■その1
「南無阿弥陀仏般若腹見詫――」お経を唱えてテンションをダウンさせる。
……なぜだか少女が苦しんでいる。お前は悪霊か。
■その2
春の訪れと共に、それはやってきた。
おれは目を見開きながら、庭の片隅にいたそれを凝視し続けた。
厳つい相貌、短く刈上げられた夕焼け色の髪。小麦色の開放的な全裸をさらしながら、空を見上げて気持ち良さそうに目を細めている。
それは、腹部より下が土に埋まり、地表に見える上半身がおよそ2メートルもある、頭の先にツボミを付けた巨大なフラワーマッチョ。
とりあえず、見なかったことにする。
君子危うきに近寄らず、いくら庭先で他の草花に混じれず、存在感を主張してようが無視する。
数日後、季節は春に突入したばかり。なのに、どうしたわけかあたり一帯が猛暑に襲われている。テレビを見ると、温暖化だとか二酸化炭素がどうだとか、なにやら暑苦しい言葉ばかり連呼していた。
さすがに、色んな不快感に目眩を感じてしまう。アイスでも買おうと外に出て、ふと、庭に住み着いたムキムキマッチョフラワーを思い出す。……無視する。好奇心が少し疼くが、おれの本能が関わってはいけないと全力で告げていた。
それから一年が経って、また春がやってきて。
おれはいつもの通り、学校に向かおうとドアを開けてしまった。
「――」視界に映るは、一面のマッチョ。
ご機嫌そうな表情で、思い思いの格好で見事なポージングに励んでいる。
おれは、そっとドアを閉めた。おれが全力でスルーしている間に、奴は、種を広めてしまっていた――。
BAD END...?
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以上、ちょっとした小話でした(この後、本編覚えている人いるんだろうか)。