虹ヶ咲マスターズプロジェクト!   作:ヨザミン

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過去編セツナです。書いてて凄い涙が出てきていました

読み入っちゃいましたよ。


セツナメインかと思いますが、耀姫も関係するので


お互いに何を見つけ、何を求めるのか


過去編 君と描く景色

【セツナside】

 

 

これは私が忌み子であり、茶熊学園に入って数ヶ月経った頃の話

 

 

私は数ヶ月で皆と話せるようになった。それでも…悪く言う人はいた

 

 

友達もたくさんいたけど…クラスメイト以外からは笑われていた

 

 

『忌み子』そう呼ばれていた。望まれて生まれたわけでもない。

 

それをいいことにいじめなどあり、嫌われ者だった。別に友達が

 

欲しいわけではない。学園で冒険家を目指しデュエマする為に入ったんだから

 

クラスメイトさえいれば後は気にしなかった。

 

茶熊学園は皆事情がある人ばかりだった。私もその一人

 

それでも学長やクラスメイトは歓迎してくれた。でも…

 

 

 

 

 

【ヨウキside】

 

 

これは俺が茶熊学園に転入した頃の話。捨てられ…カスミさんに引き取ってもらって

 

人を信用しない時期の話。俺はずっと誰かに…認めて欲しかった。友達として

 

それでも友達と呼べる奴はいなかった。そう『捨てられた哀れな人』だから

 

でもある時、そいつに出会って何かが変わったんだと思いはじめるんだった。

 

 

 

 

 

 

───────────────────

 

 

 

 

 

 

モブ1 「こいつ忌み子だってよ!学園に来んなよ!」

 

 

モブ2 「なんでこんな奴がいるんだよ!出てけ!」

 

 

 

 

私は毎日、石ころや暴力を振るわれていた。そういじめられていた。

 

毎日毎日怪我をしては保健室へは行かず自分で包帯を巻く

 

こんな生活がずっと続いた。皆からは転んで怪我したと嘘をつく

 

皆を心配させるわけには行かないからだ。だって『忌み子』だから

 

 

 

 

────────────────────────────────

 

 

 

 

 

そんな時1人の転入生が現れた。

 

 

 

カムイ 「皆さん!このクラスに新しい仲間が来ました!どうぞ入ってください!」

 

 

 

学長が言うと1人の少年が入ってきた。

 

 

 

 

ヨウキ 「…初めまして…ヨウキ・アサミヤ…です。カスミ・アサミヤさんの家で

 

住まわせてもらっています…どうぞよろしく…」

 

 

 

 

そう彼が現れた。私はこの時は救われ、救うとは思わなかった。

 

 

 

 

 

─────────────────────────────

 

 

 

 

 

私はいつも人がいない場所で昼食を食べていた。1人が好きだから

 

でもそれでもいじめは起きた。あるときは弁当を捨てられ、毎回

 

殴られる。こんな日常が続いた。そんな時だった。

 

 

 

 

【路地裏】

 

 

 

 

 

ヨウキ 「お前ら邪魔だ…ここは俺の場所なんだけど…!」

 

 

 

そう彼だった

 

 

 

モブ1 「お前…!捨てられたって言うやつか!」

 

 

 

 

え…?

 

 

 

 

 

モブ2 「お前も仲間外れらしいじゃんかよ!」

 

 

 

 

そう2人は言った。『捨てられた人』

 

 

 

 

ヨウキ 「…だったらなんだ?」

 

 

 

 

モブ1 「お前も目障りなんだよ!お前も忌み子の仲間か!」

 

 

モブ2 「お前のようなやつにピッタリじゃん!!」

 

 

 

 

次の瞬間、彼は2人めがけて、斬撃を飛ばしたのであった

 

 

 

 

 

モブ1・2 「……は!?」

 

 

 

 

ヨウキ 「……次はお前らに当てるぞ…」ギロッ

 

 

 

そう彼は殺気を放っていた

 

 

 

モブ1・2 「お、覚えてろぉぉぉ!!」

 

 

 

 

2人は逃げていった。

 

 

 

ヨウキ 「……全く…ウザイ連中だ…」

 

