Re:ゼロから始める鬼狩りの異世界生活   作:タロ芋

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短め


10 おう……

 ──愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる

 

 ──守って守って守って守って守って守って守って守って守って守って守って守って守って守って守って守って守って守って守って守って守って守って守って守って守って守って守って守って守って守って守って守って守って

 

 ──愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる

 

 ──強く強く強く強く強く強く強く強く強く強く強く強く強く強く強く強く強く強く強く強く強く強く強く強く強く強く強く強く強く強く強く強く強く強く強く強く強く強く強く強く

 

 ──愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる

 

 ──あの人をあの人をあの人をあの人をあの人をあの人をあの人をあの人をあの人をあの人をあの人をあの人をあの人をあの人をあの人をあの人をあの人をあの人をあの人をあの人をあの人をあの人をあの人をあの人をあの人を

 

 ──愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる愛してる

 

 ──助けて助けて助けて助けて助けて助けて助けて助けて助けて助けて助けて助けて助けて助けて助けて助けて助けて助けて助けて助けて助けて助けて助けて助けて

 

 ──だから、力を、分けて、あげる

 

 

 

 瞼が開き、見知らぬ天井が目に映り華代な瞬かせ小さく呟いた。

 

「甘い、匂い…………」

 

 

 

 ルグニカ王国を抜け、草原を越え森を抜ける。

 2日ほど竜車の中で過ごし、一同はようやく目的の場所にたどり着く。

 

 華代も『桜屋敷』というそれなりの大きさなの屋敷に住んでいたが、目の前の西洋屋敷はそれ以上の大きさだ。

 色とりどりの花々に、庭の中央には大きな噴水のある池に、動物をかたどった生垣が並び華代はほう……、と感嘆の息を漏らし、竜車の窓から見える景色に目を奪われる。

 

 隊服から用意されていた燕尾服に服装を変えていた華代は、その景色に目を向けながら、道中で華代の作ったパックの木彫り人形に目を輝かせていたエミリアへと尋ねた。

 

「ここがそうか?」

 

「ほぁあ……、ハッ! コホン。ええ、その通りよ。ここがメイザース領の別荘よ。長旅お疲れ様、ハナヨ」

 

「この程度何ともないさ。私のいた場所では任務によっては西へ東へ奔走したものだ……。それにしてもこれで別荘か……ふーむ、凄まじいな。御館様と同じくらいの財力か?」

 

「御館様さま?」

 

「私の仕えていた主だよ」

 

 遠い目をして呟き、鬼殺隊で鬼を倒すために東西南北あちらこちらへ赴いたことを華代は思い出す。

 エミリアはそんな華代の様子を気になるが、同時に速度がおとされ屋敷の玄関の前に到着した。

 

 扉が外にいた兵士に開かれ、日輪刀と予備の刀を腰から下げて降り立つ。降り立った先には2人のメイドが立っており、彼女たちは1寸たがわない姿勢で出迎えていた。

 

「(双子か……)」

 

 淡い青と赤の髪色の姿かたちがそっくりな様子から華代は予測する。

 

「「お帰りなさいませ、エミリア様」」

 

「ただいまラム、レム。連絡は届いてるはずだから、早速スバルを運んでくれるかしら?」

 

「畏まりましたエミリア様。レム」

 

「畏まりました姉様」

 

 レムと呼ばれた青い少女がスバルの寝かされた竜車へと向かい、中から俗に言うお姫様抱っこで軽々と運び出され屋敷の中へと運ばれていく様をなんとも言えない目で見送る。

 まさかあのような小さな少女に運ばれたことをアイツが知ったらどうなるんだろうな、と思っていると、どうやら会話を終えたらしいエミリアに服の裾をひっぱられた。

 

「えっとね、ハナヨ。ロズワールが貴方に会いたいって。あ、ロズワールっていうのは私の後ろ盾で、王国で1番の宮廷魔術師なの。すごく、すごーく変な人だけどえっと、そのね……」

