仏殿とチェルシーの婚約により、二代目仏の喫茶店マスターをさせて頂くことになりましたウォルター・C・ドルネーズと申します。今後のナレーションと仏の喫茶店の経営は私が引き継ぐことになりましたので以後お見知りおきを。
詳しく知りたい方はマスターの処女作の布仏家長男のIS物語の裏最終話をご覧下さい。
私の覚悟があと少しで出来るかというところで、後ろに立つ私に気づいた彼がこちらを振り返り……目が合ってしまった。
「…………」
「…………」
しばらくの沈黙の後、動けないでいる私に彼は話しかけてきた。
「……美しい……」
「ふぇっ!?」
「お姉さん……このような場所に立ちつくされてどうされました? よろしければそちらの席で私とご一緒にティータイムでも如何ですか?」
ガクトがいつもの決め顔と決めポーズでそう言うのを横で見ていた三人(モロ、クリス、京)は……
「またガクトがやってるよ(あっ、これ一昨日貸したアニメのセリフまんまだ)」
「ガクトも懲りない奴だな(あのポージングはどうにかならんのか)」
「しょ~もない(また連敗記録更新かな~)」
……と軽くディスっていたものの……
「は、はい! 喜んで☆」
……紅葉が満面の笑みで、ガクトに返すのを見て……
「「「「なん……だと?」」」」
いや、ガクト君まで驚いちゃ駄目でしょう!? 他の三人はともかく――はっ!? いけません。普通につっこんでしまいました。
「モ、モモモ、モロロ!! 俺の顔を殴ってみてくれ!」
「ガクト馬鹿なの!? そんな事より早く彼女の相手をしてあげなよ! せっかくなんだからホラホラ!!」
両肩に手を乗せられ揺さぶられながらも、慌てるガクトを突き放し、ガクトの背中を押すモロ……せっかくの親友が掴んだチャンスを無くすまいと必死になる。
「クリスゥ~私は今、奇跡の目撃者になってるよぉ~」
「いや、京。さすがにそれは言い過ぎではないのか?――って!? 京、泣いているのか!?」
大切なファミリーの一員が成し遂げた奇跡に感動の涙を流す京。口ではディスりながらも心の中では本当に喜んでいるのである。
「あ、あの……座られないのですか?」
「ほら、ガクト!」
モロに背中を押され、再び紅葉の前に立つガクト。顔は赤面し、先程決め顔を決めていた姿はもうそこにはない。
「あ、あのあの……そ、そうですね! 取りあえず座りましょう!!」
「はい!」
ガクトの緊張ぶりに、逆に落ち着きを取り戻した紅葉は再び獲物を見つけた鷹の如く――いや、既に捉えた獲物(ガクト)へのマシンガントークを始めるのであった。
一方その頃、周りはというと……
【モロ、クリス、京→】
「モロ、お疲れだったな」
「はぁ~なんとかね――って!? どうして京が泣いてるの!?!?」
「う゛ぅ……モロ、おつかれぇ~」
「どうやらガクトのアレに感動して涙しているらしい」
「……あはは」
「うぅ~私も負けていられない! 大和のところ行ってくる!」
ガクトの奇跡を見た京が謎の勇気を貰い、大和の下へ突撃する。
【大和、→京】
「…………(たまにはこうして一人、皆を眺めながらコーヒー飲むのも良いな)」
「やぁ~まぁ~とぉ~! 私を慰めてぇ~♡♡」
「だあぁぁぁぁ! いきなり抱きついてくるなぁ~!!」
「……クンカクンカ!(あぁ~大和の匂い……落ち着くの~~)」
【フォスター※1、まゆっち、松風】
「……(モモ先輩が抜けた今がチャンス!)」
「まゆっちー! モモ先抜けた今がチャンスだ! 今こそ、書きに書き溜めた《フォスターさん質問集100》の出番だぜぃ☆」
「え? 何それ?」
その後しばらくフォスターはまゆっち&松風のマシンガンクエスチョンの回答に追いやられる事となる。
【百代、舞】
「(紅葉は、どうやら上手くいったみたいね)……ところで、モモちゃんはやっぱりフォスター君狙いなの? 入ってきて速攻突撃かましてたし」
「そ、それは……」
親友のアタック成功にホッと胸を撫で下ろしながら、いつの間にかあだ名で呼び合う仲になった百代に、ふとした疑問を投げかける舞。
