なんで他の転生者は家があるの？

番外編『Fate stay night（前編）』

クロエside

ノア様に頼まれた依頼を受けた私はとある世界に来ていた

ノア様に頼まれた依頼はたった今終わらせ

私は剣の刺さった死体の前に立ち尽くしていた

「オーダー、完了しました。マイロード」

『ありがとう、クロエちゃん………ついでに少しの間その世界での休みを与えます。やりたいことをやって来なさい、例の封印も一時的に解除することを許します』

ッ！？

『気付いてないとでも思ったの？その世界の転生者はもう排除済み。それに貴方にとっては少しだけ辛い世界だと言うことは理解しているわ』

そう、この世界は型月の『Fate/stay night』の世界

英霊エミヤが生まれ、悲しく絶望の運命に選ばれてしまった人達の戦う場所

だから、私はせめて少しでもあの人達を救いたい

それが今の私の、やりたいことであり

マイロードが許してくれた時間、ノア様の情報では聖杯戦争は終盤まで来ている

なら今からでも行動を起こして救うのは間桐桜、そして姉さん

私の姉の元となる存在で、本当のオリジナル

なら、私の敵はあの男しかいない

桜の中にいる臓硯と蟲は、どうにか出来る

計画通りに行くならば、厄介なのは英雄王ギルガメッシュただ１人

姉さんのバーサーカーや、ライダー、セイバーやアーチャー、ランサーが厄介か

この中で一番分からないのはアーチャー、エミヤの存在だ

同じ力を持つ私に対して攻撃を仕掛けるか、私を監視するのか

ライダーは慎二に付いていると考えて

問題は今がどこまで物語が進行しているのか

取り敢えず、まずは冬木に移動する

何時もの外套を来てから全力で駆ける

路地裏から出て屋根を跳んで渡りながら冬木へと向かう

先ほど冬木への看板が向こうを指していたのでこの方向で良いだろう

私は何時もの外套ではなく、何処にでもいる少女のように見えるよう

黒の猫耳パーカーにチェックのミニスカート、ハイソックスに黒のブーツをはいた服に変わる

「ここが冬木、兄さんや姉さんの育った町………」

そう呟きながら商店街を歩きながら辺りを観察する

今みた限りだと、原作キャラの姿は見えない

『Fate/stay night』じゃなくて『衛宮さんちの今日のご飯』の時空なら良かったのに

そう思いなが近くのパン屋で歩きながら食べられそうな物を購入して食べながら進む

すると住宅街らしき場所に入り込み、そして衛宮と言う表札のある家の前にたどり着いた

少しだけ建物から物音が聞こえるのを見るに、恐らくはまだ動かないのだろう

私はパンを食べ終え、包んでいた紙をポケットに入れつつ

この後のプランを想像する

間桐桜の救済と同時にマキリ臓硯とマキリの虫の駆除

次にギルガメッシュと戦う姉さんを助けて終わりね

近くに誰もいないことを確認してから体を強化して近くの家の屋根に乗り、少し先に見える間桐の屋敷へと走る

恐らくライダーは慎二と共にいるのだと仮定するなら、今の桜はノーマーク

つまりは、チャンスね

目立たないように再び外套を羽織り少しだけ待っていると

間桐桜が歩いて帰ってきていたので気配を消して彼女の後ろを付いていく

そして玄関を通り、桜が自室と思われる部屋に入ったタイミングで部屋の外から中に転移し桜の背後を取る

相手はまだ気配を遮断している私に気付いていない

「っ！？」

そして桜の首を片手で喉を閉めるようにして力を込めて頸動脈を閉める

すると桜さんは直ぐに動かなくなり、腕をだらんと下げ気絶した

私はそっと地面に桜さんを寝かせてから腰に付けたガジェットのような見た目の宝具を起動し

剣の等身に出現させる

そしてジャッチメントを握っていない法の手でもう片方の手を翳しジャッチメントに施された封印の１つを解く

「封印、解放(シール リリース)神威解放」

ジャッチメントは元々は『生命を司る神ノ剣』ではない

現在の刃で刺した対照を回復するものとなっているが

可笑しいとは思わないだろうか

生と死は表裏一体、ならば何故この剣に回復しかないのか

私とマイロード、そしてジャッチメントの中に封印された四人の天使が危険だと判断し封印した本来の姿が存在する

元々のこの剣の名称は

『生と死を司りし神ノ剣《ジャッチメント》』

生命を司る神ノ剣の本来の姿であり、通常のジャッチメントと違う点は刀身が赤く変化していること

能力は対象を斬る又は差した人物にギルティ(有罪)又はイノセント(無罪)を選択する事により発動する。

