転生したら山内でした。 作:鴨の加茂
「平田·····Aクラス担任の真嶋先生から連絡があった。少し来てくれ」
平田が茶柱先生からそう呼ばれたのはベースキャンプを探しに皆でお散歩している時だった。池と須藤は既に先に散策へ向かっている。
平田が戻ってくるまでそんなに時間はかからなかったがそのまま皆の元へ行くのではなく、何故か後ろの方に居た俺の所に来た。
「山内君、茶柱先生から伝達があったんだけど作戦は成功だよ」
「そりゃ良かったな。高円寺のおかげで色々な問題も解決するかもな」
「うん、さっそく行ってくるよ」
そう言ってすぐに平田は幸村と篠原を呼び、最初の壁でもあるトイレの購入についての説得をしている。だが、同じ説得材料を俺が持っていても同じ様には行かなかっただろう。それを見るとやっぱり平田のスペックの高さを羨ましく思う。ちくしょう、やっぱり俺も山内じゃなくて平田に転生したかったぜ·····。
「以外ね。彼等と行動すると思っていたわ」
「別に不思議に思う事じゃ無いだろ。寛治は山とかに慣れてそうだし、健も運動神経がいい。俺がいても足手まといになるだけだ」
「·····そう、ところで───」
「ここなら日差しも遮れるし、周囲に誰かいても話を聞かれる心配もなさそうだね」
堀北が何か言いかけたが、平田が話し合うのに良さそうな場所を見つけたらしく皆へと呼び掛けたので俺も堀北も、横にいた綾小路も一旦そちらへ意識を向ける。
「池たちだけじゃなくて、俺たちも動くべきじゃないか。主要なスポットを別のクラスに押さえられたら、その分必然的にポイント差が広がってしまうだろ」
俺を含めた男子数人が、移動中に話していた内容だ。
「うん、そうだね。すぐに動かなきゃいけない。この中にサバイバルに精通した人とか·····いないかな?」
一縷の望みをかけて平田が聞く。当然、誰も手をあげようとはしないし逆に周りを見渡している生徒が多い。
そんな中、1人の生徒が手を挙げた。
「拙者、幼い頃より父親にサバイバル技術を叩き込まれ、ジャングルでも1人で生き抜けるよう鍛えられたでござる。·····という設定の主人公に憧れているのである」
博士·····。自業自得なので可哀想とは思わないが、クラスの大半からバッシングを受けている。
「あの、私でよかったら行くよっ」
流石は学年中の男子女子関わらず人気のある櫛田だ。誰もやりたがらない事でも率先してやるなんてな。しかも、櫛田目当てかなんなのか、男子も急に手を挙げ始めた。
「10人かな。あと二人参加してくれれば、3人ずつの4チーム作れそうなんだけど」
平田が挙手していた人達を数えていたらしく、人数が足りないらしいので俺も手を挙げておく。綾小路の方を見てみると佐倉が控えめに手を挙げていた。
「2人ともありがとう。これで12人。3人ずつの4チームで行こう。今1時30分前だから、成果の有無にかかわらず3時までには一度ここに戻ってきて欲しい」
そうしてチームが各自で組み始められるのだが·····。
須藤と池が居ない中、当然組む相手がいる訳でもなく俺は綾小路と佐倉とチームになった。