なんで他の転生者は家があるの?   作:クレナイハルハ

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帰らせて貰えませんでした、ここ何処?

 

 

 

黒歌side

 

 

あの日、私は猫の姿で追手から逃げていた

 

まさか猫になっているのをバレるとは思ってなかったにゃあ

 

頭の片隅でそんなことを考えながら必死で走る

 

やはり猫の姿だと、悪魔から逃れるのは難しい

 

私が数歩かけて移動するのを、奴らは一歩で移動できてしまう

 

そして追っては私の直ぐ後ろまで迫っていた

 

捕まる、そう思ったときだった

 

突如として体が浮く、見ると褐色で銀髪の少し痩せこけた少女が私を抱き上げていた

 

そしてそのまま跳躍し、木々を跳び渡って行きながら私を肩に乗せる

 

にゃ!?にゃにゃにゃん!?(へ!?あんた誰にゃん!?)

 

私がこの子の肩に捕まって思わずそう言ったが、今の私は猫のため

 

言葉にはならなかった

 

「黙ってなさい黒猫、死ぬ気で捕まってないと落ちるわよ!!」

 

すると、少女は私に向けてそう言うので私は振り落とされないように必死で捕まっていると

 

目を疑うような事が起こった

 

私の捕まっている子が木々へと跳んだ瞬間に、背後へ向き直る

 

そしてどこからか、取り出した洋弓にまたもや何処からか取り出した剣を三つ纏めてつがえたのだ

 

剣?矢じゃなくて!?

 

そもそもこの子の何処に片手剣を三つ片手で持てるような力が?

 

「当たりなさい!」

 

そう言って少女が弓をいると

 

恐らくは私を探しているであろう追手がこちらへと走ってきていた

 

そして少女のいった剣はまるで吸い込まれるかのように奴ら三体の頭を貫いた

 

なっ!?

 

少女はまるで何度も行った事があるかのような、洗練された動きで奴らを殺した

 

そしてそのまま流れるかのように着地し私を下ろした

 

「はい、もう終わったわよ」

 

にゃ、にゃん(あ、ありがとにゃん)

 

何はともあれ、この子のお陰で助かったし

 

いつか白音と再会すると言う目的に走れそうにゃ

 

そう思っていると、少女の体から金色の粒子のような物がこぼれ始めた

 

にゃにゃにゃにゃん!?(体からなんで光が!?)

 

そしてその粒子がこぼれるに連れて少女の体が薄く半透明な物になっていく

 

ニャッ!?にゃ、にゃにゃにゃん!?(えっ!?あんた、体が!?)

 

そう言えばさっきからこの子、私がこれだけ騒いでるのになんで気づかないの?

 

改めて見ると、この子

 

ボロボロのワンピースに体が酷いぐらいに痩せてる

 

こんなんであんな戦闘をしたら体が…!?

 

もしかして、さっき私を助けた時に何かしらの力を全力で使ってしまったから

 

もう体が…………

 

 

 

 

───ぎゅるるるるぅぅう───

 

 

 

その時だ、少女のお腹から音がなるが少女は目を瞑って動かない

 

まるで、今の少女は死期を悟ったかのような感じだった

 

そして

 

「…………お休み」

 

少女がそう呟いた瞬間、目の前にいたはずの少女は光の粒子となり消えていった

 

あの子って一体なんなんにゃ………

 

確かに目の前いた筈の女の子の存在が消えていたけど、幻を見た何ては思えなかった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

クロエside

 

 

「知らない天井だ………本当にこの台詞使うことがあるんだ」

 

目が覚めると、いつもの路地裏ではなく

 

和室らしき場所の布団に眠っていた

 

「…………?」

 

落ち着いて、ステイ・クールよ

 

常に優雅たれ、私

 

私は確か、アラヤに呼ばれて黒猫を追っていた追手を奴らを殺して

 

それで疲れて眠って、起きたら知らない天井

 

知らない和室、知らない布団に眠っていた

 

というか、改めて考えると

 

私は人を殺したのに、あまり心が動かない

 

前世の僕だったら発狂するか、鬱になるか

 

血液恐怖症とかになってそうだ

 

「一体どういう事なの?」

 

知らない布団に横になったままそう考える

 

布団柔らかい、そうだ

 

この布団を解析して、何時でも投影出来るようにしよう!

 

そうと決まれば私は直ぐに敷き布団と掛け布団を解析した

 

これもし家に住めるように成ったら何時でもこのふかふかを味わえる

 

それにしてもここは何処なのだろうか?