 

「あー、うむ。わかった。とりあえず信用の出来ない奴だとわかった」

 

「ち、ちがうのよ! 違わなくないけど……、ちがうの!!」

 

 ワタワタとエミリアは訂正しようとするが、むしろ逆効果な彼女に華代はなんとも言えず、微妙な目しか出来なかった。

 

「それでは、ロズワール様の元へご案内してもらいますお客様。エミリア様もご一緒にとのことです」

 

 2人は桃色の髪のメイド「ラム」に先導され、広い屋敷の中を進んでいく。

 外観に恥じない内装で、赤い絨毯が敷かれ長い廊下をあるく中、ふとエミリアへ尋ねる。

 

「ところでエミリア、スバルはどうだ? 一応、私が診た限りでは大丈夫ではあった。しかし、治療した場が場だ。消毒もなしに縫ったから感染症の心配があってな……」

 

「うん、容態は安定して顔色もいいけど2日間も寝たきりだものね。

 もし、まだ起きないようなら王都から腕のいいお医者様を呼ぶことにするわ」

 

「そうか」

 

 無理もない。どんなに取り繕うがスバルはただの一般人。それが何度も死にかけ、文字通り命を落とし死に戻りをして繰り返した。

 例え時間でいえば一日だけだとしても、その内容はあまりにも濃密で常人には耐えられまい。

 

 今はその疲れから眠ってはいるが、後から『死』という感覚が精神を摩耗させ壊れてしまう可能性もある。

 それほど、『死』というものは恐ろしいものだ。

 

 専門外だが、あとでカウンセリングくらいはしてやろう、華代はそう思い長い通路を歩き続けていくつかの部屋を通り過ぎ、ようやく通路の突き当たりにあるほかよりも大きな扉の前で立ち止まる。

 

 ラムがその扉をノックし、すぐに中から間延びした声で「ど〜うぞぉ」という男の声が聞こえてきた。

 その声を聞いて、僅かに眉根を寄せて華代は中にいるのが胡散臭い奴だと確信した。

 

「(さて、鬼が出るか蛇が出るか……)」

 

 覚悟を決め、華代は部屋の中へと入る。

 

「あはぁ、よぉ〜うこそご客人。

 遠路はるばる、我が領地にいらして頂き感激で〜すねぇ」

 

「おう……」

 

 鬼でもなく、蛇でもなくなんとも珍妙なやつだった。

 いくら歴戦の猛者にも数えられる華代でも、これら予想外としか言えない。むしろ、予想できるかコノヤローである。

 奇抜な化粧にこれまた奇抜な格好。頭からつま先のてっぺんまでひたすらに奇妙という言葉が似合いそうな長身痩躯の長髪の男。

自分よりも身長は高く、少しだけ見上げる形だ。

 

 鬼殺隊の『柱』もなかなかにイロモノ集団だったが、目の前の存在はそれ以上だ。

 華代は言葉につまり、エミリアに目を向けて「え、こいつ?」的な思念を送る。あ、おい目をそらすな。

 

 オマケの少女はこちらに目を合わせようともせず、男は両手を広げてこちらに歓迎の意思を伝える。

 

「此度はエミリア様を救って下さり感謝感激雨あられでございまぁーす。

 ロズワール・L・メイザース、ハナヨ殿及びスバル殿の尽力に最大限、報いたく存じまぁすよ〜」

 

 恭しく腰を折り曲げ、こちらへと頭を下げる変人もといロズワール。

 それだけで伝わる充分な教育され、洗練された動作。

 だというのに、格好からくる怪しさに華代は宙を見つめ頭を抱えたくなった。

 

「(…………帰りたい。そんでもって楓に膝枕されたい)」

 

 今はとにかく愛する妻と娘たちの顔が見たくなる華代である。




異世界こそこそ噂話
華代の作った木彫りのパックソ人形以外にもエミリアに兎だったりといくつか作ってあげたぞ!
エミリアは大喜びしたとの話。
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