転生したら山内でした。 作:鴨の加茂
「山内くん、少しいいかしら」
堀北からそう呼び出されたのは試験五日目の夕方の事だっだ。
「なんかあったのか?」
今日の分のノルマを越えて魚を確保出来たので釣りは終了しており、楽しく散歩をしている最中だったので堀北と話したとしても健から睨まれることもないだろう。
「·····意外ね。まさか貴方がポイントを把握していたなんて」
しばらく2人で歩いていると話を切り出してくれた。
「どういう事だ?別に不思議じゃないだろ。最初の方に平田が目安を設定してくれてたんだから、それに対しての現状は把握するべきだろ?」
「そうね、けれども貴方が把握しているなんて思っても無かったわ。それに、あの行動は軽率だったと言わざるを得ないわ」
そりゃそうだ。原作通りに俺が泥北を作れば上手くいくんだから、俺が痛い目に遭うだけでリスクは無くなったと言ってもいいだろうからな。それが嫌だから俺のワガママで原作改変起こしてんだぞ。
「男女間の空気は最悪ね。お互いに相手を牽制しているわ、貴方のおかげよ」
「それはどういたしまして。これでいいか?」
堀北がジーッと睨んでくる。そんなに皮肉をスルーされたのが気に食わなかったのか?
「それで、堀北さんはこの現状を俺に教えてくれる為にわざわざ呼び出したのか?」
え?何その理解不能みたいな顔。というか会話を途切らせるなよ、こっちから堀北に話題提供は難しいぞ?
「貴方は今後の行動を既に決めているはずよ。違うかしら?」
それはそうだけど、これはもしかして。
「·····手伝ってくれるのか?」
「時間が無いもの、仕方が無いでしょう?でも、条件があるわ」
え?面倒くさ·····。どうせ綾小路に言ってたやつだろ?ほらあの、Aクラスに上がる為に馬車馬の様に働けっていうアレだろ?
「先に条件を聞かせてくれ。手伝いをお願いするかはそれ次第だ」
「簡単な事よ、貴方が今回の特別試験で今までにやった事、今からやる事を私に教えて。当然よね?わざわざ貴方に協力してあげるのだから」
…なんだ、その程度か。
「どっちにしても手伝ってもらうなら説明しないといけないし、分かった。全て説明するよ」
こうして俺は、元々の予定には無かったが有難い協力者を得る事が出来た。
さて、堀北の協力が得られたのならば話は変わってくる。その上で1番面倒くさいのは、綾小路が新しい戦略を築いてる場合だ。それだけはどう考えても対応出来ない。
この後、雨が降る。それは各クラスの動きが制限され、視力も聴力も落ちる事を意味する。そして、今現在Dクラスのベースキャンプのその中心で起こっているであろう火事もすぐに消してくれるだろう。