転生したら山内でした。 作:鴨の加茂
それにしても、まさか堀北が助けてくれるとは驚きだなぁ。
さて、アイツの協力のおかげで俺がこの島でやるべき事はもう殆ど残っていない。つまりはあれだな、もしかして自由時間とか言うやつか?思えばこの島に来てからバカンスらしいバカンスをした記憶が無い。よし、無人島試験ももうすぐ終わる。試験なんて気にしてる場合じゃねぇ!遊ぶしかねぇ!
そういえばこの後雨降るじゃんこの島。よし、決めた。今の内に海に行く。泳いで来てやる。今すぐ行ってやる。
…そんな決意の結果はと言うと、時刻も夜に差し掛かっていてしかもこの後は雨の予報と来た。更には俺は1人だ。うん、やっぱり辞めよう。大人しくキャンプ地に戻るか。
結局その後は特には何事も無く特別試験は終わった。
8月7日
『ただいま試験結果の集計をしております。暫くお待ち下さい。既に試験は終了しているため、各自飲み物やお手洗いを希望する場合は休憩所をご利用下さい』
そのアナウンスを聞いた生徒達が一斉に休憩所へと集まっていく。
「お疲れ様、山内くん。この一週間いろいろありがとう。本当に助かったよ」
平田が労いの言葉と共に手に持っていた紙コップを手渡してくれた。
「こっちこそ、辛かったと思うけど色々と助けてくれて助かった」
「それにしても、本当に君の言った通りの展開になったね」
「そうだな。俺も怖いくらいだ」
「ところで山内くん…」
「おい腰巾着。鈴音はどうした?」
平田と話していると少し離れた所にいた綾小路と健の所に龍園がやって来たようだ。平田はそれを見て少し行ってくるねとそちらへ向かっていった。きっと、昨日の夜の堀北リタイアについて龍園に教えてあげるんだろう。
暫くしてキィン、と拡声器のスイッチが入る音が砂浜に走ると、真嶋先生が姿を見せる。
慌てて列を形成しようとする1年生だったが、それを真島先生が手で静止させた。
「そのままリラックスしていて構わない。既に試験は終了している。今は夏休みの1部のようなものだ、つかの間ではあるが自由にしていて構わない」
そうは言われても、とう全生徒達には緊張が走り、雑談は瞬時に消え失せる。
「この一週間、我々教員はじっくりと君達の特別試験への取り組みをして見させてもらった。真正面から試験に挑んだ者。様々だったが、総じて素晴らしい試験結果だったと思っている。ご苦労だった」
真嶋先生からの、迷いのない褒め言葉を受け生徒たちから安堵が漏れる。
「ではこれより、端的にではあるが特別試験の結果を発表していきたいと思う。なお結果に関する質問は一切受け付けていない。自分たちで結果を受け止め、分析し次の試験へと活かしてもらいたい」
「ではこれより特別試験の順位を発表する。最下位は───Cクラスの0ポイント」
「……0だと?」
龍園は事態が理解できない様子だったが真嶋先生は淡々と発表を続けていく。
「続いて3位はAクラスの20ポイント。2位はBクラスの140ポイントだ」
どよめきが起こる。誰も想定していなかった順位、そしてポイント。
「そしてDクラスは……」
一瞬だが、真嶋先生の動きが硬直した。しかしすぐに言葉が再開される。
「……325ポイントで1位となった。以上で結果発表を終わる」
他のクラスもだが、特に平田以外のDクラスの面々は理解の出来ない状況だろう。健なんて龍園を挑発する事すら忘れて喜んでいる。
「山内くん。どういうこと?どうしてDクラスが1位に……」
堀北が話しかけて来た。ちなみに高円寺は原作同様クラスメイトを煽っている。
「どうしたも何も俺も知らないんだ。誰か他の奴の作戦が上手くいったとかじゃないのか?」
堀北がジーッと俺を睨んでくる。こいつ信じてないな…。
「……堀北さん、ちょっといい?」
堀北が軽井沢に話しかけられた。渋々といった感じだが一旦俺に言い寄るのは中断してくれたらしい。
部屋に帰り、ベットに倒れる。キツイのは知っていたし承知の上だが、想像以上だった。その分ポイントも入り頑張った甲斐もあったのかもなぁ。
そんな事を考えている間に俺は眠ってしまった。