真剣でガクトに恋しなさい!(本編完結)   作:仏のマスター

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【真剣で布仏家長男に恋しなさい!】の短編版と同じ様に見えて、実はちょこちょこ変わってたりします^_^;
 要は、海人→フォスター。仏→ウォルターに変わったところとかが影響してますね。あと、追加されたセリフや文も



五話 キッサテン

「お待たせしました岳人さん」

 

「あっ、紅葉さ…………」

 

 声を掛けたところで、私を見たガクト様が驚いた表情で固まってしまった。私、何か変なところでもあったのかな!? と不安になってしまう。

 

「あ、あの……何か変なところでもありましたか?」

 

「…………女神…………」

 

「……メガミ?」

 

「美しい……ハッ!?――すみません! つい見とれてしまって!」

 

 美しい……それに見とれてだなんて♡心臓が爆発しそうになるのを何とか抑えながら、気合いでガクト様へと私は返事を返す。

 

 

 

 

 天使……否! 女神がそこに居た。

 

 始めはしっかりと外見を誉めて、好印象をと考えていたのに、現れた紅葉さんを見て、俺の頭の中は真っ白になった。

 不安そうに見つめる彼女に気づき、何とか気合いで意識を戻し、彼女へとあやまった。

 

 

 

 

「えっと……ありがとうございます。その……お世辞でも嬉しいです」

 

「お世辞だなんて! 素直な俺の感想です!! ハッ!?」

 

 お互いに顔を赤くし、照れていると……ふと、周りの視線がこちらに向いている事に二人は気づく。

 

「と、とりあえず移動しましょう! 開場時間にもまだ早いので、その辺の喫茶店にでも」

 

「そ、そうですね!」

 

 そして二人は近場にあったカフェに入っていった。

 

 

 

 

「む、カフェに入っていったか」

 

「…………(ドキドキ★)」

 

 皆様こんにちは……花京院 舞です。現在私たち(葵君と私)は、一定の距離を保って、二人を尾行しています。

 結局、葵君のお願いを断る事が出来ず、紅葉には悪いと思いながらも、葵君の助手をしております。ん? よくよく考えてみたら、今葵君と私……初めて二人でお出かけしてる!? って考えたら少し嬉しくなったが、前を行く二人の様な甘い展開も無く、デートとは言えないか…………

 

「むむ、さすがにあの小さなカフェに入っていくのは危険過ぎるか……仕方ない。舞殿、我々もしばし……舞殿?」

 

「――あっ、ごめんなさい。うん、見える範囲で一時尾行中止かな?」

 

「そうでござるな。立ちっぱなしもなんだし、斜め向かいのバーガー屋にでも入って、出てくるのを待とうでござるよ」

 

 そうして私たちも、別のお店へと入っていった。

 

 

 

 

 小便はすませたか? 神様にお祈りは? 部屋のスミでガタガタふるえて命ごいをする――「ウォルター! それ作品違う!!」――失礼致しました。

 ここはとある町カフェ……今日も迷える子羊たちが癒やしを求めやってくる……

 

「いらっしゃいま――『え、マスター!?』――おやおや」

 

「あれ? なんでいるの? ここ仏の喫茶店じゃないよね」

 

「いや、一応は仏の喫茶店ですよ~ただ、気まぐれ営業の二号店ですが」

 

 仏の喫茶二号店……夜営業のみの洋食店を営む友人のお店をたまに間借りして、営業している二号店。本店と違い、市街地のど真ん中なのもあり、ちょっとした顧客創造と気まぐれでやっています。

 

「気まぐれ営業って……どうなんですか?」

 

「ここでファンになってくれたお客様で、本店に来てくれている方もいらっしゃいますし、少し前ですが……テレビの取材も受けましたよ~『気まぐれ営業の隠れた絶品カフェ☆』と視聴者から複数の投稿があったらしく、それなりの売上も出てますね」

 

「へぇ~」と関心する二人を見ながら、とりあえずカウンターの席に誘導します。

 

「じゃあ、今日は本店は休みなんですね」

 

「えぇ、そのかわりにフォスターたちがバイトで喫茶店の大掃除をしてくれています。川神さんや黛さんもお手伝いに来られてましたよ」

 

「まゆっちが朝から気合い入ってたのはそれが理由か……」

 

「こちらとは違い、あちらはバチバチやってるかもですね」

 

「「えっ!?」」

 

 そう言いながら、いつもと違い着飾った二人を微笑ましく見つめる。

 

「さてメニューですが、私に任せて頂いてよろしいでしょうか? お二人に合ったチョイスを私から差し上げたいと思います」

 

「えっと……紅葉さん、良いかな?」

 

「はい。なんかドキドキワクワクです」

 

 さて、これから進んでいくであろう若人たちへ、ささやかなプレゼントといきましょうか。

 

 

 

 

 しばらくして一杯の紅茶と薄いピンク色のゼリーが運ばれてきた。

 

「ローズヒップティーに、以前、川神さんの案を取り入れて作った桃のゼリーでございます」

 

「……良い香りですね」

 

「…………マスター……これは……」

 

 純粋にハーブの香りを楽しむガクト様……しかし、この二つに込められた思いに私は気づいてしまった。

 

 マスターを見ると、にこやかな笑顔で「どうぞ」と言ってきた。これはきっとマスターなりの応援なのだろう。私は素直に感謝の気持ちを込め、頂くことにした。

 

 

 

 

 紅葉さんの方はどうやら気づいた様ですね。

 

 ローズヒップティーは、一般的に恋愛に良いとされる紅茶の中でも、その色から赤い糸を彷彿とさせ、楽しく充実した恋愛を運んでくれると言われています。更に桃のゼリーは、『桃』は万能の食べ物。風水では恋愛運を上げるのに最強の食べ物と言われています。

 そんな二つの組み合わせで、二人の恋愛をサポート!!……なんてな。

 

 

 

 

「「ごちそうさまでした!」」

 

 そろそろ会場に向かうのに良い時間帯になってきました。お互いに席を立ち、ガクト様がお会計をしようとしたところで……

 

「今日は私からの応援も兼ねて、お代は結構です。お二人の未来に幸あれ」

 

 そう言われ、ようやくガクト様もマスターの微笑みの意味に気づいたのか、少し顔を赤くして、感謝の意を伝えていた。

 

「良いのですか?」

 

「はい。でも気になるのでしたら……改めてまたお二人でいらして下さい」

 

 そう言われて、少し私も顔が赤くなった気がした。そして私たちはカフェを出て……もし、さっきの紅茶とゼリーの意味も教えたら、ガクト様はどんな反応をしてくれるかな? などと考えながら、私たちは会場へと向かった。

 

 




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