「たっだいまぁ!」
「おかえり。どうした? ヤケに機嫌が良いようでござるが?」
「んふふ……分かる? けど兄さんにはまだ内緒だよぉ〜☆」
そう言って階段を駆け上がっていく紅葉……何でござろう?少し嫌な予感がするでござるよ…………
今日は……♡
ガクト様との……♡♡
初デートォォォォォ!!
今日のデートが上手くいったら私……ガクト様に……♡♡♡
「はい。そろそろ戻ってきなさい!」
バチン! と良い音を立てて、舞ちゃんに後頭部を叩かれる。
「痛いよ~舞ちゃん」
「妄想世界飛び過ぎ……はぁ……普段はお淑やかな大和撫子なのに、この姿をクラスの男子が見たらなんて言うやら」
「他の人の前では気をつけてるよぉ〜」
「なら良いんだけどね」
呆れる舞ちゃんはひとまず置いといて、今日は待ちに待ったガクト様との初デートの日です。あれからお互いにチョコチョコと連絡し合い、先日なんとガクト様からデートに誘って貰えたのです! ドンドンパフパフ〜♪
「……ハァ」
ガクト様が普段使っているプロレス技についての話しになった時に、少し熱くなってしまって……プロレスってボクシングとかと一緒で上半身裸な人がほとんどだから、その……筋肉質な体がね……★
それで、一度試合を生で見に行ってみたいな~な事を話してたらガクト様が――「な、なら、一緒に見に行ってみませんか!?」って、すごく緊張した声で誘ってくれて――「んぅ~~~~!!!!」
紅葉が自分の世界へトリップし始めたので、ここからは私がお送りします。
再び自分の体を抱きしめ、悶え始めた紅葉を呆れた瞳で見つめながら、私は紅葉の書いたデートの計画表を見る。集合時間からお別れまでびっしり書かれた計画表……私はそっと紙を置いた。どこまで調べ上げとんねん! と心の中でツッコミを入れながら。
「しかしまぁ、初デートがプロレス観戦ってどうなのよ?」
「私とガクト様ならありなんだよ!」
「…………もう、好きにしなさい」
私は素直に諦める事にした。
「それじゃあ、行ってくるね!」
「はいはい。一応成功を祈っておいてあげるわ」
幸せそうな顔で私の親友は走り去っていった。場所はどうあれ、デートかぁ~私も葵君と一緒に……
「舞殿、舞殿」
「――ッツ、ウエッ!?」
突如後ろから掛けられた声に驚いて振り返ると……
「え、えっ?――葵君!?」
「すまぬ! 驚かせてしまったようでござるな」
まさかの葵君登場に、私の心臓はドクンと跳ね上がる。
「舞殿……」
肩に手を置かれ、真っ直ぐな、真剣な瞳で私を見つめてくる葵君……なにこの展開♡――って、私にもとうとう春が!?
「頼む! 妹の調査に協力してくれ!」
「…………」
うん。分かってた……分かってたけど! 少しくらい期待しても良いじゃない!!
急に黙り込んだ私を不思議そうに見つめながら葵君は手を合わせてお願いポーズだ。妹の事にはすぐ敏感に気づくのに、私の気持ちには全然…………
「……協力って何を?」
「今日、紅葉がいつもとは違うおめかしをした格好で、凄く楽しそうな笑顔で家を出て行った……しかも、どこに行くのか聞こうとしたら物凄い形相で『絶対についてこないでね』と言われてしまった」
「……なら、大人しくそうしていれば」
「だが! 兄として妹が変な男に言い寄られて無いかと心配なのだ!! 相手を確認するだけで良い。問題無ければ俺も静かに見守ると約束する。だから頼む、拙者が頼めるのは舞殿しかおらぬのだ!」
そう言って、今度は両手で私の手を掴み取り、真っ直ぐに、真剣な瞳でお願いしてくる兄バカな葵君。またドクンと別の意味で私の心臓が跳ね上がる……うぅ~反則だよ……これを私に断れって言うの!? 私は…………
待ち合わせ場所に着くと、ガクト様はなんと既にその場所に居て(ちなみに一時間前)緊張した面持ちで、周りをキョロキョロと見渡しながら、時計を見て苦笑い? を浮かべていました……なんかかわいい!
「さすがにまだ早いよなぁ~」とか思われているのでしょうか? いいえ、そんなことはありません! 初デートだもの……私もすぐに参ります!
あっ、でもさすがに次回からはお互いに早く来すぎない様に話さないとね★
また何か筋肉アニメ始まりませんかね〜
あのボディービルディングのアニメは中々に良かったらのですが(笑)