Valorantやったりソード・ワールドのオリジナルサプリ作ったりしてました。
そろそろ投稿するかと思ってたら7ヶ月立ってて笑う。歳取るとマジで時の流れ早くてやばいっすね。
「随分と降りてきましたね」
埃臭い砦の深部。松明の明かりだけが石造りの内装を照らしている。
現在私達一党、
ゴブリンバーサーカーを下した後トラップに警戒しながらダンジョンの奥を進んだ。
どうやらこの砦は螺旋状の階段で下層へと続いているようで、今はその途中で一息ついている所である。
途中で巡回と思われるゴブリンと幾度か戦闘になったが、狩人が尽くを殺していった。
金属鎧を身に着けていない分隠密行動にも精通しているようでその手際は見事と言わざる得ない。
「そうね。だいたい50mくらいは下ってるかしら。でも下からも風が流れてくるのよね。もしかしたらこの先吹き抜けにでもなっているのかも」
メイが私の言葉にそう反した。私は風の流れなど感じられないが、彼女が言うのならばそれは正しいのだろう。
彼女は
ちなみに私は
「吹き抜けか。では谷の様な構造になっているのかもな」
「かもしれないわね。それにこの先からゴブリン共の匂いも風に乗って漂ってくるわ。かなり濃密な匂いだから相当数いそう。気をつけてねみんな」
メイの言葉に
「そろそろ行くか。メイ、オイフェミアは準備良いか?」
「もちろん」
「私も大丈夫です。狩人さんは?」
「問題ない」
私達は腰を上げ、探索を再開する。
「随分居るな」
私達は階段を下りきり、大きな広間の様な場所へとたどり着いていた。
その広間では100前後のゴブリンが石床の上で雑魚寝している光景が広がっている。
現在は広間横の瓦礫に身を隠し様子を伺っているところだ。
天井は崩落したのか、随分と高い位置に空が見える。砦に潜ったのは正午くらいのはずであったが、空は茜色に染まっていた。
「下衆が……」
メイの呟きが耳に入る。その言葉の真意は直ぐに理解できた。
雑魚寝しているゴブリン達の中央ほどに放置された10人ほどの人族の女性たち。
衣服は剥かれ、体中の至るところには陵辱の限りを物語る傷の数々が見受けられる。
メイは憤りを感じているようで、その端正な眉を歪めていた。
私もそれは同じである。同性の悲惨な姿を目の当たりにしてかなり心がささくれだっていた。
今すぐにでもファイアーボールやエネルギージャベリンで皆殺しにしてやりたい。
「メイ。あの女たちに息はあるか?」
「胸が上下してるわ。何人かはあるみたい」
「女達を救出しながら100近いゴブリン共を相手にするのは無理だ。私達は問題ないとも非武装の女達を守りきれん」
「そうね。やるならどちらかを先にやる必要があるわ。同時にはどうやっても無理」
どうするかと私達は頭を悩ませる。だがそれは以外な人物の一声で中断された。
「ならば俺が女どもを担いでこよう」
そういった狩人に私達3人は少々驚いた顔を向ける。
まさか狩人からそのような提案が出るとは思いもよらなかったからだ。
「あなたからそんな提案が出るなんてね。正直、他人なんてどうでもいいと思っているものとばかり」
「救えるはずのものを救えない。そんな事はもう御免だ」
帽子とマスクの隙間から覗く青い瞳が確かな遺志を持ってそう告げる。
何かを後悔している様な、そんな瞳。
私もメイと同じく狩人ならば『気にせず全て殺せばいい』などというと思っていたので内心ではかなり驚いていた。
いまの一言で狩人への印象が大分変わる。きっとこの人は本来優しく、悲しい人なのだ。そう思わずにはいられない。
「やれるか?」
「問題ない」
「ならば女達の救出は任せる。とは言えこの人数で100以上のゴブリンを相手するのは骨が折れる。協力者を呼ぶとしよう」
「協力者…ですか?」
それはメイも同じようで怪訝そうな表情を浮かべていた。
「ああ。ちょっとまってくれ」
そう言って
するとその場に白い波紋が広がり始めた。そして私とメイは驚愕することとなる。
白い波紋の中に薄っすらと人影が現れ始めたのだ。最初は半透明だったそれは、直ぐに全ての輪郭がはっきりとしていく。
それはまるで竜が擬人化したような姿だった。茶色い鱗を持つ人形の竜。竜人とでも言えばいいだろうか?
