散歩PartA~Z・・・一筆書き   作:たばねっと

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今日、私は散歩をすることになった。


PartA

お気に入りのASMRを堪能しながら唐突に

 

「ぁぁあああぁ背中痺れるぅぅぅううう!!」

 

と大声を出してしまい、母親に怒鳴られた今日この頃。

地味な服装に身を包み、私は散歩を開始する。

 

今日のミッションは万歩計でしっかり1万歩以上歩くことだ。

 

少しばかり長くなるので、のんびり焦らず歩いていこう。

 

万歩計を妹に渡されたときに感じた私のお腹周りの存在感。

これはきっとヤバい。いや、確実にヤバいと確信した。

 

妹にグーサインを出し、1睨みを頂戴した所でお目当てのライブチケットを泣きながら渡した。

 

痩せるために無駄なことはしないのだ。

 

 

歩くこと数分、私は家の前にいた。

適当に歩くことによっていつのまにか普段使っている帰り道に入り、思うが儘に歩いた結果がこれだ。

自分自身に呆れながら回れ右をして歩き出す。

 

現在なんと120歩。

 

目標までまだまだだった。

 

今頃ライブを楽しんでいるであろう妹に僅かばかりの怨念と、痩せるための闘志、そして歩くことへの憂鬱感に浸りながらふらふらと歩く。

 

気分を上げるためにイヤホンをすることにした。

 

Bluetoothのイヤホンが良かったのだが、生憎と機械音痴の私には手を出しづらく。

今使っているのはプラグを挿す昔ながらのイヤホンである。

 

歩きながらコードをほぐす。

普段使わないのもあるが、ポケットで絡まったコードを解くのは大変だ。

 

歩きながら解くのって周りから見たらどうなのだろうかと若干羞恥心のままなんとかコードを解くことに成功した。

 

スマホに挿し、ぶらぶらと揺れるイヤホンをタイミングよく掴み、耳へ装着。

 

この一連の動作の間に、私は200歩歩いていた。

 

何を聞こうかと曲を選んでいる途中、お気に入りのYoutuberがライブ配信を開始する報告が画面にポップアウトされる。

 

声だけでも聴くかぁと画面をタップし映像を再生させる。

 

「データ通信量よ、もってくれよ」

 

そう一言残し、私は黙々と歩きだしたのだった。

 

 

ぼけーっと歩くこと30分。

だいたい1000歩に到達し、気分が少し上がってきた。

 

ちょっと国道を歩いていたせいで、見えてきたのは<道の駅>。

 

ここは寄らねばならぬと謎の力によって、私はいつの間にか店内に侵入していた。

 

全然関係のないただのソフトクリームを購入した私は、再度歩き出した。

 

店内で歩いた歩数は100歩前後。

 

まだまだ遠いなぁとソフトクリームの甘さに身を委ねながら信号待ち。

 

今日は曇りなのでなんだか丁度いい感じだ。

 

晴れだと、陽の光に身を焦がすことになるし。

雨だと、ずぶ濡れで歩くところではないだろう。

 

曇りかぁ、、、天気が悪ければなぁと人間では到底敵わない自然へと悪態をつくと、狙ったように雲に隠れていた太陽光が一瞬だが私に当たる。

 

そういえば日だまりって最高だったなとか思いながら、僅かながらの光に感謝を込めて歩き出す。

 

 

1万歩までまだまだ遠いが私の朗らかな歩きは最後まで続くだろうと意気込みながら、やっぱり無理だろうと落ち込むまでが流れである。

 

今日、私は家に帰れるのだろうか。




きっと、私は家に帰れるって信じている。
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