24歳、男性。Vtuberを始めるも、女性ファンより男性ファンが多い件について。   作:Rabbit Queen

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 あらすじ

 登録者数5000人突破記念配信を始める
 総視聴者数は1万人を超え、コメントも大いに盛り上がった。
 最後に披露した歌は、別の意味で話題になった。

 配信には、サキさん、ユイさん、はやて丸さん、アカネちゃん、そしておっさんが来てくれた。とても、とても嬉しかった。ありがとう。これからも、頑張るよ。


― Vtuberの、苦難。 ―
記念枠後の反省会


 5000人突破記念の配信は、無事終了した。

 

 初めて配信をした日からいろいろな事があったもんだ。

 軽く炎上もしたし、放送事故も何度か起きた。

 何時でも辞める事はできたし、その覚悟もあった。

 けど、なんだかんだここまでやってこれた。

 きっとそれは、サキさんや、はやて丸さん、アカネちゃんたちとの出会いがあったからだと思ってる。そしておっさんや、ユイさんの助けも。これから先もいろいろな事が起きるんだろうか。それとも、呆気なくこのVtuber生活も終わってしまうのだろうか。今の私にはわからない。

 

 何故なら――

 

 「ふははははははは!!なーにがセーフルームじゃい!!

  このままゾンビ共を蹴散らしてくれるわ!!

 「ほっほっほ、ぬるい、ぬるいのぉ……!!

 「雹夜さん!龍さん!早くセーフルームに入ってください!!

 「雹くんが楽しそうでよかったわ。……私も戦おうかしら

 「ちょっと、サキさんまで!?もうっ!!

 

 ――そんなつまらんこと考えてるほど、暇じゃないから。

 

 配信終了後、残ったお酒をちまちま呑みつつSNSの返信を返していた時の事。

 LINEがピコンピコンと鳴り、スマホの上の通知バーにLINEのアイコンが生まれた。

 相手は勿論おっさん。他の皆はディスコードしか知らない。

 さてさて、なんじゃらほい。

 

 

おっさん

 

 やぁやぁ、お疲れさん。

 

 どうだった?

 

 既読 おつかれー。めっちゃ楽しかった。 

 

 そうかそうか。それならよかった。

 

 ところで、どうだい?この後通話しながら少し飲まんか?

 

 ユイちゃんもおるぞ~。

 

 既読 おけー。少し待ってケロ 

 

+                                           
 

 

 

 通話の準備をして~おっさんのディスコードを探して~……おろ?

 

 

 

サキさん

 

 雹くん、お疲れ様。

 

 既読 お疲れさまですー。 

 

 配信、とても良かったわ。

 

 既読 ありがとうございます。がんばりました、ぶい 

 

 ふふ、ねぇ、もしよかったらこの後少し話せないかしら?

 

 既読 あー…… 

 

 もしかして、都合悪かったかしら……?

 

 既読 んー……ちょっと待ってくださいね 

   

+                                           
 

 

 

 

 さてどうしよう。

 おっさんからのお誘い、そしてサキさんからのお誘い。

 私が取るべき行動は勿論……どっち?

 えぇー……どっちが正解なのん?

 どっちもお世話になってるから片方だけ断るのもなんかなぁ

 じゃあ、おっさんもサキさんも呼んで一緒に飲む?

 それでも構わないし、むしろそれが正解なんだろうけど……困った。

 

 実のところ、おっさんにサキさんの事話してないんだよねぇ。

 本当は友達になってましたとか、実は通話してたりしてますとか、何も言ってない。

 サキさんとの関係はちょっと複雑だったし、あの話は、彼女の過去は簡単に話しちゃいけない気がしたから。おっさんなら多分気持ちはわかるだろうし、簡単に他人に話さないこともわかってる。けれど、私が手を伸ばしたから。私が、俺が彼女の手を取ると決めた。

 それを、おっさんにまで背負わせるわけにはいかんでしょ。

 

 だから話さなかったけど……まぁ今なら。

 サキさんと友達になってましたくらいは、話してもいいかな。

 とりあえずサキさんに確認とって、ダメなら…………マジでどうしよう。

 

 

