すべからく全て不慮の事故です 作:カナーさん
「よぉーお呼ばれしましたが何か用事おありですかー?」
黒霧のゲートから堂々と現れたのは彼女が見たことのない十名程の人。
「遅刻ですよ志布志。電話も通じないですし」
「うるせぇ。こっちは後輩と楽しく海でヤッてたんだよ。邪魔するなら海に沈めるぞ」
「…血の海か?」
険悪な志布志に弔は確認するように聴く。トガがスッと細め志布志を見る。
「おっなんだわかってんじゃんリーダー。そそ、後輩が普通の海が腐るからってアタシ自ら築いたぜ。んでこれはなんの集まり?」
彼女はそれが彼に集った、生きづらい
なにを今更と、呆れを隠さずと馬鹿にしたような空気を放出する。
それにいい顔をする奴はいない。
誰も手が出なかったのは運が良かっただけだ。
「性別性癖主義格差…おおよそこんなとこか?お前ら実は結構暇人だろ」
ほんとうに運がいい。
なんせ誰も行動に移していない。移そうと体が動いているやつは多いがそれでもまだラインは引かれている。一重に弔の力量というのもゼロではないが…大体は最後まで聞いてからヤルかという思考だ。
「いやいやホントー生きるの楽しそうだな。いや辛そうか?悩むことが多そうで。起伏が激しそうで」
「そういうお前はどうなんだ志布志。お前だって「ないね」…」
弔は問う。お前は、今まで過ごしてきたお前も当然のように抱えているだろと。
だが言わせない。蝶々崎と違い最後まで話を聞かない。
相手を配慮しない。
「アタシ達は過負荷は
親に飲まされるガソリン。同級生から食わされる新聞紙。生憎と人生において敗北をこれ以上なく味わっているのはアタシ達だ。それでも今が息苦しいなんて思わないね…まぁいいさ。エリートを抹殺したいっていう願望はあったから今はそれで。
弔はそれに反応しない。良いということだ。
「現過負荷リーダー『
そのまま黒霧にゲートを開かせようと戻れば
「なに帰ろうとしてんだ質問がまだ残ってるだろ」
志布志は背後から聞こえた声に足を止める。
「…そうだったわ。あいさつぐらいって言ったの忘れてた」
瞬間
グパッ
と全身からの痛みが一斉に脳を突く。
「それがアタシの過負荷だぜ。誰の言葉だったか…日常生活に一切の役に立たない破綻し歪んだデタラメで凶暴な能力、らしいぜ。名前だけでも覚えてくれよ」
その場に倒れ付す者はいない。
志布志も蝶ヶ崎もその能力を解き放つことに一切の抵抗はない。だがもしこの場にあいさつに来ていたのが少年なら…集まった彼等、開闢行動隊はもれなく床に伏せていた。
なんせ蝶ヶ崎は加減しない。
その点志布志は計算できる。
ほんとうに運が良かった。
「なにをしているのですか志布志!」
焦った声で問い詰める黒霧。
即座に常備している包帯を彼等に施し、先生の元へ飛ばそうとする。
「別に致命傷じゃねえから焦んなよ。まぁこの後の展開によっては必要だろうけど_いるな」
ボォと噴き出す炎。ギチギチと伸びる
その矛先が志布志を向く。
「あーあ。あいさつって言ったのに…人の話は聞くもんだぞ。いい歳なのに大人げねー。しゃーなし。リーダー文句言うなよ。こっちもちゃんと_」
パンッ!!
「_相手するとこうなるわな」
先程までいた三名が黒霧によって飛ばされる。
「マスキュラーとムーンフィッシュでも相手にならないか…まさに鎧袖一触だな」
「そうでもないさ。手元が狂ってついやり過ぎた。やっぱり後輩は重い」
包帯を巻かれた腕を擦りながら汚れた床を見つめる。
「珍しいな。お前が怪我をするなんて相手はどうした?」
弔の考えの中に志布志が怪我をするというイメージが湧かなく彼は素で驚いて、ちゃんと始末したか確認をする。現にここにいるのだから心配はないが。
「またカラオケの約束をしたよ」
それは彼が予想していた回答ではなかった。志布志が困ったように笑うなんて偽物を疑うレベルだ。
だがあの志布志にも突ける弱点が判明したのは収穫だ…と弔は考えていたがやはりというか彼も過負荷というものをわかっていない。いやあれを理解するほうが間違っているのだが。
……。
「志布志さん!初めましてトガです渡我被身子です!」
右腕にフォーカスを当てられながら、志布志は似た空気を感じてヤレヤレと溜息をした。
遅れた理由はVと遊戯王と特撮です。ゴーバスター面白い。J好き。
…いつもより適当加減が目立つのはゴメン…やっぱ戦闘中というか被害者がちゃんと出ないと執がね…