転生したら山内でした。   作:鴨の加茂

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1年生無人島試験編
天国と地獄の境界線 [1]


常夏の海。広がる青空。澄み切った空気。そよぐ潮風は優しく体を包み込み、真夏の猛暑を感じさせない太平洋のど真ん中。そう、ここはまさにシーパラダイス。

 

「うおおお!最高だあああああああああああああああ!!」

 

豪華客船のデッキから高らかに両手を挙げ、池の叫び声が響き渡る。

 

「凄い眺め!マジ超感動なんだけど!」

 

船内から姿を見せた軽井沢を筆頭とした女子グループが、満面の笑みを浮かべ大海を指さす。

 

「ほんと、凄い景色だね·····!」

 

そのグループに居た女子の一人、櫛田も恍惚としたため息をついて海を見ていた。

中間テスト、期末テストを乗り越えた俺たちを待っていたのは、高度育成高等学校が用意していた2週間の豪華旅行。豪華客船によるクルージングの旅だった。

 

「退学にならなくて良かったよな、健。こんな旅行普通だったら絶対無理だしさ」

 

「俺様の実力にかかったら余裕だぜ。ギリでクリアするのも主役のみせどころっつの?」

 

普段の面倒なことや大変なことも、全てこの青い海が吹き飛ばしてくれたらしい。

 

「高校生でこんな豪華旅行が出来るなんて夢にも思ってなかったぜ。それも2週間だぜ2週間。母ちゃんや父ちゃんが聞いたらびびってチビるだろうな」

 

須藤の言うように、普通なら生きている間にこれほどの規模の旅行に参加出来ることは無いだろう。

 

有名レストランや演劇を楽しめるシアター、高級スパまで完備されている。綾小路曰くオフシーズンでもウン十万は必要らしい。

そんな贅沢な旅行の予定は、最初の1週間は無人島に建てられているペンションで夏を満喫し、その後の1週間は客船内での宿泊という流れらしい。

 

『生徒の皆様にお知らせします。お時間がありましたら、是非デッキにお集まり下さい。間もなく島が見えて参ります。しばらくの間。非常に意義ある景色をご覧頂けるでしょう』

 

池が歓声の声をあげる。地平線の彼方、視界に小さく島のようなものが視認できた。だが、船内から生徒たちが出てきて、俺達を押しのける横暴な男子生徒たちも現れた。

 

「おい邪魔だ、どけよ不良品ども」

 

見せしめで綾小路が肩を突き飛ばされていた。

 

「テメェ何しやがる!」

 

須藤が即座に威圧し返し、櫛田と池は心配そうに綾小路の傍による。いや、池は櫛田が綾小路の傍に寄ったから着いて行っただけだろうか。

 

「お前らもこの学校の仕組みは理解してるだろ。ここは実力主義の学校だ。Dクラスに人権なんてない。不良品は不良品らしく大人しくしてろ。こっちはAクラス様なんだよ」

 

追い出されるように船首から離れるDクラス。須藤は不満そうだったがしっかりと堀北との約束を守っていた。

 

その後は平田と出会ったり池が櫛田に本名呼びをお願いしたり、須藤が堀北の事を下の名前で呼ぶ決意をしたりと色々あったがやがて島がはっきりと肉眼で確認出来るようになった。

そのまま船は島へと近付き、島の周りを一周してアナウンスが流れる。

 

『これより、当学校が所有する孤島に上陸致します。生徒たちは30分後、全員ジャージに着替え、所定の鞄と荷物をしっかりと確認した後、携帯を忘れずに持ちデッキに集合してください。それ以外の私物は全て部屋に置いてくるようお願いします。また暫くお手洗いに行けない可能性がありますので、きちんと済ませておいてください』

 

それから、部屋に戻りジャージに着替えた。

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