転生したら山内でした。 作:鴨の加茂
·····腰が痛い。1晩この無人島で寝た感想はただそれだけだ。けれども、今日は綾小路達が他クラスの偵察へ行く。そうすればBクラスの知恵を借りれるので少しは改善されるのかな。そんな事を考えながら朝早くに起きた俺は行動を開始する。クラス毎にカバンの色が違うので伊吹の物はすぐに分かる。·····既に平田と綾小路が起きていたが、顔を洗いに川に向かったので早めにテントに戻ろう。
朝の点呼が終わり、自由行動に移ろうとした時にCクラスの小宮と近藤がやってきて凄く嫌味な事をしてきた。ポイント節約をしてるDクラスの前で炭酸のジュースやらスナック菓子を頬張るのだ。くだらないが効果的過ぎる。羨ましい…。
ともかく、堀北や綾小路は他クラスの偵察。その他の生徒はほぼ全員が平田の指示の元、動いていたが俺と池、須藤は今日は釣りをしていた。なかなかに難しい物だが池の助言もあり成果もまちまちだった。それに加え、綾小路と佐倉がトウモロコシを発見したので池と須藤と一緒に取りに向かった。
無人島生活も既に4日目。綾小路達の見つけたトウモロコシにここ2日で俺たちの釣った魚。川の水を飲む抵抗もなくなった。その他にも平田の指示の元、クラスメイトたちの見つけて来た果物のおかげでポイントは節約できている。今現在、高円寺のリタイアなど含めても約100ポイントの消費の維持に成功している。数字だけ見るなら原作通りだが、それでいい。
今日は池と須藤に釣りを任せ、島の探索、他クラスの偵察偵察をして来ようと思ったのだが、適当に歩いてたら綾小路がAクラスの生徒2人に挟まれたタイミングだった。·····ゴソゴソと鞄の中に手を入れ、カメラを手に取る。どうやら伊吹の持っていたカメラは動画も取れるらしい。暫くその状況を撮影して綾小路が立ち去った所で俺はAクラスのベースキャンプの洞窟へ向かう。
「あ?なんだお前。どこのクラスだ」
弥彦がいた。リーダーが門番代わりとか大丈夫かよ…
「Dクラスの山内だ。先程クラスメイトがAクラスによって窃盗を受けた。証拠もあるから葛城と話をさせてくれ」
「う…。さっきのを見てたのかよ、けどあんなのただの紙切れだろ?」
「あれはDクラスの所有していた物だぞ?それがDクラスの意向と違う形で他のクラスの手にある。それも、現場を見ていたから分かるが綾小路は1回取り返そうとしたがそれをAクラスが拒否していたよな?」
「う·····!?」
「何をしている。客人を呼んでいいと許可した覚えは無いぞ」
背後から、高身長の男が通り過ぎ、弥彦に話しかける。
「葛城さん!こいつ、俺たちが略奪行為をしたと言い掛かりを付けてきたんですよ!」
「·····またDクラスか。」
高円寺の件でDクラスには苦手意識でもあるのか?
「何か、Aクラスが略奪行為を行った証拠は示せるのか?もし無いのならばこちら側から妨害行為として学校側に通達する。」
「そうだな、カメラに動画でしっかり写っている。良かったら見るか?綾小路が1回取り返そうとしたがそれに反抗した姿も写ってるぞ」
「それならば綾小路が訴えに来るべきでは無いのか?お前が来るのは筋違いと言うものだろう。それに、メモ1枚で略奪と言うのも過大解釈ではないかと考える。しかし、こちらに非があるのも事実だ。落とし所として此方は綾小路に謝罪をし、メモを返そう」
「まず、悪いけどさ、そのメモは綾小路の所有物じゃないんだ。Dクラスに配られたマニュアルの空白ページ、それをちぎってこの島の手描き図を描いたもの。だから謝罪するならDクラスに対してじゃないと納得出来ないかな。その上でこの試験において大事な情報を書いてあるメモをAクラスは俺たちから奪った。それこそ悪意のある妨害行為なんじゃないか?」
「お前何勝手な事を言ってるんだよ!そんなの言いがかりだろ!?」
弥彦は短気だがAクラスだ、こんな態度でも何処かで本質は理解しているはずだろう。
「そうだよな。綾小路に対してならまだしも、不良品の集まりのDクラスに謝罪なんで出来ないだろ?そうだなぁ……。50クラスポイントでこの話を俺たち3人だけの話にする。それでどうだ?」
「…分かった、応じよう。だが聞かせてくれ」
「葛城さん、良いんですか?」
だが、葛城は少し弥彦の方を見た後に俺の方を向く。
「高円寺の件はお前の仕業か?」
「高円寺?ああ、初日にリタイアしたあの変人か。何かあったのか?」
「·····そうか」
そう言って葛城は洞窟の中へと戻って行った。その後は他のクラスも回って見たが、これと言った成果も得られなかったのは悲しい結果と言えるだろう。