Evil classroom   作:ちぬふ

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シリーズ序章です。


殺戮者の最後

蓮実聖司は冷たい牢屋の中で口笛を吹きながら考える。

もちろんメロディーは「三文オペラ」の「モリタート」である。

この先、禁固25年の刑期を素直に全うし、これからの人生を自分が生きることに価値があるのか否か。

かつて国際金融界を追放され、アメリカ入国が禁止された時にも味わった挫折。それまでの蓮実聖司の人生は順風満帆そのものだった。

気に入らない教師を学校から追放したのは小学2年生の頃だったか、クラスの男子の人気投票で自分を差し置いて1位になり、目の上のたんこぶだった友達を溺死させたのは何時だったか、俺の本質に気づいた両親を排除したのも。

 

これまでの人生で俺に不利益をもたらす存在は徹底的に排除してきた。あってはならない。自分のようなメジロザメが、ただのワニガメやブラックバス程度の存在でしかない警官に監視されたまま人生を浪費するなど。

ただただ気に入らないのだ。今すぐ監視官を始末して脱獄したいものだが、そんなことが出来るだろうか。蓮実は自分の間違いなく天才的であると自負する脳を高速回転させ思考するが、途中でやめた。

分かっている。どうしようも無い。脱獄後の生活の想像なんて無意味でしかない。脱獄すら出来ないだろう。あぁ気に入らない。思えば両親を殺したのも自由を束縛されるのを嫌ったからだった。

蓮実は思考を切りかえた。

この状況で自分に1番利益をもたらす行動はなにか、蓮実の頭脳は一瞬で結論を出した。

「やむを得ないな」

蓮実は口元に手を当てて小さな声で呟いた。

精神疾患を装うことも考えた。間違いなく自分なら完璧にこなし、

全ての人の目を欺き、無事に責任能力無しと判断されるだろう。

蓮実聖司とはそういう男なのだ。人心掌握に長け、全ての人から信頼を勝ち取ることに優れた人たらし。だが、これも全て偽った自分の仮面に過ぎない。蓮実聖司の本質とは、生まれついてのサイコパス(反社会性人格障害)であり、サイコキラーである。

他者への共感能力に欠けており、邪魔とみなした人物を躊躇なく排除しても何も感じない。、幼少期から数々の人物を、自殺や事故、他の人物の仕業に見せかけて殺害してきた。

両親も中学生時代に、蓮実の本性を知ってしまったため、自分が他殺に見せかけて殺した。

 

蓮実はいわば殺しのプロである。人間が何をすれば絶命するか熟知している。これまでありとあらゆる方法で自分の障害になりうる存在を排除してきたのだ。

 

蓮実は一息ついた。

 

そして次の瞬間には自分の耳のちょうど垂直下方向の位置にある頸動脈を自らの尖らせてあった爪で抉り、指を強引に突き入れ、そのまま奥まで抉った。

 




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