家事が出来ない居候と農家の俺   作:マッカーサ軍曹∠( ̄^ ̄)

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新作です。多分週一か週二程度で投稿していきます。この小説は作者がただ楽しく書いて投稿しているだけなので、それでもいいよって人はゆっくり読んでいってね(˙꒳˙ )


始まりの出会い

 朝の5時……まだ日が差していない暗い畑で、ゴソゴソと作業をしている人がいた。

 

「……ふぅ。まぁ、このくらいでいいかな。もう3月だってのにまだ寒いってのは嫌なんだけどなぁ」

 

 彼の名前は春川大地。現在の歳は23歳で野菜や米などの農家を生業としている。大地はさっき、自分で収穫した野菜を軽トラックに乗せてある程度一段落着いたのか少し坂になっている地面に座って休憩を始めた。

 

「今日も肌寒いな。早く太陽の陽を浴びて気温が上がってくれないかねぇ」

 

「お〜い、大地ちゃんよ〜」

 

「ん……あぁ、山野さんおはようございます。今日もこの時間だと肌寒いですね」

 

「おはよう大地ちゃん。やっぱり若いもんは働きものだねぇ〜。儂の孫も見習って欲しいわい」

 

 休憩をしている大地の所に現れたのはこの近くに住んでいる山野さんだった。山野さんは大地に話しかけながらゆっくりと腰を下ろして大地と同じように景色を見ていた。

 

「山野さんの方のキャベツはどうでした?俺の方のキャベツはまだちょっと収穫するには1週間かかりそうなんですけど……」

 

「大地ちゃんの所はまだか。儂の方はもう収穫出来るほどキャベツが出来たからのぉ。今度儂の家に来なさい。ふみも会いたがっておるからな」

 

「本当ですか?ありがとうございます山野さん。……山野さんはこの後どうするんですか?俺はそろそろJAグループの直売所に行くんですけど」

 

「儂はもう少しここでゆっくり景色でも見てるわい。早くせんと業者の奴らに怒られるぞ」

 

 すると、大地は立ち上がって山野さんに頭を軽く下げた後に軽トラックに乗ってJAグループの直売所に向かった。

 

 

 

 

 

 

 しばらくして、大地はJAグループの直売所に着いて、全ての野菜を納品した後に窓口の職員にその報告をしていた。

 

「……よし、大丈夫。今日もありがとね大地」

 

「相変わらず俺に対してはタメ口で話すよな凛。お前ここの公務員の職員なんだからしっかりしろよ」

 

「え〜、いいじゃん。同じ学校を卒業した古い仲なんだから〜」

 

 そう言いながら肩を叩く女性は富岡凛。凛は大地と同じ小、中、高と同じ学校のクラスメイトだ。凛は全ての野菜のチェックを終えると大地に書類を何枚か渡した後に小声で話しかけてきた。

 

「大地、そろそろ彼女欲しいとか考えない訳?あんた顔は普通だけど雰囲気イケメンなんだから彼女作ってみなさいよ」

 

「雰囲気イケメンって……それはお前が俺に脱毛とかシャンプーとか色々買ってきて無理矢理押し付けたからだろ。……まぁ、もったいないから使っただけだけど」

 

「で?彼女欲しい訳?」

 

「とりあえず検討中で」

 

「それ、ほとんど無いって言ってるようなもんだから」

 

 大地はその後、書類を書いて凛に渡して軽トラックの方に向かった。大地は少しだけ後ろを振り向くと、凛が小さく手を振っていたので軽く手を振りながら直売所を後にした。

 

「さて、これからどうしようか……」

 

 軽トラックを走らせながら大地はこの後の予定を考えていると、ふと近くの神社が視界に入った。その神社は人が少ないこの村ではあまり訪れることがなかったので人がいる気配はしなかった。

 

「神社か……まぁ、かなり遅いが今年も豊作でありますようにって祈るか」

 

 すると、大地は近くの道に軽トラックを停めて神社の方に向かう。鳥居をくぐって中に入ると、その神社はやはり人がいないせいかほとんど手入れがされておらず、草が生い茂っていた。

 

「これは……凄い生い茂ってるな。夏になったら蚊が凄そうだ」

 

 大地はそのまま本殿の前にある拝殿の前に向かい、財布の中から五円玉を取り出すと、賽銭箱の中に入れて手を2回叩いて祈った。

 

(どうか、今年も豊作でありますように……)

 

「……んぅ」

 

(ん?今人の声が聞こえたような……)

 

 大地は辺りを見渡してみるが、周りには人がいるようには見えなかった。拝殿の周りにはほとんどが木や草などが生い茂っていて人がいるようには感じられなかった。

 

「……やっぱり気のせいか」

 

 そして、大地はさっきの声に疑問を持ちながらその場を去ろうとしたその時だった。

 

「……うぅ……」

 

「ッ!?今の声は……この茂みの中かッ!」

 

 大地はその茂みの中をかき分けてその声の主を探すと、そこには1人の女性が横たわっていた。その女性は髪が長く綺麗な青髪をしていて、綺麗な顔立ちで美しい女性であった為に大地は一瞬見惚れていたが、直ぐに正気に戻ってその女性に声をかけた。

 

「おいッ!大丈夫かッ!しっかりしろッ!」

 

「……ッ…ここは、一体」

 

「よかった。目を覚ましたか、大丈夫か?」

 

「……あ、あぁ。大丈夫だ」

 

「ならよかったよ。一応親御さんがいるなら連絡するけど、名前は?」

 

「名前……ですか?私の名前……」

 

 すると、その女性は少し頭を悩ませた後、大地に素直に答えた。

 

「名前が……分かりません」

 

 




次回【記憶のない女性】
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