 「うーい。お疲れ様ー」

 「おぉ、来たか。お疲れさん」

 「お疲れ様です、雹夜さん」

 「ユイさんもお疲れ様です。いやぁ、今日は楽しかった」

 「ふっふっふ。そうかそうか、楽しんでくれたなら俺も嬉しいよ」

 「かなりテンション高かったですね、雹夜さん」

 「楽しかったからね。あ、スパチャありがとね」

 「……いえ、別にあれくらい、いいですよ。龍さんに比べれば少ないですし」

 「俺は元々あの金額出そうと思ってたからのぅ。

  ただ、思っていた以上に他の人もスパチャしててびっくりしたな」

 「そうですね。私も、雹夜さんがあんなに人気だとは思っていませんでした」

 「ぶっちゃけめちゃくちゃ震えてる。手がもうガッタガタよ」

 「だ、大丈夫かの?」

 「だだだだだ大丈夫でちちちちち

 「大丈夫そうですね」

 「うむ」

 「ツッコんでもいいのよ。あと本当にめっちゃ震えた」

 「まぁ、あれだけスパチャ来たらそうじゃろうのぅ」

 「多分、私も同じ状況ならびっくりしてたと思います」

 「でしょ?」

 「とりあえず、収益化おめでとうさん。よく頑張ったのぅ」

 「おめでとうございます。今後も、その……頑張ってください」

 「ありがとうー。がんばるぞい。……それでね、お二人さん」

 「ん?」

 「はい?」

 

 「ちょこーっと、紹介したい人がいるんだけど、いいかな?」

 

 

 「……初めまして、こんばんは。Vtuberのサキです

 「ということで、サキさんです」

 「……は?

 「……え?

 「実は友達になってました」

 「その、雹……夜くんとは、お友達になりました」

 「とも……だち……?

 「ちょっと意味が……

 「いろいろあって炎上事件から友達になって今日まで仲良し」

 「……照れるわ」

 「……すまん、ちょっと理解が追いつかんから一度離れる」

 「私もです……一回水飲んできます」

 「まぁこうなるよね。知ってた」

 「えと……私、来てよかったのかしら……?」

 「大丈夫大丈夫。少なくともおっさんはなんだかんだ理解してくれる」

 「そ、そう……?」

 

 

 「戻りました。水も飲んできました」

 「俺もちょっと夜風に当たってきた。……さて、どういう事かの?」

 「炎上事件からいろいろあって仲良くなった」

 「……その、【いろいろ】は話せないのか?」

 「ごめん」

 「どうしても?」

 「ごめん」

 「……ふーむ」

 「おっさん」

 「ん?」

 「信じてくれ

 「……うむ。わかった

 「え、ちょっと龍さん?それでいいんですか?」

 「この子がこう言ってるからのぅ。これ以上は何も聞かんし、信じるよ」

 「そんな簡単に……」

 「それにまぁ、炎上したとは言え、彼女のおかげでこの子が注目されたのもあるからのぅ」

 「それは、そうですけど……」

 「……あの件に関しては、本当にすみませんでした。

  謝っても許されない事なのは理解しています。

  納得出来ないのも理解しています。なので、もしよければ私の話を」

 「いや、言わなくていいですよ、サキさん」

 「でも……」

 「さっきも言いましたが、俺はこの子を信じます。

  きっと貴方にとっても話したくない事なのでしょう。

  なら、聞きません。この子と友達、それだけで俺は十分ですよ」

 「私は正直気になりますけど……龍さんがそう言うなら、私も聞きません」

 「……ごめんなさい」

 「いやいや。気にしないでください。

  ……とりあえず、キミとサキさんは友達、それでいいんじゃの?」

 「うん。それでお願い。ごめんね、それと、ありがと」

 「ういうい。んじゃ改めて、えーと……おっさんと呼ばれてます。宜しくお願いします」

 「ユイです。一応、雹夜さんのイラストを描いてます。宜しくお願いします」

 「サキです。宜しくお願いします。……貴方が、絵師さんだったのね」

 「ええ、まぁ。……何か?」

 「いえ……何でもないの。ごめんなさいね」

 「?」

 「全員揃ったし、かんぱいしよー」

 「そうじゃのぅ。サキさんは、飲み物はあります?」

 「大丈夫です。用意してます」

 「了解です。それじゃ……キミから何か一言」

 「え、俺?」

 「そりゃキミのお祝いじゃからのぅ」

 「そうですよ」

 「雹夜くん、なんでもいいのよ」

 「んー……おつかれ!かんぱーい!