 

 

セツナ 「…あの!ありが───────「勘違いするな!俺の場所を取ったからだ」!?」

 

 

 

ヨウキ 「お前もここから消えるんだな…!」

 

 

セツナ 「は、はい…ではわたしは────「待て…忘れ物だ!」 え?」

 

 

そう言うと彼は1つの袋を投げたのだ。

 

 

セツナ 「……これって…パン?」

 

 

 

ヨウキ 「俺は…もういらないからお前にやる…いらないなら捨てといてくれ!じゃあな」

 

 

 

ヨウキはその場を後にした。

 

 

 

セツナ 「……私の好きなクリームパン…はむ…美味しい…あれ?どうして涙が…」ポロポロ

 

 

 

セツナはこの時、初めて助けてもらったと実感した。

 

 

 

──────────────────────

 

 

 

その時から私は変わり始めた。まずは最初にしたのは

 

 

 

 

セツナ 「この前はパンをありがとう!私の大好物だったよ!」

 

 

 

ヨウキ 「……わざわざ探してお礼を言いに来たのか?お前は」

 

 

 

そう最初にしたのは彼にお礼を言うことだった。

 

 

 

ヨウキ 「俺が捨てたんだ…お礼を言われる筋合いはないぞ!」

 

 

 

セツナ 「それでも!美味しかったし!お礼を言いたいの!ありがとう!」

 

 

 

ヨウキ 「物好きな奴だな…」

 

 

 

そう言うとヨウキはどこかに行こうとした

 

 

 

セツナ 「…どこ行くの?」

 

 

ヨウキ 「お昼だ!なんでおまえに────────「私も行っていい?」 は?」

 

 

セツナ 「だって…!私もお昼だし!昨日のお礼も込めて一緒に食べたいなって…」

 

 

 

ヨウキ 「…なんでだよ…」

 

 

セツナ 「…ダメ?」

 

 

 

セツナは目をウルウルとさせながら上目遣いをし始めた。

 

 

 

 

ヨウキ 「…はぁ…来いよ…」

 

 

 

セツナ 「やった♪じゃあ…行こ?」

 

 

 

私はそう言うと彼の手を掴み彼の昼食スペースに向かうのであった。

 

 

 

──────────────────────

 

 

 

【路地裏】

 

 

 

セツナは彼と一緒に昼食を食べていた。お互いにパンである

 

 

 

セツナ 「はむ・・・はむ・・・美味しい!!」

 

 

 

ヨウキ 「ただのパンだろ……」モグモグ

 

 

 

セツナ 「だって!お母さんが作ってくれたんだよ?」

 

 

 

ヨウキ 「…お母さん…ねぇ?」

 

 

 

セツナ 「…ねえ…聞いてもいい?」

 

 

 

ヨウキ 「…なんだよ」

 

 

 

セツナ 「どうして…悲しい顔…してるの?」

 

 

 

ヨウキ 「……!?」

 

 

 

ヨウキ 「……なんでそう思う」

 

 

 

セツナ 「さっき…助けてくれた時、あいつら言ってたよね?『捨てらてた人』って…」

 

 

 

ヨウキ 「……そっか…聞いてるんだな…なら…これ以上…俺に関わるな!」ギロッ

 

 

 

彼はそう言うとその場を後にしたのだ。パンを残して

 

 

 

 

セツナ 「……悪いことしたかな…?」

 

 

 

 

セツナも残りのパンを食べて教室に戻ったのであった。

 

 

 

 

 

──────────────────────

 

 

 

 

私は彼を探した。学園内を。それでも彼はいなかった。

 

 

 

セツナ 「……どうしたらいいんだろう……そうだ!カスミさんなら!」

 

 

私はカスミさんを探した

 

 

 

 

──────────────────────

 

 

 

 

【図書館】

 

 

 

 

カスミ 「…あら?セツナじゃない」

 

 

 

彼女はカスミさん。同じ巫女で同じ里出身でもある

 

 

 

 

 

セツナ 「……カスミさんに…聞きたいことがあるんです!彼のことを!」

 

 

 

 

