World Witches:Adventure   作:天羽々矢

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OP:Conneck link/石田 燿子


Precious 3 飛び立て、世界へ

天が言った「咲輝なら追いかけられる」発言に困惑していた芳佳とひかりであったが、その理由は直ぐに分かった。

ロングビーチのマリーナに停泊しているヨットやクルーザーに紛れ停まっている1機の飛行艇がその答えである。

 

カフェラウンジを出てすぐにもう1度店の看板を見てみれば、Fleur de sorcièreの看板の他にもう1枚、突出し看板が取り付けられておりその看板にはこう表記されている。

 

Amou(アモウ). Wizard(ウィザード). Airlines(エアラインズ)

 

それは咲輝のファミリーネームが入っている航空会社の名前である。

最も、経営しているのは咲輝の父親の弟…つまり叔父なのだが、その人物も経営者であると同時にパイロットである為に世界を飛び回っており不在である事が多い。

 

……説明すれば長くなる故、解説は別の機会にするとしよう。

 

停泊している飛行艇はその航空会社、A(Amou) .W(Wizard) .A(Airlines)保有の機体。PBY-6Aを基にPBN-1で行われた改良点とスチュワード・デイビス社による変更・追加点に加え、より洗練された現代の材料工学諸々を取り入れて大改造が施された機体である。

 

コックピットの計器類は基本的にはアナログ計器だが、高度計や速度計等の補助計器類は液晶ディスプレイ化している。

 

後部側面銃座の内装も一新、爆弾倉や銃座スペースも撤去されテーブルやソファの他、調理場やトイレも設置済み。当然前部銃座も取り払って滑らかにしている。

 

エンジンも元々の空冷レシプロエンジン2基から約1,600馬力のTPE-331 14GRターボプロップエンジン2基に換装し、4枚プロペラを2重反転で回す8枚プロペラに変更したりと至れり尽くせりである。

そして目を引くのは垂直尾翼に描かれているマーク。

リボルバー銃を銜え背中に翼を生やしたキンイロジャッカル、芳佳達の世界にて咲輝が使用していたパーソナルマークだ。

 

 

閑話休題

 

 

クルトがボストンバッグとスーツケースを持って飛行艇に向かう中、飛行艇のエンジンが始動し2重反転式8枚プロペラが回り出す。回転が上がり安定してアイドリング状態になる中、その飛行艇の操縦席に腰を下ろす青年、咲輝の姿が。

 

「計器チェック、異常なし。燃料も満タン。エンジン音も問題なし。OK、今日もご機嫌だな?」

 

計器パネルを軽く叩きながら飛行艇に呼びかける咲輝。

 

計器と燃料チェックを終えるも、そこでクルトが中々乗ってこない事に気づき1度操縦席を離れ接舷している右側の搭乗口を開ける。

 

「どうしたんだよクルト?早く乗れって」

 

「僕、旅はあんまり好きじゃないんだけど…」

 

咲輝の問いにクルトは消沈しながらも答える。どうやら気乗りしないらしい。

それにしびれを切らしたか、咲輝が搭乗口から出てきてクルトの荷物をひったくり機内へ放り込む。

 

「ったく、グズグズしてるとレパードに先を越されちまうぞ?」

 

「待ってくださ~い!」

 

咲輝がクルトを機内へ引きずり込もうとしている時だ。

咲輝達の背後辺りから咲輝にとって聞きなれた声が聞こえてくる。見ればひかり、芳佳、天が何やらバスケットを持って来ている。

 

「3人ともどうした、そのバスケット?」

 

咲輝が3人が持つバスケットを指差しながら問うと、天がバスケットを開けて中身を見せる。

その中身は、握り飯やサンドイッチ等の軽食である。

 

「ハナからよ、()()()のお弁当」

 

咲輝の問いに天が答える中、天の言葉に引っ掛かりを覚え再度咲輝は問う。

 

「・・・私たちって、お前らもついてくる気か!?」

 

「えっと・・・私たちもついていったら迷惑ですか・・・?」

 

いつものひかりらしからぬほっそりとした声と縋るような視線で咲輝を見つめる。芳佳も同じような雰囲気だ。

だかその心境も当然であろう、知り合いが自分達以外に誰もいないこの世界でその知り合いまでもいなくなっては心細くもなるだろう。

それを察したか咲輝は苦笑いしながら頭をかくも、2人に飛行艇に乗るよう促す。

 

「何かあったらそん時はコキ使うからな?」

 

『!!・・・はいッ!!』

 

その返答に芳佳とひかりが笑みを浮かべて力強く返事した。

芳佳、ひかり、天の3人が飛行艇に乗り込み、咲輝も機内に戻ろうとした時、

 

「咲輝」

 

またしても咲輝を呼び止める声が。

声のした方を向くと、そこにはハナがいた。

まだ何かあるのかと問おうとした時にハナが口を開いた。

 

「姫様の事、お願いね」

 

その言葉だけで何を意味するか知っている咲輝はハナに笑みを浮かべると、

 

「任しとけ」

 

右親指を立ててサムズアップ。

それだけをハナに言うと飛行艇の機内に戻り操縦席へ。

 

「それじゃ、出発!」

 

『おぉ~!!』

 

咲輝の掛け声に乗り気でないクルト以外の全員が返答し、咲輝は操縦室天井のスロットルレバーをゆっくりと押し込む。

それに応えるようにプロペラの回転数も上がり、伴って水面を滑走する速度も上がる。

やがて一定の速度に達すると飛行艇の機首が持ち上がり、胴体が水面から離れる。

ハーバーで手を振って見送るハナを後目に、飛行艇は左右のフロートを両翼端に跳ね上げ、速度を上げながら上昇していく。

 

 

 

 

・・・目指すはメキシコだ。




ED:エルドラド/THE ALFEE



※おまけ
キャスト
天羽 咲輝:斉藤 壮馬

クルト・フラッハフェルト:花江 夏樹

天:潘 めぐみ

ハナ:橘田 いずみ

宮藤 芳佳:福圓 美里

雁淵 ひかり:加隈亜衣



チマチマですが書いて少しでもモチベーションを取り戻せればと( ̄▽ ̄;)

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