 「もう少し何かあってもいいんじゃがのぅ……乾杯!」

 「考えるのやめましたよね。……乾杯」

 「ふふ、雹夜くんらしいわ。……乾杯♪」

 

 それからしばらくおっさんとサキさんとユイさんと飲んでたんだけど、おっさんが仲を深めようと言ったのでゲームをすることにしたよ。でもユイさんもサキさんも持ってるゲーム少ないからどうしようか悩んだ。悩んだ結果、丁度前にやったゾンビゲームがセール来てたので私とおっさんでそれぞれ買ってギフトで贈ることにした。私はサキさんに、おっさんはユイさんに贈った。それからインストールの仕方やら設定やら教えて、四人でゲームを始めたのである。

 

 最初はイージーで教えながら普通にやってたけど、段々二人共慣れてきたので調子乗って途中からおっさんとおふざけプレイをしてた。勿論ユイさんとサキさんには迷惑をかけない程度に。

 「おせぇなぁ……そんなんじゃ、100年遅いっつってんだよぉぉぉ!!

 「ふはははは!強靭!無敵!!最強!!!

 「男性陣のテンションについていけない……サキさん、大丈夫ですか?」

 「ええ。とても楽しいわ。雹くんがあんなにテンション高いの、初めて見るかも」

 「ふはははは!……雹、くん?

 「……サキさん、今、雹くんって……

 「え?……あっ……あ、あのね、違うの」

 「……ほほぅ?つまり、お二人はそういう……ほほぅ!!」

 「違うの龍さん!これはその、癖というか、ね……?」

 「普段から雹くん呼びなんですか?サキさん」

 「ユイさんまで……その、そっちのほうが呼びやすいならそれでいいよって、雹くんが」

 「ほほぅ……!!」

 「……雹夜さんも、ちゃっかりしてますね」

 「友達、そう、友達ってそういうものじゃないかしら!?」

 「ちなみにあの子はサキさんの事なんて言ってます?」

 「え?えーと……サキさん、ですけど……」

 「あちゃー……呼び捨てじゃないんかい」

 「まぁ、雹夜さんならそんなものかと」

 「……なんだか、恥ずかしいわ……」

 「立てよ三下ぁぁぁぁぁ!!ふははははははは!!

  ……あ、やばい、死にそう。ごめん、ちょっと助けて。あ……ばぶー

 

 

 その後ノリでハードモードやったらもうやばかった。

 「ちょ、おっさん!!てめぇ!!」

 「すまん!!俺の代わりに死んでくれぇぇぇぇ!!」

 「ふざけんなぁぁぁ!!おっさん、お前も一緒じゃい!!」

 「ば、やめ、やめんか!!やめろぉぉぉぉ!!いやだぁぁぁぁ死にたくなぁぁぁぁい!!」

 「恐れることはない……一緒に死のう」

 「囁くのやめぃ!!くそ……くそぉぉぉぉぉぉ!!」

 「ふははははははは!!おっさんはそこで倒れてろ!!俺は逃げるんだよぉぉぉぉぉ!!

  ……って、ちょ、ここでタンクはまず……あぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

 「かかったなぁ、アホめ!!貴様も一緒に死ぬのだ!!」

 「バカな……ちぐしょうぉぉぉぉぉぉ!!

  あの太陽が最後に見るものだなんていやだぁぁぁぁぁぁ……あーあ……あぁぁ」

 「ふふふふふ…………はぁ、疲れた」

 「あー……そろそろ終わるか」

 「うむ」

 「さっきまで騒いでいたと思えば、急に冷静になるからこの2人怖いんですよね」

 「……確かに、ちょっと怖いわね……」

 ちなみにサキさんとユイさんは真っ先に死んでました。

 その後は少しだけ雑談して、深夜1時前に解散した。

 サキさんを紹介するのはやっぱり少し不安だったけど、二人共受け入れてくれてよかった。

 また四人で遊ぶ約束もしたし、今後はもっと楽しくなりそうだ。

 ……さて、今日はもう寝るか。明日から、またがんばろう。

 

 

 

 

 

サキさん

 

 既読 今日はありがとうございました、サキさん。 

 

 こちらこそ、ユイさんと話せてとても楽しかったわ。ありがとう。

 

 既読 また今度、一緒に遊びましょう。 

 

 ええ。楽しみにしてます。

 

 既読 ……あの、サキさん。 

 

 はい?

 

 既読 ごめんなさい、なんでもないです。 

 

 既読 おやすみなさい。 

 

 ええ、おやすみなさい。

 

+雹夜さんの事どう思ってますか                            
 

 

 

 

 

 

 




 第二章の始まりである。
 
 沢山のアンケートありがとうございました。
 略称は「ぶいはじ!!」でやらせていただきます。
 今後も宜しくおねがいします。

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