鉛色の空、ザーザーと降る雨が
建物を、人を濡らしていく
そんな雨の中、1人の男が肩で息をしながらも走り
建物と建物の間に入っていく
薄暗く、目を凝らせば見えると言った路地裏には人1人が座れるぐらいの木箱と捨てられたガラクタが散乱している
そこには左肩から剣が生やし
光の無くなった琥珀色の瞳に褐色の肌、色が抜けだ銀髪の少女
そして金髪で所々から黒髪が見えるいい年の男性が向き合っていた
金髪の男性は肩で息をしており、
男性の顔は悲壮と驚愕が浮かび、逆に少女の顔はまるで無だった
雨に濡れ、冷めた体に震えることも無く
雨粒が目に落ちる事ですら瞬き1つすらしない
「なにしてんだよ、クロエ!!」
少女の瞳にはもはや光と言えるモノは存在しない
いや、無くなったと言う方が正しいのだろうか
「私はやっぱり、生きてちゃダメなんだ」
少女が静かな、まるで感情を感じさせない声で口を開く
「なんでそんなことを言んだよ!お前は生きてて良いんだよ!居場所だって、俺の所があるだろうが!」
男性がその少女の発言に対して口を開く、だが
「きっと、私のせいでお父さんは天使と悪魔を敵に回すことになる。全てを救えなかった私に対しての憎悪と悪意が残る彼らの手がお父さんへと向いてしまう、そんなの嫌だから。それに、私はもう……疲れちゃったんだ」
少女はナイフを持った右手をゆっくりと持ち上げ、ナイフの刃を自信の首へと向けた
「お、おい………何をして」
その光景を、見たことがあった男性の脳に少女と出会った日の出来事が甦る
1人の少女が自らの命を絶とうとしたのを止めた
「この世界にとっては結果が全て、そこまでは至る途中にどんな思いがあったとしても、どんな事が起こったとしても、彼らは私の結果だけで私を見る。さようなら、お父さん、私はセイギノミカタにも、1人の人間にも成れませんでした。たくさんの人を殺した私が救われちゃいけない」
そう言って先程とは違い、まるで長年の夢が叶った年頃の少女のような、触れれば壊れてしまうような笑顔を、涙を流したがら男性へと向けた
男性は急いで少女の元にてを伸ばす
「貴方の娘になれて、幸せでした」
次の瞬間、少女は自信の首をナイフで掻ききった
鮮血が舞い、少女が地面へと倒れ伏す
首からはドクドクと血が流れ、周囲を真っ赤に染め上げていく
皮肉にもそれは、少女に付けられた異名のよう
男性は両膝を付いて地面に座り込む
少女の体は以前のように光ることはなく、ただ血を流してそこに倒れていた
その事が、男性には分かってしまったのだ
彼女は死んだのだと
男性はその場で拳を握りしめていた
少女の苦しみ、悲しみ
一体どれだけの物を一人で背負っていたのだろうか
年端もいかない少女一人に、世界の憎悪と悪意は重すぎる
男性はそっと、人であった少女の頬に触れる
暖かみのある男性
冷たくなった少女
男性は涙を流しながら少女の冷たくなった体を抱き締めた
「俺は、こんな風にお前の笑顔を見たくなかった……生きてるときに見たかった……なぁ、クロエ」
そう言って抱き締める少女の顔は、まるで全てから解放されたような笑顔だった
だからこそ、男性は自身の弱さ
世界の理不尽さを嘆いた
だからこそ、少女の存在
行っている行為の知らせは男性にとって
当たり前に感じたのかもしれない
ご愛読ありがとうございます
遅れてしまいましたがこの度、「ちいさな魔女」さんと「リューオ」さんの作品とコラボさせて頂きました!
そのコラボ話のあるちいさな魔女さんの作品
『東方怪獣娘ー怪獣を宿す幻想少女達ー』の
リンクはこちらです!↓↓↓
https://syosetu.org/novel/248657/
同じくリューオさんの作品「小説家とドラゴン」のリンクは此方です↓↓↓
https://syosetu.org/novel/258548/
是非、読んでみてくださいね
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クロエの熾天使verⅣのイラスト、作ったら?
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