カスミ 「……聞いてどうするつもりかしら?」

 

 

 

セツナ 「私は…!本当のことを知りたいんです!お願いします!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

──────────────────────

 

 

 

 

【路地裏】

 

 

カスミ 「彼は私やレインやルカに出会う前に─────捨てられて危ない状態だったの」

 

 

 

 

私は探した。血眼になって、私にとって初めてのことだったから

 

カスミさんから話を聞いて涙も出てきた。私と同じか似てる境遇なんだって

 

そして彼と話した路地裏に行くと彼がいた。今度こそ!私は!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

俺はずっと信頼や親友などの言葉が大嫌いだった。捨てられてからだ

 

学園にカスミさんから誘われて入ったものの誰もいなかった。周りに。

 

別にいいさ。くだらないからだ。それでも…心の中には少しだけ…

 

そんな温かい輝きが欲しかった。誰でもいい…教えて欲しい。

 

そして…『助けて欲しい』『1人は嫌だ』そんな時だった。

 

俺がパンをあげて…一緒にいてくれた少女が現れたんだ。

 

 

 

 

 

 

ヨウキ 「…お前か…何のようだ?」

 

 

 

 

 

セツナ 「私は…!あなたを助けたいの!私を助けてくれたように!」

 

 

 

今度は私が助けてあげる。貴方が私を助けてくれたように

 

 

 

 

──────────────────────

 

 

 

 

ヨウキ 「…いきなり来て…なんだ?助けるって…馬鹿?」

 

 

 

セツナ 「馬鹿だよ…私は…まだ会って間もない人にこんなこと言うなんて…」

 

 

 

ヨウキ 「…じゃあお前はなんで目の前にいるんだよ!」

 

 

 

セツナ 「…カスミさんから聞いたよ…何があったか…」

 

 

 

ヨウキ 「……そうか…で?」

 

 

 

セツナ 「私は…!あなたの言葉から真実を知りたいの!そして絶対助ける!」

 

 

 

 

 

彼は悩んでた。次の瞬間彼の真実を聞いた。

 

 

 

 

 

 

ヨウキ 「………小さい頃の話だ…そこは穏やかな場所だった…そう捨てられた場所」

 

 

 

セツナ 「…!」

 

 

 

ヨウキ 「…幼い俺を置いて…両親はいなくなった…当時の俺はまだ幼い赤ん坊…知るわけがないさ

 

それでも…待ってたんだ…戻ってきてくれるのを…けれど…現れなかった。」

 

 

 

セツナ 「……」

 

 

 

ヨウキ 「それからだ…俺の中に黒いモヤが現れたんだ…憎い…憎い…って……そんな時だった。

 

美孔麗王国のマクガフィンに出会った。」

 

 

 

セツナ 「…デュエマの精霊…」

 

 

 

ヨウキ 「あいつは俺に美孔麗王国の力を与えてくれた。喋れるようになった。そして彼から言われた

 

お前は捨てられたって…当時は実感なかったさ…赤ん坊だからな…でも後々わかったさ…

 

本当に捨てられたんだって…でも不思議と涙が出てこなかった。俺の中に復讐心があったんだろうな

 

それからだ…血眼になってデュエマを覚えた…勝つ為に…!俺が生き抜くために!」

 

 

 

ヨウキ 「その後からだった…ルカとレインに拾われ…常識を覚えるためにカスミさんに引き取ってもらい…

 

俺はここまで成長できた…でも!皆から避けられた…『捨てられた哀れな人』だから!」

 

 

 

 

セツナ 「……」 ポロ

 

 

 

 

ヨウキ 「捨てられてもいい…生きてるだけで俺は幸せだった…でも!ここには俺の

 

居場所はないんだって!でも本当は……『捨てられた哀れな人』って思われたくなかった

 

一緒にいて欲しかった…友達が欲しかったんだって…!」 ポロポロ

 

 

 

 

セツナ 「………」 ポロポロ

 

 

 

 

 

 

ヨウキ 「……でも…結局…何も得られない…だから俺は…!1人が─────!?」

 

 

 

私はもう見てられない!私は彼の言葉をかき消すように抱きしめた

 

 

 

 

 

セツナ 「…もういいんだよ?例え…学園内の人が嫌おうと…笑われようと

 

私は!あなたの隣にいるから!」 ギュ

 

 

 

ヨウキ 「…え?」 ポロポロ

 

 

 

セツナ 「私もね?忌み子なの…望まれて生まれたわけでもない。

 

不吉な子供なの…笑っちゃうよね?女の子なのにこんなで…

 

ずっといじめられた…怪我だってした…でも!貴方が来てくれて!

