転生したら山内でした。 作:鴨の加茂
昼休み、俺達は教室で作戦会議を開いてた。なんと言っても明日が須藤とCクラスとの件で生徒会を交えた話し合いがあるからだ。そんな横で池が週刊誌を読んでいた。·····そろそろか。
「あ、おいちょ、まだ読んでる途中なんだから返せよ!」
「いいじゃんかよ。俺だって金半分だしてんだからさ。後で渡すって」
これで櫛田は気付くだろう。
その日の夜。櫛田の呼び掛けで須藤と堀北以外のメンバーが綾小路の部屋へ集合した。
「何か進展があったの?櫛田ちゃん」
「進展も進展、凄いこと気づいちゃった。綾小路くんパソコン借りてもいいかな?」
ああ、と綾小路が頷くと、櫛田は寮に備え付けられたパソコンを起動して、インターネットへと接続する。
「じゃーん。これをご覧くださーい」
櫛田が開いたのはグラビアアイドル雫のブログだった。
「あれ、この写真って、雫じゃん?」
「雫?」
「グラビアアイドルだよ。ちょっと前まで少年誌にも出てたことあるんだぜ」
ブログには個人でアップしたと思われる画像が何個か乗っていた。
「この子に見覚えない?」
「見覚えもなにも、雫だろ?」
「良く見て」
櫛田はアイドル雫の顔をアップにする。池はマジマジと見た後·····。
「·····可愛い」
「じゃなくって!これ、佐倉さんじゃない?」
「櫛田ちゃん、誰が誰だって?」
「同じクラスの佐倉さん」
「へ·····?いやいや、佐倉って、いやいやいや、ありえないしょ」
笑う池。確かに実際写真の数々を見てみると未だに信じられない。
「あの佐倉が、雫·····嘘だあ。ちょっと雰囲気は似ているけど、別人だって。だって雫ってめっちゃ明るい感じがするぜ?なぁ。綾小路」
「いや、櫛田の言うように佐倉で間違いない。ここ」
そう言って綾小路は一枚の写真を差す。
「僅かにだが寮の部屋の扉が写ってる」
「この寮と同じ、だね」
「じゃあやっぱり佐倉は雫なんだ·····まだ、全然ピンと来ないけど」
「·····櫛田、ちょっと話があるんだけど残ってもらってもいいか?」
「ん?話?いいよっ」
「おい綾小路!おまえ、どんな話するつもりだよ!まさか!」
綾小路が違うと否定するが池は聞く耳を持たない。結局玄関前で待っててもいいと言われたので池と二人で玄関前で待つ。まぁ、中でのやり取りを知ってるけどこの状態の池を放置するのも怖いからな。
その後、タイミングを見計らったかの様に自室へと戻った瞬間電話が鳴った。知らない番号からだ。
「はい、もしもし」
「山内、私だ。茶柱だ」
どうやら先生らしい。何かやったっけ?
「あー、はい。何かあったんですか?もし明日に関する事なら堀北に·····」
「私は、個人的にお前の事を買っているのだがな。お前は明日は話し合いに参加しないのか?」
「堀北が参加するのに俺って必要ですか?頭もいいし、おまけで綾小路も居るから大丈夫だと思いますけど」
「この前の須藤の一件、綾小路の発想も面白いがお前はそれ以上だった。当然、その方法が乱用されれば学校側は規制をかける可能性がある。それを理解した上でお前は平田以外の生徒に何が起きてるのかを伏せたのだろう?」
「·····学校側があの取引を認識してるけど未だに動かないって事は、クラス単位とかテスト毎にやる訳じゃ無いなら目を瞑るって事なんですよね?」
「ああ、どうやらそのつもりのようだな。で、お前は結局この件では動かないのか?」
「動きますよ、けど須藤を救うのは堀北に任せますけどね。」
「お前は中学生活のデータを見る限りそこまで頭の回る生徒じゃないだろう?」
「·····それは、周りの環境次第じゃないですかね」
暫く、1分くらいお互いに無言が続いた。中々に気まずいな。
「あー、明日手伝って欲しい事があるんでまた学校で言わせてもらいますね。それじゃあ、また明日に」
俺はそれだけ言って電話を切った。·····何かに使える可能性はあるので番号は控えておこう。