それが白い発光を伴いながら表れ出たのだ。
手にはいびつな形の大斧を持ち、身体からは白い発光の他に赤い光を放っていた。
竜人は完全に実体を伴い、私達へと一礼をする。完全に面を食らって私とメイは呆然とその場に立ちほうけるだけだった。
その後竜人は腕を上へ突き出しその場で飛び跳ねる。それはまるで"歓喜"しているかの様な印象をこちらへ与えた。
「……召喚魔術か何か?」
メイが
「いや、まあそれに近しいものだと思ってくれ」
どうやら状況についていけていないのは私とメイだけのようである。
2人の一礼に手を振って応えた竜人に対し、
「竜体赤涙状態とは。さては変態だなそちら。それに呪術の火、大力用だろうそれ。しかも私の時代より遙か過去の人物と見える。まあ歓迎だ。ゴブリン共を殲滅する前に女達を救出する。それが終わったら自由に暴れてくれ」
理解のできない単語が並ぶ。竜体?赤涙?呪術の火?大力?なんのことなのだ。
そしてその言葉を受けた竜人は手をたたき拍手をする。それは了承の意なのだろうか?
「状況を開始しよう。狩人、まずは頼む」
灰さんの言葉に狩人は頷き足音を立てず女性たちの元へと近づいていく。
そして素早い動きで次々と女性たちを担いでこちらへとピストン輸送を始めた。
私達はなにが起きても良いように一切の油断なく周りを警戒する。
狩人が最後の1人の女性を担ぎ上げようとする。
だがその時、タイミング悪く老朽化していた遺跡の装飾が落下し物音が響いてしまった。
その音に気がついたのか、狩人の近くで寝ていたゴブリンが身体を起こす。
まずい、あのままゴブリンに叫ばれたら苦労が水の泡だ。
反射的にエネルギーボルトの詠唱を開始する。
しかしその魔術が放たれることはなかった。
「フッ‼」
突然の出来事だというのによくもまあ対応できるものである。
私とメイは少しの驚愕を覚え、白霊の竜体とやらは拍手をしていた。
音をたてるなやめろ‼と思ったのだが、その竜体の拍手からはなにも聞こえない。
最早よくわからないのだが、そもそもこの竜体が召喚された時点からよく事態を把握できていないので考えるのをやめた。
この仕事を片付けたら詳しく聞くとしよう。答えてくれるのかわからないが。
そうこうしてるうちに狩人が最後の女性を運んできた。
「素晴らしい手際ね。やっぱりあなたは隠密かなにかだったの?」
「バカを言うな。俺は狩人だ」
「はいはい。それで
メテオというのはとてつもなく熟練した
空に流れる流星を魔術的に再現し対象に降り注がせるというものである。
とてつもない殲滅力を誇り、プレデターやマスター等級の切り札的な魔術でもある。
無論こんな地下空間で使えばどうなるかはコボルトでも理解できる。
「メイ、私は流石にそこまでの高等魔術は使えないし、そもそもこんな所でメテオなんてものを撃とうものなら崩落で全員死ぬから」
「冗談よ。でもどうしましょうかね?ファイアーボールみたいな広範囲魔術で殲滅するのが手っ取り早そうだけど」
「問題ない」
すると竜体は大斧を担いだまま寝ているゴブリン共の中心へと歩いていく。
「ちょ、ちょっと。大丈夫なの?いくら大型武器っていったってあの数はキツくない?」
メイは少し焦ったようにそう問いかけた。
私もその意見には同意である。
だが
「大丈夫だ。きっと
頭の上に疑問符を浮かべながら視線を竜体に戻す。
竜体は丁度ゴブリン共の中心部に到達したようだった。
そして一息ついたような仕草をした後、大斧を上段から地面へと叩きつけた。
「え?」
メイの声か、それとも私の声だったか。
最早それはどちらでもいい。
すぐにその声は轟音にかき消された。
そして身体の底から震えるような衝撃。
次の瞬間にはゴブリン共が宙に舞い血しぶきとなっていった。
竜体が振り下ろした大斧から衝撃波が発生しこの状態を引き起こしたのだということは即座に理解出来る。
だがこれはプレデターやマスター等級レベルの威力だ。
あの竜体ですらそのクラスの実力を持っているのか。
そうであるとすればそのような存在を召喚できる
私もそれなり以上の実力者であるがゆえに理解した事実に鳥肌が止まらなくなる。
竜体はその後私達に向かって手を振り一礼をした後に消えていった。
「やはり高火力は良いものだ」
狩人も
私とメイはあまりに唐突に訪れた事態の解決に口をぽかんと開くしかなかったのだった。