“ギルティ”の場合は刺した対象を絶対に殺す事が出来る

またその差した対象に存在する何かを伝いその体を創作、又は乗っ取っている人物も殺す事が出来る

“イノセント”の場合は剣で刺した相手が生きているの限りは、例え瀕死や毒等を抱えていたとしても奇跡と言えるような完全治癒を行う事が出きる

そう、これだけでもかなりチートだが更にこの剣に封印されている四人の天使の魂が私に力を貸してくれることにより更に強い力になる

【知恵の天使ケルビム】

私を転生させた神が遊びに転生者を作ろうとしていた事に未来予知で最初に気付き他の天使に伝えようとするが神により殺され魂と能力がこの剣に封印された

【制裁の天使サリエル】

同族である天使が殺されたことに気付き、他の神に伝えようとしたところを神に見付かり殺された

【守護の天使エクシスアイ】

私を転生させた神により殺された二人の天使を見せられ絶望したところを殺され同じように封印された

【正義の天使メリヒム】

私を転生させた神が自身の遊びのため、転生者を生み出していた事に気付いた天使。

神に対して反逆しようとしたが殺され魂と能力がこの剣に封印された。

この四人の力と監視のもと、初めて私は生と死を司りし神ノ剣《ジャッチメント》を使う事が出来る

「生と死を司りし神ノ剣(ジャッチメント)、制裁起動(スタート)」

詠唱を終えた途端に、剣の刃の部分が赤く染まっていく

私はその剣を桜さんのお腹へと突き刺す

そしてその剣から桜さんの体と繋がるマキリの虫、そしてマキリの虫からマキリ臓硯への魔術の繋がりを辿る

「対象“マキリ臓硯”及び“マキリの虫”、“聖杯の欠片”」

『ﾋﾟﾋﾟｯ、対象を捕捉。有罪(ギルティ)or無罪(イノセント)』

「セレクト、ギルティ！」

ジャッチメントに魔力を込めると、ジャッチメントと桜さんの体を通しマキリの虫とマキリ臓硯へとジャッチメントの力が流れていくのを感じた

これで良い、これで奴らは恐らくは死んだ

あとは桜さんの体を直すだけ

「ジャッチメント、対象“間桐 桜”」

『対象を捕捉、有罪(ギルティ)or無罪(イノセント)』

「セレクト、イノセント」

そう詠唱してからジャッチメントを引き抜くとだんだんと桜さんのお腹の刺し傷が元から無かったかのように消えていく

ジャッチメントを元の状態に戻したあと、何時もと同じように腰にセットする

実はジャッチメントって待機携帯は腰にセットする以外にもウルトラマンメビウスやヒカリのように腕輪にして身に付ける事もできる

もちろん腕輪状態で剣を出すことも

私は桜さんが倒れている近くに１つの手紙を残して、即座にその場から離れた

間桐桜が目を覚ましたのは、空が赤くなる時間帯であった

「私は………っ！？」

桜は体に違和感を覚えつつ立ち上がり自信を襲撃したと思われる人がいないか周囲を見回す

ふと、倒れていた場所の近くに手紙のような物が落ちていた

恐る恐る手紙らしき封筒を手に取り、中の手紙の文面に目を通す

『間桐 桜さんへ。

　初めまして、貴方の家に潜入し貴方を気絶させると言う事、そして恐怖を与えてしまったであろう事を謝罪いたします。

貴方を通し蟲とゾウケンを殺すためとはいえ、本当にごめんなさい。』

その文を呼んだ桜は自信の体にあった違和感の１つであるその事に驚き、急いで他の部屋を確認すると至るところに大量のマキリの虫が死んでいるのが見え、更に目を見開いて驚愕した

そして再び先程の手紙の続きに目を通す

『そしてもう１つお知らせすることがあります。貴方の体を通しゾウケンを殺す際に貴方のお腹に剣を刺し、そして殺し終えた後に貴方の体を直させていただきました。きっとお腹の傷は綺麗さっぱりとなくなっているかと思います』

即座に桜は自分の服をめくり自身の腹を見るが切り傷ひとつなく触っても痛くなかった

とてもだが、剣を刺されたとは思えない

『治療時なのですが、その……書きづらいのですが貴方の■■■も治っているかと思います。

一応、私は女性ですのでそこら辺は安心してください』

その文面を見た瞬間に顔を赤くする桜はその続きを読む

『どうか、今度こそ貴方の好きな方に捧げてください。

私は貴女が無事にその好きな方と添い遂げられるよう祈っています。

訳あって私はあなた方の前に姿を表すことはしません

桜さん、どうか兄さんと姉さんを

士郎とイリヤをよろしくお願いいたします

　　　　　　　　　鮮血の妖精クロ。』

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