンの少女が私、『クロエ・フォン・アインツベルン』を模して作られたクローン、真名は第二製作体E型257─Ⅱ─K『Chloe von Einzbern』」
「それじゃあ、C.C.がこの子達を避けてたのって」
「えぇ、姿と名前が同じ少女を私は殺している。そんな私とは関わらない方が良い、ましてや仲良く話す権利なんて私には無い。だから私は貴方達を避けていた、これで分かって貰えた?」
そう言うと皆が黙って頷く
「じゃあ、ツーちゃんはこのまま私達と話さないでいたいってこと?」
「つ、ツー!?ぇ、えぇ、そうよ。」
アイリスフィールさんの質問に思わずそう答えた
「イリヤちゃんにクロエちゃんはどう?ツーちゃんと話さないのは?」
そう言うとイリヤスフィールが前に出る
「私は、C.C.ともっとお話ししたい。ずっと一人なんて寂しいよ?私はC.C.の事は受け入れる。だってクロの時もなんかそうだったし、C.C.が例え別世界の私を、似た人を殺していたとしても、
「あんた、さっき言ってたわよね。なら私達だって貴女の言う人とは別人なんだから、貴方が気を遣う必要はないわ。イリヤと同じで私も貴方を受け入れる」
「2人が良いなら私も大丈夫」
オリジナル達はそう言って私へと優しい笑顔を向ける
「って事は………ツーは私の妹な訳よね?ツー、お姉ちゃんって呼んでも良いのよ?」
「あらあら。なら私はママかしら?」
「ちょっ!?クロだけじゃ無くて私もお姉ちゃんって呼んでよ!?」
そんなやり取りを見ていると、何故か心がポカポカと暖かくなるのを感じる
本来なら私という偽物が入ってはならないそんな場所に、私は入ろうとしている
私は、良いのだろうか
偽物の私が、本物の彼女らと仲良くするなんて、本当に良いのかなIllya 、Miyuu
貴方達を殺した私が本物の貴方達と仲良くするなんて、きっと
『もう良いんだよ、クロ。だから』
『私達はもう大丈夫。だから』
『『幸せに、自由に生きて』』
そっと、誰かに背中を押された気がした
私はみんなの方を向く
な、なんか自分の口から言うの、少し恥ずかしい気がするけど
「マスター、兄さん、アストルフォさん、ジークさん、クロエ姉さん、イリヤ姉さん、か…母さん………その、改めてよろしく…お願いします」
そう言っていて私は何だか恥ずかしくなり外套のフードを急いで羽織る
「な、なんで………クロと同じ見た目なのに、なんか変なスイッチが入っちゃいそう……」
「恥ずかしがっちゃったのかしら?うふふ♪」
「どうミユ!私もお姉ちゃんって呼ばれたわ!」
「そう、良かったね?」
「改めてよろしくねC.C.!」
「あぁ、改めてよろしく頼むC.C.」
「良かったな、C.C.」
「ふぅ、一件落着ですね、マスター」
「そうだね、マシュ」
少し恥ずかしくてなりながらも、私は笑った
この何処か暖かくてずっと居たくなる友達や家族がいる場所で。
マイ・ロード、人理修復が終わっても暫くはこっちで暮らしてもいいかな?
天界の森、小さな粒子を体から溢しつつ消えていく2人の少女がいた
「クロの事はもう大丈夫そうだね。ようやく、安心して逝ける」
「うん、次会うのは、また死んでからかな?」
「そうだね、ノアの眷族の件は保留にしちゃったから。それに、もしかしたら転生した先でまた会えるかも知れない」
「そうだったらいいね、イリヤ」
「うん、ミユ」
「「それじゃ、待たね」」
そう言って少女達は天へと昇っていった
さて、遥か先の未来で彼女らがクロエと再び出会う日が来るのか?
それを知る者はまだ誰もいない
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