健康で文化的な最低限度の生活   作:佐賀のためのサーガ

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ボトバイさんは原作でトリプルハンターとなっていましたが、一応この時期は20年以上前なので、まだ流石にトリプルではないかなー?と思い、シングルハンターとしています。


2話

「ふむ…」

あの後、地下からボトバイさんと出た俺は、とりあえず事の経緯を話した。

 

「あの…。自分でも荒唐無稽とは思ってます。でも!嘘じゃないんです!」

 

逆の立場だったら信じられないのような話をしていると自分でも思うが、事実なのだから仕方ない。とにかく必死に嘘をついていないことを訴えた。

 

「うむ、そこまで不安な顔をせずとも良い。お主が心配してるほどワシも疑っておらぬ。この世界には『念』、ああお主はまだ詳しく知らんのじゃったか。まあ不思議なことに溢れておる。『絶対にありえないがありえない』世界じゃからの」

 

おお、この人は怖い顔だがきっと天使かなにかだ。俺はそう思った。と同時に、恐怖の連続から解放され、ようやく少し休めることが出来ると体が判断したのか、少し疲れが出てきた。

 

「おう?ああ、無理もない。今日は疲れたじゃろう。今は休むといい。ワシが連れて行ってやるでな」

ボトバイさんの声を聞きながら、意識を手放したのだった。

 

 

 

 

「うぁぁ……、ここは?」

知らない天井だ。声に出して言う勇気はないが、ちょっと憧れてたので心の中で言ってみる。辺りを見渡してみると、家具は少ないが清潔感のある部屋だ。

(そうだ、ボトバイさんと出会って、そこから疲れて意識失っちゃったんだ)

少し思い出しながらボーッとしていると、ガチャっとドアが開き、1人女性が入ってきた。

 

「あら、目を覚まされたのですね。ボトバイさんをお呼びしてきます。なにかお困りはありませんか?」

こちらに声をかけてくれる。

「あっ、ありがとうございます。大丈夫です、よろしくお願いします」

社会に出て3年、これぐらいの挨拶はしなければ。変なことを考えていると、

「おお、目を覚ましたか」

ボトバイさんが入ってきた。

「はい、おかげさまで少し休めました。本当にありがとうございます」

命の恩人に頭を下げる。

「気にせずとも良い、ああ、ちなみにここは『ハンター協会』だ。この部屋はすぐに追い出されることは無いから、宿の心配などをすぐにはせんでいいぞ。それと、お主とこの世界の常識に齟齬があるかもしれん。じゃが全て教えてやるには時間が足らんし、ワシとしても何が違うかわからん。とりあえず質問には答えるから、なんでも聞いてくるといい」

 

俺は優しいボトバイさんの言葉に甘えて、色々な質問をした。結果として、ほぼ常識の変化はなかったが、今は1976年であること、世界の中でのハンターという職業の位置づけ、そして俺の体を覆っている『念』という力が存在することがわかった。

「ボトバイさん、ありがとうございます。ある程度のことはわかりました。」

「うむ、それは良かったな。そして、もうひとつ伝えねばならんことがある」

ボトバイさんは少し真剣な顔を作り言った。

「お主は『念』に目覚めた。しかし、これを何もせずに放っておくのは何も知らぬ赤子に凶器を持たせるのと同じ。このまま放置しておくのはワシ個人としても、テロリストハンターとしてもしたくはない。そこでだ。お主に最低限の制御の仕方を教えてやる。もちろんお主の意思は尊重するが、このまま放り出す訳にはいかん。どうする?」

俺は感動した。見ず知らずの俺にここまで親身になってくれるとは。

「ありがとうございます。ボトバイさんに不満など全くありません。しかし、ボトバイさんもハンターということで、お忙しいでしょうし、ご迷惑なのでは…?」

「うむ、その事なら心配せんでいい。ワシもシングルハンターとしてそこそこ精力的に活動しておったし、たまには弟子をとるのも悪くは無いわい」

こうして俺は、ボトバイさんの厚意によりボトバイさんの弟子となった。

「ああそうじゃ。慌ただしかったせいでお主の名前を聞けておらんの。なんというのじゃ?」

「それはすいませんでした。万田 能弘と言います。これからよろしくお願いします、師匠」

「ハッハッハ、もう師匠呼びとは、やる気は十分のようじゃの。マンダ=ヨシヒロか。こちらで言うならヨシヒロ=マンダかの?いい名前じゃ。頼むぞ、ヨシヒロ」

 

こうして俺は、平和な生活をするため、平和とは程遠い修行に身を置くことになるのだった。

 

 




2話にしてようやく主人公の名前が判明しました。名前変わってんなと思われた方も多いかもしれませんが、これは主人公の能力に関係させようかなと。センスの無さは許してください。
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