過度な期待はして下さいね。
おい、コラッ!(笑)
【真剣でガクトに恋しなさい!!】
【近衛家】
古くは鎌倉時代から続く古武術の名家で、今は私の父が当主兼近衛流道場の師範を勤めています。
父と兄の影響もあり、私も幼い頃から近衛流の修行をしていましたが、門下生に女子が私一人しかいなかった事もあり、中学にあがる時に道場に通うのを辞めてしまいました……その思春期特有の悩みと言いますか……近衛流にも投げ技や組み技もありまして…………
勿論、鍛錬も辞めたわけではないですよ? 兄の自主練に付き合ったり、燕ちゃんと仲良くなってからは、燕ちゃんのところの訓練所で一緒に鍛錬したりもしています。これでも中学二年くらいまでは兄より私の方が強かったんです!
さて……私の紹介はこれくらいにして~「誰に?」……舞ちゃん? それは聞かないお約束ですよ★
運命の出会いは突然でした……舞ちゃんと一緒に軽くランチをと訪れた喫茶店でその人は現れた。
私たちが兄の将来について心配していたさなか、団体のお客さんが入って来る。騒がしくもおのおの行動する中、私の視線はカウンターの前でマスターに筋肉自慢をする一人の男の子に釘付けになってしまった。
「……イイ」
「……はっ?」
「あの筋肉……イイワ★」
「あの、紅葉。大丈夫?」
まるで獲物を見つけた鷹の如く、彼を見つめる私。その視線に気づいたのか一人の少女がこちらへとやってくる。
「こんにちわ〜お二人でティータイムですか?(うん! 間近で見ても美少女二人☆これはお近づきにならねば!)」
「え!? えっと、はい」
突然声を掛けられた事に驚く舞ちゃんをスルーして、私は彼への視線を離さない。
「えっと……何かこっちの方をジッと見ていた……というか今も見ているのが気になって声を掛けたんだけど……(この視線の先に居るのは、ガクトとモロか?)」
「も……紅葉!」
さすがに視線を外さず、反応を示さない私をマズいと思ったのか舞ちゃんが肩に手を置いて、呼び掛けてくる。
仕方なく視線を目の前の少女に向けると、意外にも知っている顔だった。
「川神……百代さん?」
「おっ? 私の事を知ってるみたいだな」
「えっ? 川神百代ってあの武神の!?」
【川神百代】
生まれ持った天武の才から若くして武神と恐れられ、武道四天王に選ばれる程の逸材で、その見た目もあってか武術を嗜む者たちの憧れの存在でもある。
しかし、今の私にとってはそれも関係なく、もっと優先すべき事があるのだ!!
「すみません、川神さん。私少しやる事が……舞ちゃん、悪いけど川神さんのお相手よろしく」
そう言って私は席を立ち、マスターに筋肉をスルーされ、カウンターに寂しく座る彼の下へ歩き出す。
席を立ち、離れていく紅葉を見ながら、目の前にキョトンと立ち尽くす武神こと川神百代さんをどうしようかと悩む。
先程の言動から紅葉が何をしようとしているのかは、おおよそ予想は付いている。紅葉のアレを知っているから……とりあえず頼まれた事を遂行しよう――というかむしろ! 武神の川神さんとか興味アリアリだよ!! そんな私はノリノリで川神さんに声を掛けたのだった。
一度、こちらの方を見た川神さんでしたが、ノリノリで話しかけてきた舞ちゃんに気を良くしたのか、二人で意気投合したようで、楽しそうに話している。
一方、私は彼のタンクトップの隙間から見える背筋と、上腕二頭筋に目を奪われながら、いざ目の前に来て、あと一歩を踏み出せないでいる。
マスターがチラチラとこちらを見てくる……私の心境はそれどころではなかったが、彼の隣に座る少年も私に気づいたのかチラチラと私を見てきた。そしてそれを不審に思ったのか、とうとう彼もこちらへ振り返ってしまい、私と目が合ってしまった…………
見つめ合う二人……そして時は動き出す!!
次回、とりあえず登場人物紹介をあげようと考えてます。
一応話自体は短編サイズで一度完結してるので、スラスラ書けるだろうと思っていますが……この作者なので……^_^;)
ガクト君の恋物語は需要あるだろうか?
優しい感想、評価お待ちしてます☆