初めて出会ったのは、なんてことのないテロ組織(そう呼べるかも怪しい集団だったが)の拠点を制圧しに行った時だ。念能力者はリーダー格の男1人だけであったし、その男もワシから見ればお粗末な練度の『念』でしかなかった。早々に片付け、帰ろうとしたがワシの『円』が地下を認識し、そこに1人念能力者がいることもわかったため、1度向かうことにした。そこに居たのは先程の男より少し未熟な『纏』をまとったまだ少年と言える年頃の男だった。
話を聞いてみたところ、あの集団のメンバーではなかったようで、更に特殊な事情を抱えているようだった。本人は信じてもらえるか心配であったようだが、仮にもシングルハンターだ。他人の嘘ぐらいある程度見抜ける。その結果、ワシは本当のことを言っていると判断した。恐らく移動系の念能力によるものだろう。世界を超えるものなど聞いたことはないが。
気が緩んだのか気を失ったため、そのままハンター協会まで運び、部屋をひとつ手配しそこに寝かせてやった。そこそこ経つと彼が起きたと職員が伝えてくれたため、部屋を見ると最初にお礼を言ってきた。その後この世界に来たばかりの彼にいくつかこの世界のことを教えてやった。話をしていても、恐らくそれほど悪い人間でないということを確認できたため、本人が無意識で使っている『念』の制御をワシが師事することにした。
1ヶ月ほど単純なトレーニングをさせたが、毎日真面目にこなしていたようだ。一般人と変わらなかった身体能力が少し上がっていた。これならば『念』の修行に入っても問題ないだろう。本人はあまりの成果に体質が変わったのかと不安がっていたが、無意識に『念』に目覚めたことも踏まえるとそれほどおかしなことではない。前の世界ではそんなことなかったらしいが。25歳であったことには内心驚いたものだ。せいぜい15、16にしか見えんかった。ヨシヒロに聞くと若返ったらしい。
ヨシヒロが『纏』、『絶』を及第点をやれるくらいまでには修めた。本人にはあまり言っていないが、これは正直異例の速さだ。成り行きから持った弟子であったが、資質を持っていたことを嬉しく思うしヨシヒロも驕らず毎日修行を続けている。
水見式を行うことにしたが、なかなか驚きの結果となった。ヨシヒロは特質系だった。これ自体は少し珍しい程度で済むのだが、更に既に自分の能力を持っていた。本人の意思とは関係なくできた能力は、本能の願望や置かれた環境によって必要だったものと色々理由はあれど、強力なものが多い。その後組手を希望してきたため、気分転換をしたいのかと付き合ったが、同じ練度の強化系と同程度だった。これは系統図からすると有り得ない。特質系は強化系を特質系に比べ、40%しか修められないのは常識だからだ。能力によるものらしいが、面白い能力だ。
能力がわかってからも熱心にその能力を検証しているようだ。自分の意思でつくったものではないため制約などがわかっておらず、本人も困っていたが少しずつわかってきたようだ。研鑽を続けているようだし、少し仕事を減らしたことでテロリストが動きを活発にしているようだ。2週間ほど仕事をし修行の方は1人でさせる。ヨシヒロはこれで終わりだと勘違いしていたようだったが、ワシ自身今の関係を少し楽しんでいる。最後まで面倒は見るつもりだ。ワシに対して驚くほどの修行の成果を見せてやると啖呵もきれるようになっておったし、楽しみだ。
ボトバイさんは選挙編でもチードルと仲がいいようでしたし、ハンターの中では善かなと思います。テロリストハンターと言うくらいですし。トリプルハンターは人間性も加味されるでしょう。