 

私は救われたの!だから、これだけは聞いて!」

 

 

 

セツナ 「『私も背負うから!貴方が歩んだ全部を!』そして一緒に乗り越えよ?」

 

 

 

私の言葉に彼は大量の涙を流した

 

 

 

 

ヨウキ 「……」 ポロポロ

 

 

 

 

セツナ 「あなたの答えを聞かせて?『ヨウキ』!」 ポロポロ

 

 

 

私は彼の名前を呼んで答えを求めた。ずっと貴方だった。でも

 

これは私と彼との始まりの一歩。教えて君の答えを

 

そして私は手を差し伸べる。

 

 

 

 

俺は泣いた。人生でたくさん泣いた。今目の前にいる少女はたった一度

 

助けただけなのにここまで誰かの為に涙を流せるんだろうか

 

俺は捨てられた哀れな人、あいつは忌み子。この2つに同じ

 

ことはないと思った。それでも彼女は…こんなにも信じようと

 

してくれる。ずっと俺が欲しかったことが…だから俺は決めた

 

そしてこの言葉を送る。始まりの言葉として。

 

 

 

ヨウキ 「『君が支えてくれるなら…俺も君を…『セツナ』を支えたい!』ポロポロ

 

 

 

ずっとお前だった。でも今の俺なら…こいつを…セツナをずっと信じていたい

 

捨てられたって、哀れでも、たった1人の少女が差し伸べてくれる。だから

 

俺も差し伸べる。自分を変えてくれた───たった1人の少女に

 

 

 

 

 

 

ヨウキ・セツナ 「「これで私(俺)はずっと友達で!親友でパートナー!」」

 

 

 

ヨウキ 「これからもよろしく!セツナ!」

 

 

セツナ 「私も!よろしくね!ヨウキ!」

 

 

 

 

2人の絆は深まり最高の仲間となった。

 

 

 

 

 

 

ヨウキ・セツナ 「これが…俺(私)と描く景色。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

──────────────────────時は現在

 

 

 

 

 

 

耀姫 「……懐かしい夢だ…セツナ………あれ?…なんで涙が…」 ポロポロ

 

 

 

 

 

耀姫 (もう後戻りはできないんだ…悪いと思ってるけど…これが俺が

 

決めた道なんだ…)

 

 

耀姫 「…明日も…蹴散らす…終わるために…」 ポロポロ

 

 

 

 

耀姫は涙を流しながらつぶやいてベットに再び入った、

 

 

 

 

 

──────────────

 

 

 

 

 

バイパー 「…どうしたセツナ?涙を流して…」

 

 

 

セツナ 「…ご、ごめんなさい…思い出したら涙が…」 ポロポロ

 

 

 

 

バイパー 「………(本当に辛いだろうな…)」

 

 

 

セツナ 「…でも泣きたいのは私じゃない…きっとヨウキなんだ…」

 

 

 

バイパー 「…俺も…あいつは仲間だ…!あいつに本当の仲間を知ってほしい…!」

 

 

 

そう言うとバイパーとセツナは同好会のいる宴の場所に着いた。そしてこう言った

 

 

 

 

セツナ 「あの…!皆にお願いがあります!!」

 

 

私はもう…託すしかない。あの2人に

 

 

 

バイパー 「…俺からも頼む…!」

 

 

 

 

バイパー・セツナ 「「ヨウキを助けてください(欲しい) !!」」

 

 

 

 

私の全てを捨てても──────彼を元に戻せるなら。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




書いてて号泣してました。

セツナの設定は白猫とちょっと違います。

こんな感じで2人の友情ができた過去編でした。


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