 

もしかして、この場所はアラヤが頑張った私への報酬として……………

 

そう考えたとき部屋の戸が開き、女の子と恐らくはその母親らしき人物が部屋に入ってきた

 

「あら?起きましたか?」

 

「は、はい…………あの、どうして私はここに?」

 

そう言いながら体を起こすと、私は何時も着ているボロボロのワンピースではなく簡素な和服を着ていた

 

「あれ?服が………」

 

「貴方が着ていた服なら洗濯しているから、今はそれを着ていて下さい」

 

「え!?な、何もそこまで。そもそもどうして私はここに?」

 

「えぇっと、貴方がうちの神社の境内に倒れていたのを見付けて、心配だったから連れてきたのよ」

 

へ?神社の境内!?路地裏じゃなくて!?

 

ちょっとアラヤ!

 

どうなってんの!?

 

タダ働きの次は拉致ですか!?

 

辞めようかしらこの会社、無理ですね

 

分かります(分かりたくない)

 

「そ、そうだったんですか………」

 

少し混乱しているせいか、あまり言葉が続かない

 

「ねぇ、貴方のお名前は?私は姫島 朱乃(ひめじま あけの)よ!」

 

「私は姫島 朱璃(ひめじま しゅり)よ」

 

姫島?どっかで聞いたことあるような………たぶん前世のご近所さんの名字だっけ?

 

「私の名前はクロエ・フォン・アインツベルン」

 

「そっかクロエちゃんね。クロエちゃんはどうしてうちの神社に寝てたのかな?」

 

「どうして姫島さんの神社にいたのかは、分かりません」

 

「そ、そぅ……………」

 

すると、朱璃さんは苦虫を噛み潰したような表情を浮かべる

 

これに関してはマジで私も分からないんですすいません

 

正直言って罪悪感が!罪悪感がぁ!

 

黒猫を助けたんだから帰れると思ってたのに帰れてないし

 

「じゃあ、お家は?神社の近く?」

 

「……そんなのないわ」

 

そう言って慌てて自分の口を押さえるが遅かった

 

私の家なし宣言に朱璃さんは顔をしかめ

 

娘の朱乃さんに至っては目に涙が溜まってしまっていた

 

ど、どうしようこの状況

 

正直言います、罪悪感が!罪悪感がぁ!

 

ちょっと待て、この状況でこの方々のお父さん的な人が来たりしたら

 

最悪、私死なない?大丈夫?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

朱璃side

 

 

「……そんなのないわ」

 

目の前にいる女の子

 

色の抜けた銀髪、褐色の肌で赤い目をした少女

 

クロエちゃんから出たその言葉に私は思わず顔をしかめてしまった

 

この子は朱乃と変わらないくらいの年齢のはず

 

なのに家もなく、記憶喪失

 

更に言えば、体は痩せこけていた

 

恐らくは、親から虐待か何かしらをされていて

 

食事もあまり食べることが出来ず

 

逃げ出して来たのでは無いだろうか?

 

そんな彼女にかける言葉が見つからず

 

取り敢えずお風呂に入れたは良いものの

 

これからどう接すればいいのか

 

朱乃は先程から心配そうにクロエちゃんの向かったお風呂の入り口を眺めている

 

もし出来たら、彼女も私が

 

「ねぇ、朱乃」

 

「?」

 

「もし、クロエちゃんと家族になれるとしたら……どうかしら?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

クロエside

 

 

「はぁ~~~」

 

そう息を吐きながら久しぶりに暖かいお湯の中に体を沈める

 

私は今、朱璃さんのご厚意でお風呂にいれて貰ったのだ

 

あのあと、どうにか落ち着いたのか

 

かける言葉が見つからなかったのか分からないが『取り敢えず、よかったらお風呂に入る?』

 

そのご厚意に私は申し訳ないが甘えてしまったのだ

 

流石に慣れたが、やっぱり体を洗うなら暖かいお湯に浸かりたいのだ

 

そんな感じでお風呂に入っているのだが

 

正直言って、私もまだこの状況を理解していない

 

一体アラヤは何を思って私をここに飛ばしたのかしら?

 

そう考えつつ、ふと窓から見える月を眺めた

 

やっぱりお風呂って暖かいなぉ

 

 

 

 






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【番外編】アラヤ社クロエ出張サービスin異世界

  • 魔法少女リリカル☆なのは
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