家事が出来ない居候と農家の俺 作:マッカーサ軍曹∠( ̄^ ̄)
翼の点滴が無事終わり、窓口で診察代を大地が払い終えると、そのまま軽トラックに乗って大地の家へと向かい始めた。大地が軽トラックの運転に集中している間、翼は大地の隣の助手席に座りながらソワソワしていた。
「……なぁ、翼」
「ッ!?ど、どうしましたか大地さん」
「いや……なんか凄いソワソワしてるけど大丈夫?」
「そ、そんな風に見えましたか?」
「まぁ、たまに俺のことチラチラ見てくるから気になってな。何かあった?」
「いえ、特にはありません。ただ、その……大地さんの家にしばらくの間お世話になるので少し緊張してしまいまして……」
翼はそう言いながら、顔を少しだけ逸らして頬を赤らめていた。大地は、軽トラックを運転しながらであったが翼のその表情を見て、少しだけ期待と緊張が膨らんだ。
「そ、そろそろ俺の家が見える筈だッ!」
「……もしかして、あの少し大きな屋敷見たいな家ですか?」
「あぁ、それが俺の家で合ってるよ。家に着いたら少しだけ玄関前で待っててくれ」
やがて、大地は自分の家に着くと、翼を降ろして自分の車庫の方に軽トラックを停めに行ってしまった。翼は大地から軽トラックを降ろされて玄関前まで向かうと、そこには春川と書かれた木版が吊るされていた。
「お待たせ。……ってどうした?」
「いえ、その……玄関が大きいなと思いまして」
「あー……確かに俺の家は両親から譲り受けた家だから結構大きいんだよな。まぁ、中に入ったら家の中も結構広いから正直持て余すぐらいだからね。それじゃ、開けるよ」
大地はそう言いながら家の鍵を開けて、家の中に入る。もちろん、その後に続いて翼も大地の後を追いながら中に入った。その時、翼は大地の家の中を見た時に懐かしいような、少し違うような、そんな感情を抱いた。
「とりあえず家の中の説明をしたい所なんだが、その前に……ったどうした翼?もしかして何か思い出たか?」
「ッ……いえ、まだ何も思い出せなくて。心配かけてすみません」
「いや、気にしないでいいよ。それより、まず奥の廊下を渡った所を右に行ったらお風呂場だから、体を洗ってくるといいよ。その服は汚れてるだろうしね」
「……分かりました。あの、お風呂から上がった時の服はどうすればいいですか?」
「俺の母さんの着物を準備してるから大丈夫だよ。とりあえずその服は洗濯するから籠の中に入れといてくれ」
「分かりました」
翼は一言返事をした後、そのままお風呂場に向かう。そして、翼はお風呂場の前で自分の着ていた服や下着を脱いでお風呂場のドアを開いた。すると、中は翼の思っていた以上に広く、まるで旅館のような作りになっていた。
「これは……凄い」
とりあえず、翼は浴槽の湯の温度を少し手を入れて確認すると、ぬるくもなく、熱くもないちょうどいい温度だった。
「暖かい。……でも、その前に体を洗わなくては」
そして、翼は体を洗うことにして鏡がある方に向かう。小さな椅子に座ってシャンプーを使ってまず体を洗う。その時、翼は目の前の鏡を見てふと違和感を感じた。
(この鏡に映っている人が私、風鳴翼。でも、何故だろうか。まるで顔や姿が私自身でも何かが違う……そんな気がする)
やがて、翼は体を洗い終えてそのまま泡を流す。そして、翼はそのまま浴槽に向かいゆっくりと湯に浸かった。
「ん……いい湯だ」
次回【誰かとの食事】