「あ、顔が赤くなった! 乙女してるモモちゃんカ~ワイイ☆」
「だあぁぁぁぁ! なら舞の方はどうなんだ!?――ま、まさかフォスター狙いだなんて言い出すんじゃないだろうな!?」
「え!? ち、違うよ~~! 確かにフォスター君はカッコいい男子だとは思うけど、私は他に好きな人いるし……片想いだけど」
「その辺詳しく!!」
こちらは変わらず盛り上がっている様子で、各々が会話を楽しんでいると……入口のベルが鳴り、新たな来客を告げる。
「川神一子、遅ればせながら見参!」
「あと私もいます」
「お~ワンコやっと来たか! あと、チェルシーさん※2 もこんにちは~で、試合結果はどうだったんだ!?」
「僅差だったけど、アタシの勝ち! 褒めて褒めて、おねえさま~」
そういうやいなや、百代の下へダイブし頭を差し出す一子。百代も一子を受け止め、ワシャワシャと髪を撫でながら、いもうとの健闘をたたえる。
そんな和やかな空気に包まれる一方……
「おぉ、メイドのお姉さん!」
ガクトが鼻の下を伸ばし、言ったこの一言で空気に亀裂が入る事となる……
「GA・KU・TO・様? 今は私とのお話し中ですよね?」
ハイライトの消えた目でガクトの背中を見つめる紅葉の視線に、背中が凍り付くのを感じたガクトは慌てて紅葉の方に向き直る。
はたして二人の恋路は上手くいくのでしょうか?
※1.フォスター・C・ド○ネーズ
保護者であるウォルターとは祖父と孫の関係。ウォルターに着いて日本にやってきた。
川神学園一年生でまゆっちとはクラスメート。祖父同様糸を使った戦闘を得意とする壁超えの実力者。
海人君の代わりのモブ店員から半オリキャラとしてランクアップ!
名前で気づいた貴方は、素晴らしい!
※2.チェルシー
大元の作者処女作のISの方の登場キャラで、本来はモブキャラですが、私の作品では色々と活躍しています。詳しく知りたい方はの大元の裏ルートをご参照下さい。
簡潔に言えば、先代仏の喫茶店のマスターのヒロインです☆
しばらくして、風間ファミリーのメンバーが帰り、再び紅葉が私の居る席に満足げな顔で戻ってくる。
「んふふ……んふふふふ★」
「……紅葉。嬉しいのは分かったから少し落ち着きなさい」
少し妄想姫の独り言が続きます。
「『……美しい……お姉さん』だなんて……もう★初め、決め顔と決めマッスルポーズで誘ってきた時もかっこよかったし、触らせてもらった胸板も逞しくて……あぁ~どうしよう! 胸のときめきが収まらないよ~~☆」
「…………」
「私が話しかけている内に彼も落ち着いたのか、自慢の筋肉を決め顔でアピールしてきたんだけどね、ちょっとつついてあげたらまた顔赤くしちゃって、でもそれがまたかわいくて~~☆連絡先も交換したし、帰ったら電話してみようかな~彼ビックリするかなぁ!? ねぇねぇ!?」
「…………(……誰か助けて)」
私は助けを求めるべく、周りを見渡すと……「……プイ」……一瞬視線の合ったフォスター君に助けを求めようとしたが、逸らされ、奥に逃げられてしまった。
「…………(ダメだ……ここに私の味方は居ない)」
諦めた少女はテーブルに突っ伏し、時が過ぎるのを待つことにした。
「ねぇ舞ちゃん。聞いてるの~ガクト様がね~~☆」
…………
……
「それでチェルシーは、今日は何用で来られた?」
「お互い落ち着いた頃かと思い、一度改めてお礼を言いに来たのと、セシリア様からの預かり物です」
そういって手渡された封筒を開封すると、手紙と一枚の小切手が入っていた。
「最後のお給金ですが……振り込もうとしたら既に解約されてましたので、ついでにと。少し多いのは開業祝いとでも思って下さいまし」
「こんなに……」
そこには結構な金額が書かれていた。
そして、その後はチェルシーと近況を話し合い……というかチェルシーの惚気話を延々と聞かされるのでした(笑)
【真剣でフォスター君に恋しなさい!】は〜じま〜るよ〜 「勝手に決めんな!」
書かざるを得ないくらい人気が出たら、ワンチャンあるかも(笑)